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LGBTQの旗、いくつ知ってる?レインボーフラッグの種類とその意味

各コミュニティを支援するフラッグの数々をまとめてみた

By
21 lgbtq pride flags and what they stand for
COURTNEY CHAVEZ

たくさんの人がLGBTQコミュニティを象徴するレインボーフラッグを使っているが、実はコミュニティの人々を結びつけているフラッグはひとつだけではない。

異なるグループやジェンダー、アイデンティティを持つ人同士が長年のうちに、自分たち独自のニーズや経験に対するアウェアネスを高めるためフラッグを考案してきた。世界が依然としてパンデミック渦にある今年は、プライド月間である6月のイベントの多くが違った様相になるが、お祝いする方法はたくさんある。

そこで、プライドのイベントで見かけるかもしれない21のフラッグについて解説しよう。

Translation: Mitsuko Kanno From Seventeen US

1:ギルバート・ベイカー・プライドフラッグ

gilbert baker pride flag
Wikimedia Commons

1978年、カリフォルニア州で初めて選挙で選ばれたゲイと公表していたハーヴェイ・ミルクは、アーティストのギルバート・ベイカーにプライドフラッグの製作を依頼。ギルバートは「前向きで、私たちの愛を祝すもの」を作りたかったという。

「レインボーフラッグは、意識的なチョイスに基づく、自然で、必要なものだった」とギルバート。「レインボーは希望の象徴として、もっとも古くから歴史に記録されている」

色には次のような意味がある。

ピンク:性

レッド:命

オレンジ:癒し

イエロー:太陽光

グリーン:自然

ターコイズ:魔法

ブルー:調和

バイオレット:精神

2:1978〜1999年のプライドフラッグ

19781999 pride flag
Wikimedia Commons

1978年にハーヴェイが暗殺されたことを受け、フラッグの需要が高まった。しかし、ピンクの色を入手するのは難しいと知ったギルバートは、その需要に応えるために7色に減らした。

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3:レインボー・プライドフラッグ

rainbow pride flag
Wikimedia Commons

LGBTQコミュニティ全体を象徴するのが、おなじみのこのフラッグ。多くの組織や企業が象徴としてこのフラッグを用いて、コミュニティの人々みんなにとって安全な場所であることを示している。

大量生産が容易にできるよう、ギルバートのオリジナルのフラッグにあったピンクとターコイズのカラーは省かれている。

4:フィラデルフィアのPeople of Color Inclusive Flag(有色人種包含を象徴)

philadelphia's people of color inclusive flag
Wikimedia Commons

これは2017年に作られたフラッグで、LGBTQコミュニティのブラック(黒人)とブラウン(褐色の有色人種)の人々と彼らが直面している独特の困難さを象徴するもの。

『Philadelphia Magazine』誌に、「昨年、ゲイ地区における人種差別に対処したブラックとブラウンの活動が行われたことを受け、コミュニティすべての人々を全面的に支援する方向に向かって活動していることを世界に示す新しいフラッグは、市にとって偉大な一歩だ」と情報源が述べている。

女優で監督のリナ・ウェイスが、2018年のMETガラでこの色を取り入れたマントを着用して注目を集めた。

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5:Queer People of Color Flag(有色人種のクィアを象徴するフラッグ)

queer people of color flag
Wikimedia Commons

このフラッグの起源は不明だが、BLM(ブラック・ライブズ・マター)ムーブメントと、クィアと黒人コミュニティの共通集合にある人々の団結を象徴している。

昨年のBLMムーブメントの絶頂期に有名になった。

6:“Progress”プライドフラッグ

progress pride flag
Daniel Quasar

2018年、フィラデルフィアのアップデートされたプライドフラッグに応えて、ダニエル・クウェイザーがクリエイトしたもの。フィラデルフィア版のプライドフラッグの色とストライプと、トランスジェンダープライドフラッグの色を組み合わせている。

フラッグのキックススターター(Kickstarter=クラウドファンディングサイト)でクウェイザーは、「昨年、プライドフラッグにブラックとブラウンのストライプが加えられ、今年はトランスのストライプが加えられたので、デザインをもっと強調してフラッグにさらなる意味を込めたかった」と述べている。

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7:バイセクシャル(両性愛)フラッグ

バイセクシャル(両性愛)フラッグ
Wikimedia Commons

両性愛の定義は、コミュニティの誰に聞くかによっていくつかに分かれる。多くは、男性と女性の両方に惹かれる人のことを言う。しかし、一つ以上だが、全部ではないジェンダーに惹かれる人を表現する時に使う人もいる。自分と同じジェンダーと、少なくとももう一つ以上の別のジェンダーに惹かれる人のことを指す場合もある。

『Pride』によると、このフラッグは活動家マイケル・ペイジが作ったもの。バイセクシャルの人がつながっていると感じられるシンボルを作りたかったのだという。それぞれの色は、以下の惹かれ方を象徴している。

ピンク(あるいはマゼンタ):同性に惹かれる
ブルー:
異性に惹かれる
パープル(あるいはラベンダー):
どちらの性にも惹かれる

8:パンセクシャル(全性愛者)フラッグ

パンセクシャル(全性愛者)フラッグ
Wikimedia Commons

『Pink News』は、このフラッグの作者は不明だと言っているが、2010年にオンラインに出現して以来、全性愛のシンボルになっている。

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9:ポリセクシャル(多性愛者)フラッグ

pride flags
Getty Images

全性愛者とは異なり、全性ではないが複数のジェンダーに惹かれる人をポリセクシャルと言う。これは、2012年にタンブラー(Tumblr)で作られたフラッグ。

10:アセクシャル(無性愛者)フラッグ

アセクシャル(無性愛者)フラッグ
Wikimedia Commons

Asexual Visibility and Education Networkによると、アセクシャル(無性愛)とは性的欲求を抱かない人と定義される。「人に性的魅力を感じず、性的欲求がない」。

また、アセクシャルは“グレー・アセクシャリティ”と呼ばれる小集団にも分類される。ここに入る人は自分たちを“グレー・エース”と呼び、稀にだが性的魅力を感じる人や、特定の状況設定でのみ性的魅力を感じる人などが含まれる。

『Medium』によると、このフラッグはコミュニティに対するアウェアネスを高めるために2010年に作られた。

ブラック:アセクシャリティ全体の象徴

グレー:グレー・アセクシャリティとデミセクシャリティ。AVENによると、デミセクシャリティとは、強い感情的絆ができないと性的魅力を感じないこと。

ホワイト:セクシャリティを象徴

パープル:コミュニティを象徴

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11:デミセクシャルフラッグ

11 デミセクシャルフラッグ
Wikimedia Commons

デミセクシャリティはアセクシャルの範囲に入っているので、色はアセクシャルフラッグと同じだが、独自のユニークな配置をしている。

12:レスビアンフラッグ

12 レスビアンフラッグ
Twitter

オリジナルのレスビアンプライドフラッグには、左上角にキスマークがついていた。OutRight Action Internationalによると、2010年にブログで世界に紹介されたという。女性らしさや“リップスティック”レスビアンの象徴としてキスマークを今も使っている人たちもいる。ナタリー・マックレイが作ったもので、赤とピンクの濃淡はリップスティックのさまざまな色を象徴している。

2018年の『Medium』の記事で、マックレイがトランスジェンダー嫌い、両性愛嫌い、人種差別的だと非難されたことで、オレンジ色のストライプの新たなフラッグが提案された。

新しいフラッグの色が象徴することは次の通り。

もっとも暗いオレンジ:性不一致

中間のオレンジ:独立心

もっとも明るいオレンジ:コミュニティ

ホワイト:女性であることへの独自の関係性

もっとも明るいピンク:平穏と平和

中間のピンク:愛とセックス

もっとも暗いピンク:女性らしさ

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13:インターセックスフラッグ

インターセックスフラッグ
Wikimedia Commons

『Planned Parenthood』によると、インターセックス(間性)とは男性と女性という二元的なジェンダーに一致しない人の総称。両性の性器を持つ人や、さまざまな染色体を持つ人、あるいは別の違いを持つ人がいる。

このフラッグは2013年にモーガン・カーペンターが作ったもの。『Intersex Peer Support Australia』のインタビューで、カーペンターは「誤った通説やステレオタイプな見方ではなく、インターセックスの人々を象徴するのに使えるイメージを作りたかった」と述べている。

カーペンターはコミュニティの象徴として下記の色を選んだ。

ゴールドまたはイエロー:同じインターセックスのマニ・ミッチェルが、インターセックスコミュニティに対して使われた“半陰陽”という中傷的な言葉を改善したストーリーにインスパイアされたことによる。

パープルの円:インタビューの中でカーペンターは「円は、私たちはつながっていて、一体であり完全だという意味」であるとともに、インターセックスの人は自分の体を自分で決める権利があるということ。

14:トランスジェンダーフラッグ

image

『Pride』によると、このフラッグは1999年にトランスジェンダーの女性モニカ・ヘルムズが作ったもの。

彼女は「どんな風に掲げても正しいという図案。自分の人生における正しさを見つけようとしている私たちを象徴している」と述べている。

ブルー:男の子を象徴

ピンク:女の子を象徴

ホワイト:移行期にあり、ジェンダーがなく、性的中立でもない人々を象徴

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15:ジェンダークィアフラッグ

15 ジェンダークィアフラッグ
Wikimedia Commons

ジェンダークィアとは、生まれた時のジェンダーをもとに、どう行動すべきとか表現すべきだという社会の考え方に従わない人のこと。

『Psychology Today』によると、「自分の考え方や感情、行動、もっとも大事なのは自分の性自認に基づいているということ」という。

『Pride』によると、このフラッグは2011年にマリリン・ロキシーが作ったもの。

ラベンダー:アンドロジニー(両性具有)を象徴

ホワイト:アジェンダー(ジェンダーレス)を象徴

グリーン:ノンバイナリー(男女どちらでもない)を象徴

16:ジェンダーフルイドフラッグ

16 ジェンダーフルイドフラッグ
Wikimedia Commons

ジェンダーフルイドの人は、自分をひとつのジェンダーに定義せず、男性、女性、その範囲のどこかで流動的にジェンダーがシフトする人。どのくらいの頻度でシフトするかは個人差がある。

OutRight Action Internationalによると、2012年にJJ・プールが作ったフラッグだ。

ピンク:女性らしさを象徴

ホワイト:すべてのジェンダーを象徴

パープル:男性らしさと女性らしさを象徴

ブラック:ジェンダーの欠如を象徴

ブルー:男性らしさを象徴

『Majestic Mess Designs』のインタビューで、プールは、ジェンダーフルイドにはシンボルがなく、“ジェンダークィア”という言葉は正確には相応しくないので、このフラッグを作ったと述べている。

「僕は自分にフィットするアイデンティティを見つけようとしてきた。当時、ジェンダークィアが当てはまるのはわかっていたが、大雑把すぎると感じていた。ジェンダーフルイドがフィットすると発見したが、シンボルとして象徴するものがないことにがっかりしたんだ。

僕自身はアーティストではないけれど、描いてみて、Photoshopを少し使って、自分で作ろうと決心した。で、実際に自分でいくつかフラッグを作ったのだけれど、タンブラーのジェンダーフルイドとジェンダーフルイドの人々についてのブログに送ったのがこれだよ。当時、たくさんの支持を得て、気に入ってもらった。それで使われ始めたというわけだ」

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17:アジェンダーフラッグ

17 アジェンダー(ジェンダーレス)フラッグ
Wikimedia Commons

オックスフォード辞典によると、特定のジェンダーに属さない人のことをアジェンダー(という。OutRight Action Internationalによると、このフラッグは2014年にセイラム・Xが作ったもの。

ブラックとホワイト:ジェンダーの不在を象徴

グレー:セミ・ジェンダーレス

グリーン:ノンバイナリー(男女どちらでもない)

18:アロマンティックフラッグ

pride flags
Getty Images

他者に恋愛感情をまったく、あるいはあまり抱かない人がアロマンティック。グリーンに象徴されるフラッグだが、グレーとブラックはアセクシャルとセクシャル、すべてのアロマンティックを象徴している。

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19:ノンバイナリーフラッグ

19:ノンバイナリーフラッグ
Wikimedia Commons

ジェンダークィアやジェンダーフルイドと同じように、ノンバイナリーのジェンダーは変動する。

OutRight Action Internationalによると、このフラッグは2014年にキー・ローワンが、ジェンダークィアのフラッグは自分たちを象徴していないと感じているノンバイナリーの人々のために作ったもの。

“クィア”という言葉は、多くの人がそのイメージを改善しているとはいえ、LGBTQコミュニティを中傷する意味でも使われているからだ。

イエロー:二元的ジェンダー以外のジェンダーを象徴

ホワイト:多くの、あるいはすべてのジェンダーを自認する人々を象徴

ブラック:アジェンダーの人々を象徴

20:ポリアモリーフラッグ

pride glags
Getty Images

ポリアモリーの人は無限に複数のパートナーを持つことができ、パイ(π)もその象徴だから、ポリアモリーのフラッグとしてパーファクトなシンボルだ。

一方で、ゴールドは、性的な愛とは反対に、感情的なつながりを象徴している。

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