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2024年8月の星空情報

著者近影内藤誠一郎(国立天文台 天文情報センター)

2024年8月の星空情報です。

夏の大三角が頭上に輝く季節です。織女星と牽牛(けんぎゅう)星を探してみましょう。かつての暦の七月七日(伝統的七夕の日)は、2024年は8月10日にあたります。

10日の夕方、おとめ座の1等星「スピカ」の食が、広い範囲で見られます。月の暗い縁に星が隠れるため「潜入」の時が見やすいでしょう。出現時は非常に低空なので、観察には見晴らしの良い場所が必要です。

11日から13日頃を中心に、ペルセウス座流星群が見頃です。12日深夜から13日未明にかけて、特に多くの流星が現れ、今年は月明かりの影響もない好条件で見られそうです。

未明の東の空で、火星と木星が並んでいます。日毎に2つの惑星の位置関係が変化し、15日には、月の視直径と同程度の離角(注)で並んで見えます。低倍率にした望遠鏡で同じ視野に見えるほどの接近です。

  • (注)天球上における2天体の見かけの距離のこと。角距離ともいう。角度(単位は度、分、秒)で表される。月の視直径は約0.5度。

8月の月の暦

4日:新月 13日:上弦 20日:満月 26日:下弦

8月1日~7日は「スター・ウィーク~星空に親しむ週間~」 です。

ワンポイント・アドバイス(ペルセウス座流星群)

8月は「三大流星群」の一つペルセウス座流星群の活動が活発となります。特に多くの流星を見ることができるのは、11日、12日、13日のそれぞれ夜から翌明け方までの3夜で、21時頃から流星が出現しはじめ、明け方に向かって流星の数が増加していきます。今年は夜半前に月が沈み、月明かりの影響を受けない良い条件で流星を観察することができます。

2024年は日本時間で12日23時頃に極大となりますので、その後、放射点(流星群の流星が、そこから放射状に出現するように見える点)の高度が高くなる13日未明が、最も多く流星の出現が期待できるチャンスと言えます。空の暗い場所なら1時間あたり50個程度、市街地でも1時間あたり5個程度を観察できると予想されます。

流星は、放射点を中心に空全体に現れます。なるべく空の広い範囲を見渡すようにしましょう。また、目を屋外の暗さに慣らすため、少なくとも15分ほどは観察を続けると良いでしょう。事故に遭わないよう十分注意し、マナーを守って観察をしてください。

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