国産〈はちみつ〉の生産量は、2015年に長野県が北海道を抜き、初めて全国トップになりました。
「採蜜がうまくいくかは自然まかせ。花が咲いても気温が上がらないと蜜は出ないんです。北海道はここ数年、梅雨入りしたり台風が上陸したりと天候不順が続いていましたが、長野県は山岳に囲まれていて気象が安定しているからかもしれませんね」
こう話すのは、長野市内で「松代養蜂株式会社」を営む長野県養蜂協会長の依田清二さん。国内で流通する〈はちみつ〉の9割以上は外国産で、それに比べると国産品はかなり高額ですが、オーガニック志向の高まりもあり、信頼できる生産者が手間ひまかけて作る安心安全な国産の天然ものを選ぶ人が増えているそうです。
「最近、県内には若手の後継者も増えてきて、若手養蜂家を中心とした『長野県養蜂研究会』という集まりもできました。個性ある商品も増えているので、長野県の〈はちみつ〉はこれからもっと面白くなると思います」と期待を寄せます。
ミツバチは採蜜だけでなくハウス栽培の農作物の受粉作業に活用され、「世界の食料の9割を占める100種類の作物種のうち、7割はハチが受粉を媒介している」という国連機関の調査も。 はちみつの歴史は古く、古代エジプトでは飲み薬や塗り薬として使われたそう。1953年にE・ヒラリーが世界最高峰のエベレストを初登頂した際、栄養補給にハチミツを舐め続けたという逸話も残っています。
ミツバチの行動半径は約2km。この特性を生かし、地域ならではの〈はちみつ〉が作られています。長野県で定番となっているのはアカシア(ニセアカシア)ですが、りんごやそばなど個性的なものも人気があります。
〈りんごはちみつ〉は、花の咲く期間が短く希少価値の高い一品。さわやかな甘さと果実のフルーティーな香りを感じることができます。白い花とは対照的に黒褐色の〈そばはちみつ〉も最近注目を集めています。ほのかな苦みがアクセントになった独特の味わいと香りが特徴。鉄分が豊富でそば特有のルチン(ポリフェノールの一種)が含まれているので、健康志向の方からも支持されているそうです。
ミツバチは、10~15日ほどかけて花から蜜を集めます。松代養蜂株式会社の蜂場は34カ所、2,500群(約1,500万匹)のミツバチがいるとか。 巣箱の中の板に作られた巣。ミツバチが触角で寸法を測り、自分たちの体で作られるミツロウとだ液を混ぜ合わせて作った六角形の巣穴がぴったりとキレイに並びます。
松代養蜂株式会社 D A T A 住 所:長野県松代町西条20 電話番号:026-278-7657 H P:https://yodayouhouen83hachimitu.jimdofree.com/
いかがでしたか?長野県にはこのほかにも、菜の花、かりん、トチ、ブルーベリー、栗など、長野県の山里に咲くさまざまな花や、扱いが難しく1年に1度しか採蜜できない日本ミツバチのはちみつもあるそうです。ぜひサイトで多彩でおいしい「はちみつ」をチェックしてみてください。
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