NATROMのブログ

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山口助産師ビタミンK不投与事件 「母親と助産師和解」と朝日新聞で報道

2010年12月22日の朝日新聞の朝刊紙面で、『「ホメオパシーで長女死亡」 母親と助産師和解 山口地裁』という見出しで短い記事が載った。朝日新聞のサイトであるアピタルでも同様の記事あり。読売新聞と毎日新聞もざっと見た限りではなさそう(ただし、くまなく見たわけではないので、見落としの可能性もある)。朝日新聞の記事の一部を引用する。


■asahi.com(朝日新聞社):「ホメオパシーで長女死亡」助産師と母親和解 山口地裁 - アピタル(医療・健康)


 生後2カ月の長女が死亡したのは、ホメオパシーという民間療法をする助産師が適切な助産業務を怠ったためだとして、山口市の女性(33)が助産師を相手取り、約5600万円の損害賠償を求めた訴訟で、助産師側が女性に和解金を支払うことで合意したことが21日、分かった。和解金は数千万円とみられる。
 同日、山口地裁で双方の代理人弁護士と裁判官が話し合い、和解が決まった。関係者によると、和解には「内容を口外しない」との条件が含まれており、和解の理由や金額について、双方の代理人は「話すことはできない」と答えた。


なににせよ、早い決着は原告にとって良かった。報道された内容、および、これまでの日本ホメオパシー医学協会の主張から考えれば、助産師側に民事責任があると考えるのが妥当であるが、あくまでも裁判で争うことになれば、最終的に原告が勝つとしても、決着が着くまで長い時間がかかったであろう。

想像するに、助産師および日本ホメオパシー医学協会にも、和解金を払ってでも裁判を長期化させたくない動機があったと思われる。裁判が注目されればされるほど、日本ホメオパシー医学協会の行っているホメオパシーのデタラメさが明らかになってしまうからだ。和解に「内容を口外しない」との条件が含まれていることが、そのことを示している。原告側が余計なことを話さないという効果だけでなく、自分たちも、和解条件を理由に、都合の悪い事実を説明しなくてもよい口実まで手に入れたわけ*1


*1:「結局、助産師はK2シロップを投与しない場合の危険性をちゃんと説明していなかったんでしょう?」などと質問されても、「和解条件のためお答えできません」と逃げることができる。内輪の講演会などでは、「口外できないけど、実際はこういうことだったのだ」などとあることないこと言うことも可能