上のグラフは「役員報酬サーベイ2011」(プライスウォーターハウスクーパース株式会社)
の冒頭に出てくるものです。日本企業の役員体制・役員報酬水準・役員処遇等に関する動向を明らかにする調査目的で、2011年7月から9月にかけて、59社の役員1,140名から回答を得た調査です。グラフにあるように、東日本大震災の影響があるどころか、2011年の社長の報酬は前年度比14.2%増、すべての役員の報酬は前年度比5.9%増で、リーマンショック前の水準を回復しています。
また、2011年の大企業の高額役員報酬のトップは、カルロス・ゴーン日産会長9.8億円(前年比0.9億円増)、次いで、ハワード・ストリンガーソニー会長8.8億円(前年比0.7億円増)となっています。
一方、上のグラフにあるように、他の国の賃金は毎年上がっているのに、日本の労働者の賃金だけは下がり続けています。(※グラフはOECDのデータです)
その上、震災を口実にした雇用破壊が目立っています。宮城県多賀城市のソニー仙台テクノロジーセンターで働く期間社員に対して、ソニー本社は昨年5月、3カ月だけ契約更新した後、雇い止めをすると通告。ソニー労働組合仙台支部に加入した期間社員15人が現在も雇用継続・正社員化を求めてたたかっています。昨年末には、これまでの月18万6千円だった賃金を、12万円に引き下げるなどと提示。20代~30代の期間社員には幼い子どもを育てている仲間もいるなか、労働組合の力で一方的な雇い止めと賃下げを押し返し契約更新を継続してきています。
上記で見たように、2011年のハワード・ストリンガーソニー会長の報酬は8.8億円で、前年から7千万円もアップしています。単純な計算になりますが期間社員15人の雇用継続は、ストリンガーソニー会長の前年報酬アップ分の7千万円だけでも2年間可能となります。「ソニーは雇用の受け皿をつくり、ものづくりで震災復興を果たすべき」(ソニー労組松田委員長)です。
(byノックオン。ツイッターアカウントはanti_poverty)