この研究は、33件の研究データを統合して分析したメタ分析である。研究の内訳は横断研究が27件、縦断研究が6件(パネル調査3件、前向きコホート研究3件)。 対象となった成人は9万6173人で、18歳から90歳以上まで、幅広い年齢層を含んでいる。研究では、歩数計やスマートフォンなどで客観的に測定された歩数データを用いて分析を行った。 横断研究の結果、1日の歩数が多い人ほど抑うつ症状が少ない傾向が確認された。具体的には、1日5,000歩未満の人と比べて、10,000歩以上歩く人は抑うつ症状のスコアが統計的に有意に低く(標準化平均差-0.26)、7,500〜9,999歩の人でも同様に低い傾向(-0.27)がみられた。5,000〜7,499歩の人ではやや小さいものの、統計的に有意な低下(-0.17)が認められた。 ▲日々の歩数カテゴリーと抑うつ症状の間の標準化平均差の集計 さらに、前向きコホート研究