相談の広場
弊社は、医療機器メーカーSと重工業メーカーKの合弁企業です。
弊社では、事業規模が小さいこともあり、総務部門および人事部門を統合した一つの部門として、運営しております。
弊社は設立より歴史も浅いため、弊社にて採用をした社員のほか、派遣社員、そしてそれぞれの親会社より社員(在籍型出向)を受け入れ、業務を行っております。
過日、親会社Sからの出向社員のひとりが、弊社の内部情報を流出させているとの通報が寄せられました。
現時点で流出を確認している情報としましては、当該出向社員以外(他部門含む)の週次活動報告(週報)のほか、業務に関するメールが主です。いずれも弊社では社外秘に該当する情報です。
また当該出向社員は、弊社の製品の機密情報(主要情報)にアクセスできる権限を有しており、こちらの情報についても流出に関与していることを確認しております。
弊社では、秘密保持に関する規定を就業規則のほか、別途社内規程にて規定しており、いかなる情報を社外に提供する際は、必要な手続に従って、承諾を得ることになっております。
ただし弊社と秘密保持契約を締結している外部組織への情報提供の場合、契約範囲内での情報相互提供は、就業規則等上の手続を不要としております。
一方で弊社の親会社といえども、秘密保持契約の未締結の組織、人員に対し、社外に業務上の情報を提供する場合については、対象者から申請のうえ、弊社にて承諾をしない限り情報を提供できない仕組みを構築できていたと考えておりましたが、今回の流出先につきましては、弊社と秘密保持契約未締結の組織、人員に対して行われていることが判明致しました。
現在までに当該出向社員からの社外への情報提供申請は一切ありません。
また当該出向社員による無断情報提供は、業務時間中に打ち合わせと称し、流出させた内部情報の詳細説明を実施していることが弊社の調査の結果、分かっております。
一方で、当該出向社員が情報の流出に関与した意図、目的については未だに分かっておりません。
ただ現時点で弊社が把握している情報が限定的であるため、弊社および弊社お取引先様各位、また今後への影響については不明です。
この度の事象を受け、弊社としても当該出向社員に対して、毅然とした対応を取りたく、懲戒処分の実施を検討しております。
懲戒処分につきましては、情報流出による影響度を精査したうえで実施する予定としております。
今回のご相談事項は、出向社員に対する懲戒処分についてです。
相談事項としては、以下となります。
1.当該出向社員に対する弁明の機会の提供について不可欠であると考えております。この弁明の機会ですが、どの程度の時間を提供するのが妥当でしょうか?
この弁明の機会は、実施したという事実が必要であるため、時間は1分とかの短時間でも良いのでしょうか?
2.懲戒処分について、弊社の就業規則上、譴責、減給、降格、出勤停止、諭旨解雇、懲戒解雇の6段階設定しており、当該出向社員に対しては、懲戒解雇処分を除いた5段階の懲戒処分が可能と記載されております。
万一、弊社で当該出向社員を諭旨解雇処分とした場合、法的に問題はありますでしょうか?
労働契約の解約という側面を考えますと、弊社(出向先)での懲戒処分はできずに、出向元企業(親会社)での懲戒処分が妥当と考えますが、正しい判断としてはどのようになりますでしょうか?
3.懲戒処分について、弊社(出向先)もしくは出向元企業(親会社)のいずれか一方での実施となるものと想定しておりますが、今回のケースの場合、出向元企業(親会社)での基準による懲戒処分(譴責、減給、降格、出勤停止、諭旨解雇、懲戒解雇の6段階)の実施は可能でしょうか?
弊社における非違行為として、秘密保持違反(意図的な情報流出に対して)を当該出向社員に問うことは可能となりますが、出向元(親会社)では、非違行為である秘密保持違反が対象外となるため、懲戒処分の内容が異なることが想定されるためです。
ご教示いただけますと幸いです。
4.一方で当該出向社員に対し、弊社および出向元(親会社)両社にて懲戒処分を下すことは可能でしょうか?
弊社では秘密保持契約違反、出向元企業では子会社における非違行為としての懲戒処分です。
この場合、二重懲戒に該当し、一事不再理の原則を逸脱しているとの判断となりますでしょうか?
ご教示いただけますと幸いです。
5.状況によりますが、当該出向社員に対し、懲戒処分を下し、さらに刑事罰(刑事処分)等を求める場合、二重懲戒に該当しますでしょうか?
この場合についても、一事不再理の原則から逸脱するのかを確認できればと思います。
この点につきましてもご教示いただけますと幸いです。
弊社にて本件のような事象は初めてのことでして、私どもとしても社員による非違行為への対応という点で経験値が少ないこともあり、ただただ困惑しているというのが実情です。
いろいろとご面倒な内容となりますが、有識者からのご回答を待ち望んでおります。
何卒よろしくお願い申し上げます。
スポンサーリンク
私見です。
> 1.当該出向社員に対する弁明の機会の提供について不可欠であると考えております。この弁明の機会ですが、どの程度の時間を提供するのが妥当でしょうか?
> この弁明の機会は、実施したという事実が必要であるため、時間は1分とかの短時間でも良いのでしょうか?
実施したという事実ではなく、弁明の機会を与えた、という事実が必要です。
結果として1分の弁明時間になったのならともかく、最初から1分ではまともな機会を与えたとは言えないでしょう。
相手の弁明内容にもよりますから、どのくらいの時間が適当かは一概には言えません。
> 2.懲戒処分について、弊社の就業規則上、譴責、減給、降格、出勤停止、諭旨解雇、懲戒解雇の6段階設定しており、当該出向社員に対しては、懲戒解雇処分を除いた5段階の懲戒処分が可能と記載されております。
> 万一、弊社で当該出向社員を諭旨解雇処分とした場合、法的に問題はありますでしょうか?
出向社員を諭旨解雇することはできないかと思います。
労働の本籍は出向元である以上、貴社でできるのは出向契約の解除までです。
> 労働契約の解約という側面を考えますと、弊社(出向先)での懲戒処分はできずに、出向元企業(親会社)での懲戒処分が妥当と考えますが、正しい判断としてはどのようになりますでしょうか?
出向先での懲戒処分(ただし解雇は除く)自体は可能です。
どこまでの処分が妥当かは総合的な判断となります。
> 3.懲戒処分について、弊社(出向先)もしくは出向元企業(親会社)のいずれか一方での実施となるものと想定しておりますが、今回のケースの場合、出向元企業(親会社)での基準による懲戒処分(譴責、減給、降格、出勤停止、諭旨解雇、懲戒解雇の6段階)の実施は可能でしょうか?
出向元の就業規則に照らし、懲戒処分の対象となるのであれば、出向元での懲戒処分は可能です。
> 4.一方で当該出向社員に対し、弊社および出向元(親会社)両社にて懲戒処分を下すことは可能でしょうか?
> 弊社では秘密保持契約違反、出向元企業では子会社における非違行為としての懲戒処分です。
> この場合、二重懲戒に該当し、一事不再理の原則を逸脱しているとの判断となりますでしょうか?
どちらでも懲戒処分を行う場合は、おっしゃる通り、二重処分として違法とされる可能性が出てきます。
> 5.状況によりますが、当該出向社員に対し、懲戒処分を下し、さらに刑事罰(刑事処分)等を求める場合、二重懲戒に該当しますでしょうか?
懲戒処分と刑事処分をどちらも行うことは可能です。
> 弊社にて本件のような事象は初めてのことでして、私どもとしても社員による非違行為への対応という点で経験値が少ないこともあり、ただただ困惑しているというのが実情です。
>
> いろいろとご面倒な内容となりますが、有識者からのご回答を待ち望んでおります。
> 何卒よろしくお願い申し上げます。
> 弊社は、医療機器メーカーSと重工業メーカーKの合弁企業です。
> 弊社では、事業規模が小さいこともあり、総務部門および人事部門を統合した一つの部門として、運営しております。
> 弊社は設立より歴史も浅いため、弊社にて採用をした社員のほか、派遣社員、そしてそれぞれの親会社より社員(在籍型出向)を受け入れ、業務を行っております。
>
> 過日、親会社Sからの出向社員のひとりが、弊社の内部情報を流出させているとの通報が寄せられました。
> 現時点で流出を確認している情報としましては、当該出向社員以外(他部門含む)の週次活動報告(週報)のほか、業務に関するメールが主です。いずれも弊社では社外秘に該当する情報です。
> また当該出向社員は、弊社の製品の機密情報(主要情報)にアクセスできる権限を有しており、こちらの情報についても流出に関与していることを確認しております。
>
> 弊社では、秘密保持に関する規定を就業規則のほか、別途社内規程にて規定しており、いかなる情報を社外に提供する際は、必要な手続に従って、承諾を得ることになっております。
> ただし弊社と秘密保持契約を締結している外部組織への情報提供の場合、契約範囲内での情報相互提供は、就業規則等上の手続を不要としております。
> 一方で弊社の親会社といえども、秘密保持契約の未締結の組織、人員に対し、社外に業務上の情報を提供する場合については、対象者から申請のうえ、弊社にて承諾をしない限り情報を提供できない仕組みを構築できていたと考えておりましたが、今回の流出先につきましては、弊社と秘密保持契約未締結の組織、人員に対して行われていることが判明致しました。
>
> 現在までに当該出向社員からの社外への情報提供申請は一切ありません。
> また当該出向社員による無断情報提供は、業務時間中に打ち合わせと称し、流出させた内部情報の詳細説明を実施していることが弊社の調査の結果、分かっております。
> 一方で、当該出向社員が情報の流出に関与した意図、目的については未だに分かっておりません。
>
> ただ現時点で弊社が把握している情報が限定的であるため、弊社および弊社お取引先様各位、また今後への影響については不明です。
>
> この度の事象を受け、弊社としても当該出向社員に対して、毅然とした対応を取りたく、懲戒処分の実施を検討しております。
> 懲戒処分につきましては、情報流出による影響度を精査したうえで実施する予定としております。
>
> 今回のご相談事項は、出向社員に対する懲戒処分についてです。
> 相談事項としては、以下となります。
>
> 1.当該出向社員に対する弁明の機会の提供について不可欠であると考えております。この弁明の機会ですが、どの程度の時間を提供するのが妥当でしょうか?
> この弁明の機会は、実施したという事実が必要であるため、時間は1分とかの短時間でも良いのでしょうか?
>
> 2.懲戒処分について、弊社の就業規則上、譴責、減給、降格、出勤停止、諭旨解雇、懲戒解雇の6段階設定しており、当該出向社員に対しては、懲戒解雇処分を除いた5段階の懲戒処分が可能と記載されております。
> 万一、弊社で当該出向社員を諭旨解雇処分とした場合、法的に問題はありますでしょうか?
> 労働契約の解約という側面を考えますと、弊社(出向先)での懲戒処分はできずに、出向元企業(親会社)での懲戒処分が妥当と考えますが、正しい判断としてはどのようになりますでしょうか?
>
>
> 3.懲戒処分について、弊社(出向先)もしくは出向元企業(親会社)のいずれか一方での実施となるものと想定しておりますが、今回のケースの場合、出向元企業(親会社)での基準による懲戒処分(譴責、減給、降格、出勤停止、諭旨解雇、懲戒解雇の6段階)の実施は可能でしょうか?
> 弊社における非違行為として、秘密保持違反(意図的な情報流出に対して)を当該出向社員に問うことは可能となりますが、出向元(親会社)では、非違行為である秘密保持違反が対象外となるため、懲戒処分の内容が異なることが想定されるためです。
> ご教示いただけますと幸いです。
>
>
> 4.一方で当該出向社員に対し、弊社および出向元(親会社)両社にて懲戒処分を下すことは可能でしょうか?
> 弊社では秘密保持契約違反、出向元企業では子会社における非違行為としての懲戒処分です。
> この場合、二重懲戒に該当し、一事不再理の原則を逸脱しているとの判断となりますでしょうか?
> ご教示いただけますと幸いです。
>
> 5.状況によりますが、当該出向社員に対し、懲戒処分を下し、さらに刑事罰(刑事処分)等を求める場合、二重懲戒に該当しますでしょうか?
> この場合についても、一事不再理の原則から逸脱するのかを確認できればと思います。
> この点につきましてもご教示いただけますと幸いです。
>
>
> 弊社にて本件のような事象は初めてのことでして、私どもとしても社員による非違行為への対応という点で経験値が少ないこともあり、ただただ困惑しているというのが実情です。
>
> いろいろとご面倒な内容となりますが、有識者からのご回答を待ち望んでおります。
> 何卒よろしくお願い申し上げます。
1. 弁明の機会の提供について
弁明の機会は、公正な手続きを確保するために重要です。一般的には、弁明の機会は十分な時間を提供し、当該社員が自分の立場を説明できるようにすることが求められます。1分のような短時間ではなく、少なくとも数十分から1時間程度の時間を確保することが望ましいです。
2. 諭旨解雇処分の法的問題
出向社員に対する懲戒処分は、出向元企業(親会社)で行うのが一般的です。出向先企業(御社)での懲戒処分は、出向契約や労働契約の内容によりますが、通常は出向元企業が最終的な懲戒権を持ちます。諭旨解雇処分を行う場合は、出向元企業と連携し、適切な手続きを踏むことが重要です。
3. 出向元企業での懲戒処分の実施
出向元企業での懲戒処分は、出向元企業の就業規則に基づいて行われます。御社での非違行為(秘密保持違反)に対する懲戒処分が出向元企業の規則に含まれていない場合でも、出向元企業と協力して適切な処分を検討することが必要です。
4. 両社での懲戒処分の実施
同一の行為に対して、出向先企業と出向元企業の両方で懲戒処分を行うことは、二重懲戒に該当する可能性があります。二重懲戒は一事不再理の原則に反するため、慎重に対応する必要があります。どちらか一方での処分に留めることが望ましいです。
5. 懲戒処分と刑事罰の併用
懲戒処分と刑事罰は異なる法的手続きであり、二重懲戒には該当しません。したがって、懲戒処分を行った後に刑事罰を求めることは可能です。ただし、刑事罰を求める場合は、法的手続きを適切に進める必要があります。
どのカテゴリーに投稿しますか?
選択してください
1~3
(3件中)
お知らせ
2024.4.22
2023.11.1
2023.9.1
スポンサーリンク
スポンサーリンク
[2022.7.24]
[2019.11.12]
[2018.10.10]