自民・公明両党は令和7年度与党税制改正大綱を20日に決定する。大学生年代(19~22歳)の子を扶養する親の税負担が軽くなる「特定扶養控除」は、子の年収制限を現在の103万円から150万円まで引き上げる。年収103万円を超えると所得税が課される「103万円の壁」の引き上げについては、国民民主党も含めた3党の幹事長で合意した「178万円を目指す」との内容を大綱に盛り込み、7年には123万円まで上げる。
与党の税制調査会は19日、幹部らによる協議を行い、大綱の内容の最終確認を行った。103万円の壁の引き上げを巡り交渉が決裂した国民民主は、協議の場に戻ることはなかった。
とはいえ与党は、特定扶養控除については国民民主が提案した150万円までの引き上げを決定。103万円の壁についても、7年中の引き上げは123万円までとしつつ、国民民主が要求した178万円までの引き上げを目指す方針だ。高校生年代(16~18歳)の子どもがいる世帯の扶養控除の縮小も見送り、交渉の継続へ含みを持たせた。
協議終了後、記者団の取材に応じた自民税調の宮沢洋一会長は「これから(国民民主と)さらに協議を進めていきたい」と述べ、年明け以降に議論を再開し、通常国会に提出する税制改正法案へ反映させる可能性を示唆した。
一方、与党は国民民主が再交渉に応じない可能性も考慮。7年度予算案や大綱が反映される税制改正法案の可決・成立もにらみ、6年度補正予算案に賛成した日本維新の会とも教育無償化に関する協議を実施している。