北大の「萌え絵解析」が俺の夢を3年越しに叶えてくれた
本稿では,萌えアニメキャラクターの顔画像に特化した萌え因子特徴抽出と評価法について述べ,これを応用したアニメキャラクター画像検索・分類システムの開発・実装及び実行結果について述べる.本システムを用いることで,アニメキャラクター画像データの萌え因子を自動分析し,ユーザの萌え基準に基づいた画像データの分類や検索が可能である.
CiNii Article - Feature Evaluation by Moe-Factor of ANIME Characters Images and its Application
これは……俺が、3年前に無謀な挑戦をし、精神的におかしくなりかけてあきらめた「萌え絵の定量的解析」じゃないか!!
(当時の経緯:あの夏、俺は萌え絵でゲシュタルト崩壊した - 偏読日記@はてな)
というわけで、少し前に話題になっていたアニメにおける人物顔画像の萌え因子特徴評価と検索分類システムへの応用をPPVで購入して読んでました。
「萌え因子特徴評価」といった一風変わったキーワードで人目を引いているだけのものかと思ったら大違い。画像処理に寄って特徴を抽出、そこから導き出した「萌え因子」によって各々のキャラクターについての評価を行うシステムについて述べています。
全てのイラストに共通して存在する座標点(目頭・顎の先など)と、それを結ぶ曲線群として「萌え絵」を解釈しようとして破綻したのが昔の俺でした。
しかしこの論文ではそんな稚拙なアプローチはせず、画像処理によってうまく髪・肌・目などのレイヤーに分けています。乱暴に例えるなら色の配置された面として扱うとでも言ったところでしょうか。髪型の判定が不可能なのが残念なところですが、挙げられている例を見るにそれいがいについてはなかなかの精度で分離できているようでした。
顔の縦横比・顎の尖り具合・瞳の形状・目の大きさなど、解析によって抽出される「萌え因子」たちが、まさに俺が3年前にやろうとしていたことそのままであきらめた夢を叶えてもらったようでなんだか嬉しいです。
この論文ではキャラクター単位での解析と評価を行っていますが、イラストレイター単位・時代単位で解析を行ってみた結果を見てみたいです。
訓練された俺達は、(それが特に好きなイラストレイターの絵なら)目だけ見ても誰だか判別できたりします。*1 いま80年代のアニメ絵を見ると違和感を感じるように、時代ごとの流行の絵柄変遷というのは確かに存在します。
何らかの特徴点抽出を脳内で行いパラメーターを比較することにより、俺達はこれらを知覚することが出来ているのでしょう。それを解析によって代替し、定量的に表現することが出来るようになったら、俺達の「萌え絵」語りはまた新しいステージに立つことが出来るのではないかと思うのです。