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起業家や小規模事業主たちが示してきたように、従来のビジネスや金融での経歴は成功の前提条件ではない。
2023年に200万ドル以上の収益を上げた、ロサンゼルスのピックルボールセンターを所有するジョン・ニーター(Jon Neeter)は、社会人としての初期をテニスのコーチとして過ごした。独立系書店のオーナーであるエイダ・フィッツジェラルド(Adah Fitzgerald)はそのキャリアを教育分野でスタートさせ、中学校で科学を教えていた。
大学には行かず、ニューヨーク市に引っ越してヘアカットを始めた美容師のマーサ・エレン・メイブリー(Martha Ellen Mabry)は、21歳の時に最初のサロンを立ち上げた時点では「まだ準備ができていなかった」と認める。今ではブルックリンに大盛況の2店舗を持つ彼女はBusiness Insiderにこう語っている。
私はビジネススクールには通いませんでした。でも髪のことは知っています。
自宅のキッチンでフラワートルティーヤのレシピを完成させたカップルは、副業のタコス屋台を行列ができるほど繁盛する店舗に変えた。
私たちには起業家としての優れた勘があったと思います。しかし、金融やビジネスの経歴があるわけではありません。
La Tejanaの共同創業者であるガス・メイ(Gus May)はこう話す。彼は長年飲食業界で働き、パンデミックが始まった頃に解雇された。妻のアナ-マリア・ハラミージョ(Ana-Maria Jaramillo)はフルタイムの小児言語聴覚士だった。
以上の起業家たちはそれぞれ自らの事業とともに成長し、トライ・アンド・エラーを通して徐々にビジネスの手腕を身に着けてきた。それでも彼らは、ビジネスに無関係な戦略やマインドセットのおかげで自分たちは成功したと考えている。それが以下に挙げる3つだ。
なお、Business Insiderはそれぞれの損益計算書を閲覧し、その内容を確認している。
1. 規模の小ささを強みにする
書店を経営するフィッツジェラルドはアマゾン(Amazon)を第1の競争相手と考え、バーンズ・アンド・ノーブル(Barnes & Noble)などの人気チェーン店ともしのぎを削っているが、それらのライバル企業よりはるかに狭いスペースで営業している。
彼女の1400平方フィート(約130平方メートル)の店が扱うことのできる在庫は限られているが、彼女は必ずしもそのことを不利だとは考えていない。
顧客の立場になってみると、1万冊の本の中から選ぶ方が、1000万冊の本の中から選ぶよりも気楽に感じられることもある。彼女の見解では、感覚への過剰な刺激が少ないからだという。
彼女には少数精鋭のスタッフがいるという強みもある。
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私たちが提供しているのは無数の本を読み、本についての専門的で直感的な考えを持つスタッフです。本について話したり、本を薦めたりするのが得意で、こうした能力はアルゴリズムをはるかに上回っています。
彼女はそう述べ、スタッフの中には年間100冊以上の本を読むメンバーもいると付け加えた。
小規模な独立系書店を営むことのもう1つの利点は、独特で記憶に残る雰囲気を生み出せるということにある。
「私たちは古い看板をそのまま残しているので、どう見ても’90年代の雰囲気です」とフィッツジェラルドは語る。
お客さんは実際に遭遇するものよりも少し低い期待を持って店に入ってくると思います。そのため、多くの人に『すごい』という瞬間があり、その部分を本当に楽しんでもらえていると思います。
2. ソーシャルメディアでは「ビジネスファースト」よりも「ヒューマンファースト」
多くのビジネスオーナーと同様にハラミージョとメイも、La Tejanaを成長させるためにソーシャルメディアを活用しており、「多くのビジネスがインスタグラム(Instagram)で成り立っている」と述べている。だが、彼らのインスタグラムなどのプラットフォームへの投稿の仕方は少し変わっているようだ。
彼らは自分たちのソーシャルメディアでの発信を「ビジネスファースト」ではなく「ヒューマンファースト」であると表現し、従業員や客の写真を撮って披露することを選んでいる。
キャプションの大部分を書くのはメイで、「彼は本当に心を込めて書いている」とハラミージョは言う。
お客さんはキャプションを読んで、そのストーリーに共感し、共有し、投稿し、コメントしてくれるのです。
コンテンツを人間味あふれるものにすることで、同じくらいのフォロワー数を持つ他の企業アカウントより多くのエンゲージメントを得ているとメイは語る。
私たちはそれほど頻繁には投稿しませんが、信じられないほど多くのコメントやインプレッション、リポストをもらっています。
これは彼らが営業するワシントンD.C.のマウント・プレザント地区の、そしてより広いD.C.全体のコミュニティとより深く結びつくことに役立っている。そしてそれが違いを生み出すのだ。
「私たちはコミュニティを構築する手段として店を使い、その結果、より多くのお客さんを取り込み、彼らがタコスを買ってくれるようになりました。コミュニティの一員になること自体に利点があるのです」とメイは語る。
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メイブリーもソーシャルメディアを使った同様のアプローチで成功を掴んだ。彼女が写真を撮影するときは、「モデルは雇いません。お得意様にモデルになってもらいます」と彼女は語る。そしてそれが最終的にウィンウィンになるという。
お客さんは自分の時間を費やしてモデルになり、私たちはギフト券を渡すのです。その写真がサイトに載る。そして他のお客さんのスマートフォンで目に止まり、こんな風に言ってくれます。『これをサイトで見たよ』『このカットがとてもいいね』『この色がとてもいいね』とね。
3. スタッフの間にフレンドリーな雰囲気を生み出すことで、その雰囲気が顧客にも伝わる
優れた顧客サービスがリピート客を作るとハラミージョは語る。
最高の商品があったとしても、顧客サービスが最悪なら、お客さんはリピーターにはなりません。
ハラミージョたちは客一人ひとりに、タコスを楽しんでもらうだけではなく、スタッフとジョークや笑いを共有してほしいと望んでいる。
「店に来たときに体験できる交流には価値があります」とメイは語る。
誰もが素晴らしい体験をするというわけではありませんが、来店時に味わうことのできる雰囲気が好きでリピーターになってくれている人はいると思います。
ハラミージョとメイは最初に、スタッフ同士でリスペクトするという文化を確立した。
それは何よりもまず、スタッフ同士の関係に影響を与えましたが、同時にお客さんとの交流にも良い影響があり、お客さんはリスペクトされていると感じてくれていると思います。
最高のスタッフを確保することについて、ニーターはある戦略を実践している。彼はフレキシブルな労働時間を提示しているのだ。これは「誰もが3つの異なる副業を持っている」ロサンゼルスのような場所では特に競争力が高いと彼は語る。
『テニスのプロコーチ』は俳優の卵や作家志望者にとっては最適な仕事です。スケジュールはフレキシブルだし、わずかな時間でもいい金額を稼げる。そうすれば、残りの時間で自分のやりたいことができます。
ニーターは「特別な雰囲気」のある職場環境づくりも大切にしたと語る。
ここはクールな場所で、利用者もいい人たちです。だからスタッフたちは本来の労働時間よりも長くここで過ごしてしまうのです。
※この記事は20224年3月8日初出です