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日産、“シルフィらしさ”を徹底的に追及した新型「シルフィ」発表会

「国内セダン市場を活性化させる推進役になりたい」と志賀COO

志賀俊之COOと新型「シルフィ」
2012年12月5日開催

 日産自動車は12月5日、同日発売したミドルクラスセダン「シルフィ」の発表会を、グローバル本社ギャラリーで開催した。新型シルフィの詳細は、関連記事(http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20121205_577224.html)を参照されたい。

発表会会場のグローバル本社ギャラリーには、「幸せを運ぶ青い鳥」とのキャッチコピーがつけられた初代「ブルーバード 1200スタンダード」(1959年、写真左)と、高級オーナーカーとして発売された初代「ローレル 1800デラックスB」(1968年)が展示してあった
発表会は神奈川フィルハーモニー管弦楽団による演奏で始まった

モーツァルトのディベルティメントのように優雅で上品なクルマ

志賀俊之COO

 新型シルフィは、「上質とくつろぎの本格派ジャストサイズセダン」をコンセプトに掲げており、発表会はその特長を表現するよう神奈川フィルハーモニー管弦楽団による優雅な演奏からスタート。発表会に出席した志賀俊之COOは、「新型シルフィは、先ほど演奏いただいたモーツァルトのディベルティメントのように優雅で上品なクルマに仕上がった」と述べるとともに、「日産伝統のセダンである『ブルーバード』を一新したのがブルーバード シルフィ」であり、洗練された上質な雰囲気、先進の環境技術を備えた程よいサイズのセダンが初代シルフィだったと、その特長を紹介した。

 今回で3代目となる新型シルフィでは、2代目まで与えられていたブルーバードの名称が省かれたが、そのことについては「初代、2代目でシルフィブランドがお客様に定着したため」と説明するとともに、「新型シルフィは、日産のグローバルセダンとして世界約120カ国で販売する。10月に発売したグローバルセダン『ラティオ』は、コンパクトなサイズと価格を特に重視されるお客様を想定しているが、新型シルフィはより洗練されたデザインや、上質なインテリアをお求めになるお客様、あるいはひとクラス上のセダンからお乗り換えになるお客さまも十分にご満足いただけるよう仕上げた」とし、デザイン性や広い室内空間、環境への配慮など、ユーザーが求める“シルフィらしさ”を徹底的に追及したと紹介。

 また、国内は景気の減速やエコカー補助金の終了などにより厳しい状況が続いているが、志賀COOは「新型シルフィの投入により、日産車の販売拡大に貢献するとともに、国内セダン市場を活性化させる推進役になりたい」と、期待感を述べ挨拶を締めくくった。

量販グレードの「X」。ボディーサイズは全グレード共通で4615×1760×1495mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2700mm。エンジンは新開発の直列4気筒DOHC 1.8リッター「MRA8DE」で、JC08モード燃費は15.6km/L。ボディーカラーはラディアントレッド
「X」のインテリア(カラーはフェザーグレー)。室内サイズは2100×1460×1195mm(室内長×室内幅×室内高)。インテリジェントキー&プッシュエンジンスターター、本革巻きステアリング、フルオートエアコン&エアコン左右独立温度調整、後席エアコン吹き出し口などが装備される
最上級グレードとなる「G」。ボディーカラーはスチールブルー、インテリアカラーはフェザーグレー。「G」は「X」の装備に加え、キセノンヘッドランプ&オートレベライザー、16インチアルミホイール、木目調パネル、専用シートクロスなどが与えられる

デザインと快適性にこだわった新型シルフィ

チーフ・プロダクト・スペシャリストの田川博英氏

 新型シルフィの商品説明は、チーフ・プロダクト・スペシャリストの田川博英氏が行った。

 新型シルフィのアピールポイントは「セダン本来の美しさを追求したデザイン」「クラスを超えた快適性」の2点。

 そのデザインについて、田川氏は「セダン本来が持っている美しさというものを基本に、エクステリアでは高級感、美しさ、ダイナミズムを、インテリアでは上質感、美しさ、快適さをキーワードに開発を進めてきた」とし、エクステリアでは大型の新ラジエーターグリルとLEDのアクセントをあしらったヘッドランプにより、しっかりと存在感のある力強い顔を表現した。

 また、サイドビュー、リアビューについては「スタイリッシュなアーチ型のキャビン、抑揚のあるキャラクターラインによって、豊かな表情を実現した」「新型シルフィは旧型に対して幅を65mm広げており、ワイドで安定感のあるプロポーションというものをしっかりとお客様に伝えるため、幅広で大型のリアコンビネーションランプなどを採用した」と説明。

 インテリアデザインは、「横方向の広がりと、セダンらしい上質感といったものをしっかりと表現した」とし、気品のある佇まいのモダンなフィニッシャーや、異なる素材の巧みな組み合わせと精巧な作り込みを行ったことを紹介。

 パッケージングでは、洗練されたプロポーションを実現するため旧型シルフィに対して全高を15mm低くした。しかし、「居住性を犠牲にするといったことがないよう、ヒップポイントの引き下げにより十分なヘッドクリアランスを確保した」とするとともに、「65mm広げた幅は、室内側に30mm、残りをドアの厚み(先代から17mm拡大)といったところに使い、ふくよかで豊かな面構成のサイドビューを実現した」と、新型シルフィのデザイン面での特長を紹介した。

新型シルフィのコンセプトは「上質とくつろぎのジャストサイズセダン」
新型シルフィのターゲット層
エクステリアとインテリアのデザインキーワード
大型の新ラジエーターグリルとLEDのアクセントをあしらったヘッドランプを採用
横から見るとアーチ型キャビンであることが分かる
幅広感のあるリアコンビネーションランプを採用
インテリアデザインについて
新型シルフィは、15mm低くなったことにより居住性が犠牲にならないよう、ヒップポイントを引き下げて十分なヘッドクリアランスを確保
全幅は先代から65mmも広げられた

 一方、快適性については後席の圧倒的な広さが大きな特長とし、「ドアを開けた瞬間から『あ、広いな』と感じていただける空間を確保した」(田川氏)。この後席のニールームは先代から同等の680mmとなるが、後席ショルダー部の張り出ていた個所(72mm分)をなくしたことで、より広々とした空間を体感できると言う。

 また、ボディーサイズは先代から5mm長く、65mm広く、15mm低い4615×1760×1495mm(全長×全幅×全高)と、全体で見ると拡大されているものの、電動パワーステアリングのモーター容量を高めることでアシスト力を向上させ、軽いハンドリングを実現するとともに、舵角の拡大により最小回転半径を先代の5.3mから5.2mにしたことなど、取り回しのよさも特長であるとした。

 さらに装備面では、「フーガ」「ティアナ」といった上級車に搭載される左右独立温度調整機能付エアコンディショナー、後席用のエアコン吹き出し口、発進時や走行時に必要以上にアクセルペダルを踏みすぎないよう、ドライバーのエコドライブをサポートする「ECOペダルガイド」「ECOモード」を採用したことなどを紹介した。

後席のニールームは先代から同等の680mmとなるが、後席ショルダー部の張り出ていた個所(72mm分)をなくしフラットに近い形状とした
静粛性にもこだわった
取り回しも向上
上級車に搭載される装備がおごられた
新開発の直列4気筒DOHC 1.8リッター「MRA8DE」エンジン。最高出力は96kW(131PS)/6000rpm、最大トルクは174Nm(17.7kgm)/3600rpm
ECOドライブサポート機能もつく
新型シルフィは「S」「X」「G」の3グレード展開で、価格は193万7250円から
インテリアカラーは2色展開
助手席回転シート仕様はオーテックジャパンからの発売

(編集部:小林 隆)