揺らぎの哲学――存在・認識・倫理・社会・死生――仁科琴葉(明華高等学校 哲学研究会,高校二年)執筆:2025年5月8日 発表:2025年5月15日---------序論──問題設定と研究目的哲学とは、存在するものの根源を問う営みである。本研究の課題は、「有でも無でもない揺らぎ」という概念を提起し、存在論・認識論・倫理学・社会哲学・死生学を貫く基盤として体系化することである。「揺らぎ」という言葉は物理学や心理学でも用いられるが、ここでは単なる比喩ではなく、存在の位相を記述する根本概念として提案される。本論は次の問いをめぐる:1. 揺らぎとはいかなる存在論的場であるか。2. 人間の認識・倫理・社会…