京大の山中教授が講演「iPS倫理議論、社会の全体で」
京都大学の山中伸弥教授は26日、同大学で開かれたシンポジウムでiPS細胞の倫理問題について講演し、「研究が進めば、皮膚や血液を精子や卵子に変えて新たな生命を生み出したり、動物の体内で人の臓器を作れたりする」と語った。その上で、山中教授は「iPS細胞のような新しい科学技術を受け入れるかどうかは研究者や倫理学者だけでなく、社会全体で決めること」との考えを示した。
山中教授が所長を務める京大iPS細胞研究所は4月、再生医療研究の倫理問題を考える部門を新設した。すでにiPS細胞から精子や卵子を作ったり、体内で別の個体の臓器を作る研究はネズミで成功している。京大iPS細胞研究所の倫理部門での研究成果を社会に発信し、議論を促す意向を明らかにした。