増補 夢の遠近法: 初期作品選 (ちくま文庫 や 43-2) 作者:山尾 悠子 筑摩書房 Amazon 『増補 夢の遠近法 -初期作品選-』山尾悠子著を読む。 「自作解説」が貴重。評論家が類推・分析したんじゃなくて本人が解説して手の内をあかすのだから、ありがたい。以下感想をランダムに。 『夢の棲む街』デビュー作だが、そうとは思えないほどの出来栄え。20代前半ですでに世界が完成していたとは。「京都という街、泉鏡花から倉橋由美子、澁澤龍彦まで読書してきたことのすべて、言葉を用いて架空の世界を構築しかつ崩壊させること」(「自作解説」より) 『月蝕』タイトルは「読み耽っていた塚本邦雄の小説の影響だと思…