女性に必ず訪れる「更年期」。とはいえ、誰もが同じ不調に悩まされるかというとそうではありません。更年期障害と呼ばれる不調や骨粗しょう症、さらには認知症など、年齢による心身の変化にともなって現れる症状こそ、予防が大切という医師のお話を紹介します。
更年期の不調と治療
閉経前後の5年を「更年期」と呼びます。この時期は「更年期症状」とよばれる不調が起こりやすくなります。ホットフラッシュと呼ばれるほてり・のぼせ、異常発汗、動悸、めまい、腰痛や頭痛、耳鳴り、不眠やイライラなど症状はいろいろで、更年期症状を自覚する人は全体の6割程度といわれています。この症状がひどくなり日常生活が困難になると「更年期障害」と診断されます。更年期の不調はエストロゲンの分泌が減ることで起こるので、最も効果が期待できる治療法は、エストロゲンを補充するHRT(ホルモン補充療法)です。
子宮体がんのリスクを抑えるためにプロゲステロン(黄体ホルモン製剤)も同時に補充するのが一般的です。飲み薬のほか、パッチや塗り薬などの外用薬もあります。(産婦人科医・高尾美穂先生)
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