<医療の値段・第6部 後退した開業規制>②
今年4月に放映されたNHKの「日曜討論」。日本の医療制度を議論する中で、医師の地域偏在をなくす手法として、武見敬三厚生労働相(当時)の開業規制と受け取れる発言が、省の内外に衝撃を与えた。
「医師の偏在を規制によってきちんと管理していくことを、わが国もやらなければならない段階に入ってきた」。具体的には「地域ごとに医師の数の割り当てを本気で考えなきゃならない」と踏み込んだ。
◆日本医師会「職業の自由を定めた憲法に違反」
地域や診療科ごとの医師数の割り当てはドイツなどで行われており、日本でも以前から導入すべきだという意見がある。それに対し開業医が中心の「日本医師会」(日医)は「自由開業制」を主張。開業規制は「職業選択や営業の自由を定めた憲法に違反する」と一貫して反対してきた。
日医に歩調を合わせるように医師数の割り当てには慎重だった厚労省。武見の発言を事前に知っていたのは少数の幹部だけだった。
国会内の参院自民党議員会長室。石破政権の誕生で会長になった武見に、発言について聞くと、...
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