「シリアは世界の脅威ではない」 暫定政権の指導者、BBC単独インタビューで語る
シリアの事実上の指導者であるアフメド・アル・シャラア氏がBBCの単独インタビューに応じ、同国は戦争で疲弊しており、近隣諸国や西側諸国にとっての脅威ではないと述べた。
インタビューでアル・シャラア氏は、シリアに対する制裁の解除を訴えた。また、バッシャール・アル・アサド政権を倒した自らのグループ、「ハヤト・タハリール・アル・シャーム(HTS、「シャーム解放機構」の意味)」はテロ組織ではないと、BBCのジェレミー・ボウエン国際編集長に語った。
アル・シャラア氏はHTSの指導者で、アサド政権を打倒した電撃作戦を指揮した。以前は「アブ・モハメド・アル・ジョラニ」を通称として名乗っていた。
HTSはイスラム武装組織アルカイダから2016年に分離したグループで、国連やアメリカ、イギリス、欧州連合((EU)など多くの国々からテロ組織に指定されている。
アル・シャラア氏は、HTSがテロ組織ではないとする理由として、民間人や民間地域を標的にしたことはないと述べた。また、自分たちはアサド政権の犯罪の被害者だとの考えを示した。
国際的な制裁については、「制裁は旧政権を対象にしていたものであり、被害者と加害者を同じように扱うべきではない」と語った。
ボウエン国際編集長は、今後のシリアの統治について尋ねた。
女性の権利や教育についての質問には、アル・シャラア氏は、「イドリブ県には8年以上前から大学がある」、「大学における女性の割合は60%以上だと思う」述べた。イドリブ県は2011年から反アサド政権勢力が支配してきた。
一方、アルコール飲料の消費は許可されるのかという問いには、「それは法的な問題であり、私には話す権利がないことが多い」と述べた。
そのうえで、「シリアの司法専門家委員会が憲法を作成する。(中略)そしてどの統治者や大統領も法律に従わなければならない」と付け加えた。
アル・シャラア氏はインタビュー中、民間人の服装でリラックスした様子だった。HTSが過激な過去と決別していないと信じている人々に安心感を与えようとした。
しかし、多くのシリア人はアル・シャラア氏を信じていない。
今後数カ月のアル・シャラア氏らの行動が、シリアをどのような国にしたいのか、そしてどのように統治したいのかを示すだろう。