おはよう 関東甲信越
- 2024年5月24日
ソムリエ・田崎真也さんと横須賀へ“美食旅”!“黄金アジ”の究極レシピとは
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ソムリエの田崎真也さんが、その土地ならではの食材を使って、究極の一皿をご提案する“くらしり流・美食旅”。今回の旅先は三浦半島、神奈川県横須賀市です。
三浦半島沖は、速い潮の流れにもまれた「黄金アジ」が釣れるといいます。
筋肉質なうえに脂が乗り、最高級ともいわれるアジです。40cm以上の大物が釣れることもあるとか。
そして、このアジに合わせるのが、横須賀市内で栽培されている「よこすか野菜」。地元の直売所には、1年に約800種類ほどの野菜が並びます。
田崎さんがみずから食材を調達、オリジナル料理を即興で作ります!
“美食旅”のナビゲーター ソムリエ・田崎真也さん
日本ソムリエ協会・会長、田崎真也さん。ソムリエのオリンピックといわれる「世界最優秀ソムリエコンクール」で、日本人でただ1人優勝し、世界ソムリエ協会の会長も務めた経験を持っています。お酒に合う料理も、これまでに数々紹介してきました。
田崎さんのもう一つの顔が、“釣り師”。子どものころから、川へ海へと釣りに出かけ、漁師になりたいと思っていたそうです。
横須賀のブランドアジ「黄金アジ」
今回のメイン食材は、金色に輝く鮮やかな「黄金アジ」。エサの豊富な岩礁地帯に居ついている「根付きのアジ」とされています。
走水(はしりみず)漁港から釣り船で向かった「走水沖」。東京湾で最も狭くなっている浦賀水道で、このあたりは潮流が速く、筋肉質のアジが釣れるため、釣り人たちに人気だそうです。
釣ったアジには、色の違いがありました。上のアジが黄色味を帯びているのに比べて、下のアジはグレー。田崎さんによると、下のアジは回遊しているアジで、上のアジが「根付き」のアジだといわれているそう。
釣ったアジを、お刺身でいただくと…。
口に入れた瞬間、濃厚な脂のうまみが広がりますね!しっかり弾力があって、かめばかむほど、アジの力強い味がします。こんなにおいしいアジは、生まれて初めてです!
これが、横須賀の走水のブランドアジ!おいしいでしょ!
「黄金アジ」に合わせるのは…さまざまな「よこすか野菜」
田崎さんには、横須賀沖の黄金アジに、横須賀市内で栽培されている野菜を合わせようというイメージがわいていました。アジと野菜で究極の1品をつくろうと、野菜選びです。
横須賀では、小高い丘に広がる畑で多種多様な野菜が栽培され、「よこすか野菜」の名で売り出されています。
キャベツや大根から西洋野菜まで、1年を通して収穫される野菜はおよそ800種類。田崎さんは、珍しい西洋野菜を栽培している農家を訪ねました。
20代でドイツに留学し、さまざまな野菜作りを学んできたという長島勝美さん。そのモットーは、野菜の個性を大切にすること。例えば、花が咲くまで育て、苦みが出ても味が濃くなるのを待つ…野菜本来の味を知ってほしいといいます。
収穫の時期を迎えていたたくさんの西洋野菜から、田崎さんが選んだのは「セルバチコ」と「ディル」。そのねらいは、脂がのった強い風味のアジに、香りの強い野菜を合わせること。
田崎さんがつくった究極の一皿が、こちら!
田崎流!究極の一皿 「よこすかタルタル」
いろいろな野菜を使いますが、例えばディルには、ほんのり苦みがあります。黄金アジの脂に、スパイスのようにして合わせようと考えました。バルサミコ酢を加えることで、爽やかさも演出したいと思います。
【よこすかタルタル】
<材料>(3人分)
・アジ・・・1尾
・ディル・・・適量
・カブ・・・1コ
・ラディッシュ・・・1コ
・すし酢・・・大さじ1弱
・塩・・・少々
・バルサミコ酢・・・小さじ1/2
・オリーブ油・・・適量
※添えるサラダや飾りはお好みで
・セルバチコ、からし菜、大根の花、横須賀とうがらし など
<作り方>
(1)アジは三枚におろして小骨を抜き、皮を引いて5ミリ角に刻む
(2)カブの皮をむき、5ミリ角に切って、20分程すし酢に浸ける
(3)すし酢を捨て、アジ・塩・バルサミコ酢を入れて混ぜ合わせる
(4)ディルを細かく刻んで加え、オリーブ油を入れて混ぜ合わせる
(5)オードブル用のガラス食器・セルクル(日本酒グラスでもOK)に(4)を入れる
(6)仕上げに、セルバチコ・からし菜・大根の花などを添えて盛り付け、オリーブ油や一味とうがらしかカイエンヌペッパーをかけて完成
アジの弾力がすごい!マリネした甘酸っぱいカブがさっぱりして、アジのおいしさをより引き立てますね。食べた後のハーブの爽やかな香りもとってもいい!
新鮮なアジを、生で使いたい。そこですぐに思いついたのがハーブでした。とっても相性がいいんです。
この料理に合うお酒は、軽めのスパークリングワイン。ノンアルコールでしたら、玉露の冷たいお茶と合わせるといいですね。