インド・アクシス銀、米シティのインド個人向け事業買収
【ムンバイ=花田亮輔】インド民間大手のアクシス銀行は30日、米金融大手シティグループのインドにおける個人向け事業を買収すると発表した。1232億5000万ルピー(約1980億円)を投じて、個人向けの銀行やクレジットカード事業などを取得する。アクシス銀行はシティの抱えていた300万人の顧客を得る見込みで、買収対象の事業に関わる3600人の従業員も引き継ぐ。
規制当局の承認を経て、2023年1~3月期の買収を目指す。シティは近年、採算の見込めない海外の個人向け銀行事業を縮小している。すでに日本における個人向け事業は三井住友フィナンシャルグループに売却しており、21年4月にはインドやオーストラリアなど13の市場から撤退する方針を発表していた。法人向け事業などに経営資源を集中し、収益の改善を図っていく。
アクシス銀行はインドでHDFC銀行とICICI銀行に次ぐ第3位の民間銀行で、総資産は2021年3月末時点で約9兆9600億ルピーを超える。同年12月末時点の国内支店は4700店で、ATMは1万1060台にのぼる。シティの事業取得後、総預金は7%増の8兆2190億ルピーになる見通しという。