なぜ『東方』は二次創作が流行したのかシンプルに考える。
なぜ『東方』は二次創作が流行したのか - 萌え理論Blog
私もこの件に着いて一言。リンク先の文章は難しいので私はシンプルに。…っていうかかーずさんの同人誌「かーずSP夏コミ新刊『まじカル! StriKarzU』 : かーずSP」で書いた内容と被りますが。もう少し詳しく知りたい方は買って読んでみて下さいな。以下、とりあえずキャラクター人気に的を絞って話します
キャラクターの過剰な装飾について
要するに目立ったシンボルがあるからこそ「自分の絵を前面に押し出し易い」し「描いていて楽しい」ってコトじゃないだろうか?公式絵が微妙だから流行ったと言う人がいるが、それだったら私が微妙な絵のキャラクターを描きまくってやるよ!w
エロ需要の少なさについて
↑を書いた頃より東方界隈のことがわかってきた。かーずさんの同人誌でも言及したが、確かにエロに関しては需要が少ない。しかし、物語の需要が高いのが主な要因だと思う。東方は各キャラ達がどんな物語を展開するのか妄想するのが楽しみの一つ。しかし、エロだとその部分を描き辛いのだ。じゃあ何で物語のほうが上位に来るかっていうのが次の話につながってくる。
二次創作が流行したわけ
私も二次創作をしてみて良くわかったのだけど、東方のキャラは抜群に動かし易い。何故か。それは各キャラの立場と役割がハッキリしているからだ。だからこそ物語が作りやすい。
- 主従関係
特に際立ってキャラの立場を規定しているのが主従関係。紅魔郷のレミリアと咲夜は最も人気のある主従関係コンビだと言えるが、よくよく考えると、各作品に必ずといって良いほど主従関係のコンビが登場する。主と従の関係はお互いどのように動くか容易に想像しやすい。だからこそ二次創作がし易い。*1
(参考:東方星蓮船のキャラクター人気について(東方星蓮船は主従関係が見えずらい?) - GilCrowsのペネトレイト・トーク>)
- 擬似家族
主従関係のほかにも擬似家族のような関係も各キャラの立場を規定している(例:紅魔館、永遠亭、守矢神社、地霊殿など)。あるキャラクターはその擬似家族をまとめるお母さんのような役割に回ったり、主人に振り回される従者の役割に回ったり。色々なシチュエーションが容易に想像できる。
- 格付
ステージによる格付けなんかもキャラクターのあり方を規定している。1面、2面のボスはそれなりの「酷い」扱いを受ける(食べられたり、⑨にされたり)。また、ラスボスクラスは「カリスマ」と言われたり、ギャグモノではカリスマブレイクしたり。
- その他
元ネタとなった妖怪の種族とか。あと持っている「武器」、「スペル」などもキャラを動かす際のヒントになる。
化学反応を楽しむ
…てなかんじで色々なカテゴライズ、グルーピングされたキャラクター郡がそれぞれの立場を踏まえ、別のキャラクターと対峙したときどんな化学反応を起こすか…。そこを想像するのが東方二次創作の面白さのひとつなのだ。原作ではあまり接点の無いの無いキャラ同士の物語を平気で作れてしまうのも、幻想郷におけるそれぞれのキャラの立ち位置が明確だからと言える。(単に○○と○○が出会ったら…だけでも面白い話が作れてしまうのが東方)
大人数の中でキャラクターを立たせる方法
東方はキャラクター数が多く、しかも1年毎に増え続けている。これがブーム持続の一員となっていると思われるが、そこでどのようにキャラクターを立たせるか、このあたり創作を志す自分としては本当に参考になる。いかに「キャラ被りを防ぐか」…具体的には前述の通り、キャラクターが多くなったら(多くなりそうなら)グルーピングすること、これ。
人数が多くなりすぎたら、個々の個性が埋もれてしまう。そこで、小さなユニットをいくつか作って、そのユニットの中でそれぞれの立ち位置を確立する。そうすればたとえ弱冠キャラが被っていたとしてもAグループでの「妹キャラ」、Bグループにおける「妹キャラ」と、ニュアンスの違いを与えることができ、キャラの違いを認識しやすくなる。いや、決して○ランと○いしのことを言っているわけでは…。
東方の特異性
総合すると、特徴的な格好の女の子がたくさん出てきて、一緒に住んでいて、主従関係を結んでいたり家族のような関係を持っていたりする、しかもその女の子たちが皆萌え妖怪だったり、弾幕バトルしたり……そんな作品は過去に例がないんで。だからこそコレだけ目立って多くの人をひきつけているのかも。
なぜ東方二次創作が流行ったかを検証するのはもはやナンセンスなのかも
…と色々書いてきたが当然東方二次ブーム全てが言いきれているわけではない。しかし、現在進行形で東方やその二次創作にハマっている人たちにとって「なぜ東方が二次創作が流行ったか」なんてもはやどうでも良いことなんだと思う。それに東方ブームに関しては色々な要素がありすぎるし、どうとでも言えてしまう…というのが本当のトコロでは。身もふたも無いけどw
*1:そういえば、かーずさんの「マリ見てみたいですね」っていうツッコミにはハッとさせられた。百合には主従関係がつきものだもんなぁ