ドミトリー・フェイギンは、有名なチェリストであった父、ヴァレンティン・フェイギンと、有名なチェロ教師であった母、ガリーナ・ズーヴァレヴァのもとに、モスクワに生まれる。その後、モスクワ音楽院中央付属音楽学校にて英才教育を受け、後にモスクワ音楽院へ 入学、同大学院を卒業。その間、父にチェロを、室内楽をショスタコヴィッチ四重奏楽団のチェロ奏者アレクサンドル・カルチャーギンに、そしてピアニストのティグラム・アリハーノフに師事する。
モスクワ音楽院在学中、1991年にモスクワ院大ホールにて指揮者アレクサンドル・ヴェデルニコフ(現ボリショイ劇場常任)指揮により、チャイコフスキー作曲『ロココのテーマによる変奏曲』でデビューする。今までにショスタコヴィッチ室内楽コンクール、日本のチェロコンクールなど数々の賞を受賞。ショスタコヴィッチ室内楽コンクールではショスタコヴィッチ夫人から特別にソナタ賞を授与される。
1988年からロシア国内外で演奏活動をはじめ、NEW-VIKTRINGフェスティバルやCARINTHISHERフェスティバル(墺)、カルマール・フェスティバル(仏、主催はロシア人ヴァイオリニスト、スピヴァコフ)、オレグ・カガン・フェスティバル(露、ナタリア・グッドマン主催)、モスクワ11月芸術祭などに出演する。’95年からはモスクワ・コンサート・フィルハーモニー協会のソリストを務め、モスクワ音楽院付属音楽学校で教える。’99年にはロシア人指揮者、イリヤ・ム―シンなどと共演する。’06年からはモスクワフィルハーモニア協会主催による定期演奏会に、毎年、チェロとピアノ、デュオ室内楽のシリーズに新見・フェイギン・浩子(ピアノ)と連続出演している。
最近では、小林研一郎、広上淳一など世界的に有名な日本人指揮者などと日本のオーケストラとも共演する。さらに韓国やベトナムなどの有名なオーケストラとも共演する。現在、日本を始めロシア、韓国のコンクールの審査員や、さらに中国やアジアを中心に公開レッスンなども行う。ロシア、日本やアジアを中心にソロや室内楽で活躍している。2016年にシューベルト アルペジオーネ ソナタ他 CDをリリース。2018年には、バッハ無伴奏チェロ組曲全曲CDをリリース、全曲演奏会を行った。2019年には無伴奏チェロ曲集をリリース、特選版に選ばれている。2020年には無伴奏チェロ曲集を、2021年には、新見フェイギン浩子とデュオフェイギンで、ロシアンアルバムのCDをリリースする。現在東京音楽大学教授。