宝塚歌劇雪組梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ公演「FORMOSA!!(フォルモサ)」 雪組・縣千 =大阪市北区 (撮影・山田喜貴)
ギャラリーページで見る宝塚歌劇団雪組スター、縣千(あがた・せん)が主演する「FORMOSA!!(フォルモサ)」が2日、大阪市の梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで開幕した。
18世紀初頭、ヨーロッパを放浪していた偽修道士のジャン(縣)は、ひょんなことから一獲千金をたくらむ牧師で詐欺師のイネス(華世京・かせきょう)と手を組むことに。ジャンは架空の国「フォルモサ」のジョルジュ・サルマナザールとして、イギリスの知識階級が集う場へ出入りし、類まれなるだましの才能で周囲の人々の心をつかんでいく。その矢先、好奇心旺盛な女性シェリル(音彩唯・ねいろゆい)と出会い、交流を深めることで、ジャン自身の生き方にためらいを覚えはじめる。
入団10年目で東上公演初主演となる縣が演じるのは、18世紀に実在した究極の偽書「台湾誌」の作者、ジョルジュ・サルマナザール。持ち味のダイナミックなダンスでジャンの心の葛藤を体現。端正な顔立ちは異国感あふれる衣装と相まって、西洋人にとっての「異邦人」を華やかに表現し、観客をとりこにした。
入団6年目の音彩、5年目の華世はともに首席入団。過去に新人公演で3度ヒロインを演じた音彩は麗しい顔立ちと豊かな歌声で熱演。また、成長著しい男役スター華世は、繊細な役作りで難役を演じきった。同劇場で11日まで。KAAT神奈川芸術劇場で25年1月8日から13日まで。