みなさま、初めまして。コミュニティ事業本部所属のマキと申します。現在は、575で気軽につぶやくアプリ、『ごーしちご』のデザイナーとして日々邁進しております。
今回は、いつもと違う1pixelとなります!美術史の捉え方です。
いきなりですが。デザインは、応用美術と言われるくらい、美術の発展と共にその技法が生み出されています。
ここでは、いざアートの話を持ち出されても、概要だけでも理解できるように、
特に美術を学びはじめの方向けに、おさらいをお話できればと思います。
みなさんが美術館、あるいは教科書で見たことがあると思う絵画や彫刻などの『美術作品』。作品として素晴らしいというのは、オークションやキュレーターの方々からの情報で言い尽くされていると思います。
そして、デザインは応用美術とも言われるので、
まずはその源の美術史を大まかになぞって見ようかと思います。
下の図は、代表的な西洋の美術史の名称を時系列に並べたものです。
(現代の美術は、技術発展と共に細分化されているため、一旦、省きます。)
また、親しみやすく、西洋と日本を並べました。
おそらく、よく見かける年次表だと思います。しかし、これでは、具体的にどのような思想で美術の歴史が築かれて来たのか分からず、美術作品の良さが単なる『奇麗』の一言で終わってしまいます。綺麗と感じた作品なのに、その作品の背景を知らないのは、非常にもったいないことだと思います。
従って、まずは、トレンドがどのような感じで流れたのか?を捉えるために、○○主義等の表記をとり、トレンドを表記しようかと思います。
諸処、はしょりすぎと言われるかもしれません。(各主義・美術の詳細は、それぞれを参照した方がわかります。)
しかし、点の名称の細かさや多さよりも、線のながれで捉えた方が、どんな思想で作られたのか把握しやすいかと思います。
また同時に考えるべきなのは、誰に向けられた作品や制作物だったのかということです。
原始、先史は小さなコミュニティから始まり、やがてコミュニティが合併し、王や国、宗教布教で盛んになり始め、貴族などの上流階級(宮廷画家)で栄え、市民運動や産業革命により、民衆にも親しみやすくなっていきました。
西洋に限ってですが、
1. 狩猟や子孫繁栄など、祈願造形物の創造
により、今日の美術、デザインがあったのだと考えられています。
大まかな流れをふまえて、いよいよ、歴史を歩んでいきたいと思います。
しかし、何万何千年と歩んでいくと、とてもじゃないですが、ブログにも収まりきらないので、
デザイナーとして、知っておいてみては?思うものを少しだけチョイスしたいと思います。
◎ショーヴェ洞窟の壁画
現在、もっとも古い美術作品は「フランスのショーヴェ洞窟の壁画」といわれています。
昨年、この洞窟が世界遺産に登録されました。
◎カリグラフィー
古代ローマ、トラヤヌス帝が建立した石碑の文字が有名。1世紀後半から2世紀において、文字を美しく装飾する手法。印刷技術がまだ無い時代、オリジナルの写本を作成するために発達しました。
◎遠近法
一点透視法を完璧に絵に組み込んだジョットをはじめ、ルネッサンス期に、研究され、線遠近法、空気遠近法が確立された。
→以後から、空間的な絵画が主流に。
※ルネッサンスは、他にもいっぱいあります!
◎強い光と影
◎モネ(印象主義)
印象主義は、アカデミー(教育施設)、サロン(展覧会)で、空間的で古典な価値観の絵が高く評価されるのに対し、抗うように出てきた画家たちの主義。
光によって生み出される、観察する場所によって変わる色の変化をできるだけそのまま表現しようとしました。1810年にゲーテの『色彩論』が発表されてから約半世紀、印象派も光と影の色の関係をはじめ、色の研究が盛んに行われました。
参考:モネ『ルーアン大聖堂連作』
◎デザイン
産業革命により、意識され始める。
ちなみに、“design”の語源は、
ラテン語の動詞“desingnare”(指示・表示する)に由来し、
これには更に“signare”(印を付ける)と言う言葉が大元にあります。
引用元:コトバンク、レファレンス協同データベース
◎アーツ&クラフト運動
ウィリアム・モリスの主導によるデザイン運動。産業革命後、大量生産の供給により、粗悪な質の製品が大量に世の中に出回ったのを受け、『実用と美』を兼ね揃えた中世の手工芸に立ち返り、生活の芸術化が図られました。後のアールヌーボーにも影響を与えています。
今回は、ざっくりと導入するところをお話させていただきました。
デザインが意識されてからの時間に比べて、いく分も長い時間で発展してきた美術史。
僕が感じているのは、日々の生活に近い、古代や、宗教活動で用いている、聖書、イコン、教会、どれをとっても、広義のデザインをされていたのだと思います。
今、自分がしているデザインも、どこがルーツなのかを探すのも、自分が作るものの説得力に繋がるよう、これからも、色々なものに向き合っていきたいと思います。
また別の機会があることを楽しみにしております!
ありがとうございました。
ごーしちご デザイナー
マキ
今回は、いつもと違う1pixelとなります!美術史の捉え方です。
いきなりですが。デザインは、応用美術と言われるくらい、美術の発展と共にその技法が生み出されています。
ここでは、いざアートの話を持ち出されても、概要だけでも理解できるように、
特に美術を学びはじめの方向けに、おさらいをお話できればと思います。
1.大まかに掴む!
みなさんが美術館、あるいは教科書で見たことがあると思う絵画や彫刻などの『美術作品』。作品として素晴らしいというのは、オークションやキュレーターの方々からの情報で言い尽くされていると思います。
そして、デザインは応用美術とも言われるので、
まずはその源の美術史を大まかになぞって見ようかと思います。
下の図は、代表的な西洋の美術史の名称を時系列に並べたものです。
(現代の美術は、技術発展と共に細分化されているため、一旦、省きます。)
また、親しみやすく、西洋と日本を並べました。
おそらく、よく見かける年次表だと思います。しかし、これでは、具体的にどのような思想で美術の歴史が築かれて来たのか分からず、美術作品の良さが単なる『奇麗』の一言で終わってしまいます。綺麗と感じた作品なのに、その作品の背景を知らないのは、非常にもったいないことだと思います。
従って、まずは、トレンドがどのような感じで流れたのか?を捉えるために、○○主義等の表記をとり、トレンドを表記しようかと思います。
諸処、はしょりすぎと言われるかもしれません。(各主義・美術の詳細は、それぞれを参照した方がわかります。)
しかし、点の名称の細かさや多さよりも、線のながれで捉えた方が、どんな思想で作られたのか把握しやすいかと思います。
また同時に考えるべきなのは、誰に向けられた作品や制作物だったのかということです。
原始、先史は小さなコミュニティから始まり、やがてコミュニティが合併し、王や国、宗教布教で盛んになり始め、貴族などの上流階級(宮廷画家)で栄え、市民運動や産業革命により、民衆にも親しみやすくなっていきました。
西洋に限ってですが、
1. 狩猟や子孫繁栄など、祈願造形物の創造
2. 国家形成や宗教信仰、布教活動のため
3. 神中心から、人間、自然に目を向けた創作の復興
4. 哲学、個性の表現の追求
により、今日の美術、デザインがあったのだと考えられています。2. つまんでおいたほうがいい項目
大まかな流れをふまえて、いよいよ、歴史を歩んでいきたいと思います。
しかし、何万何千年と歩んでいくと、とてもじゃないですが、ブログにも収まりきらないので、
デザイナーとして、知っておいてみては?思うものを少しだけチョイスしたいと思います。
1. 祈願、布教活動
◎ショーヴェ洞窟の壁画
現在、もっとも古い美術作品は「フランスのショーヴェ洞窟の壁画」といわれています。
昨年、この洞窟が世界遺産に登録されました。
◎カリグラフィー
古代ローマ、トラヤヌス帝が建立した石碑の文字が有名。1世紀後半から2世紀において、文字を美しく装飾する手法。印刷技術がまだ無い時代、オリジナルの写本を作成するために発達しました。
2.人間性の美術(ルネッサンス~)
◎遠近法
一点透視法を完璧に絵に組み込んだジョットをはじめ、ルネッサンス期に、研究され、線遠近法、空気遠近法が確立された。
→以後から、空間的な絵画が主流に。
※ルネッサンスは、他にもいっぱいあります!
◎強い光と影
ルネッサンスから、さらに力強い絵画を目指したバロック主義。その手法のひとつは、陰影の強い表現を用いて、主従関係をはっきりとさせることです。明暗関係がわかりやすいので、色のグルーピングが上手く行かない方は参考にしてみてはいかがでしょうか?(f-1)
f-1 カラヴァッジオ『トランプ詐欺師』、引用元:wikipedia
3. 哲学、個性の表現(18世紀、産業革命以降)
◎モネ(印象主義)
印象主義は、アカデミー(教育施設)、サロン(展覧会)で、空間的で古典な価値観の絵が高く評価されるのに対し、抗うように出てきた画家たちの主義。
光によって生み出される、観察する場所によって変わる色の変化をできるだけそのまま表現しようとしました。1810年にゲーテの『色彩論』が発表されてから約半世紀、印象派も光と影の色の関係をはじめ、色の研究が盛んに行われました。
参考:モネ『ルーアン大聖堂連作』
◎デザイン
産業革命により、意識され始める。
ちなみに、“design”の語源は、
ラテン語の動詞“desingnare”(指示・表示する)に由来し、
これには更に“signare”(印を付ける)と言う言葉が大元にあります。
引用元:コトバンク、レファレンス協同データベース
◎アーツ&クラフト運動
ウィリアム・モリスの主導によるデザイン運動。産業革命後、大量生産の供給により、粗悪な質の製品が大量に世の中に出回ったのを受け、『実用と美』を兼ね揃えた中世の手工芸に立ち返り、生活の芸術化が図られました。後のアールヌーボーにも影響を与えています。
3. さいごに
今回は、ざっくりと導入するところをお話させていただきました。
デザインが意識されてからの時間に比べて、いく分も長い時間で発展してきた美術史。
僕が感じているのは、日々の生活に近い、古代や、宗教活動で用いている、聖書、イコン、教会、どれをとっても、広義のデザインをされていたのだと思います。
今、自分がしているデザインも、どこがルーツなのかを探すのも、自分が作るものの説得力に繋がるよう、これからも、色々なものに向き合っていきたいと思います。
また別の機会があることを楽しみにしております!
ありがとうございました。
ごーしちご デザイナー
マキ