増山祐史

東京社会部 | 国土交通省担当
専門・関心分野運輸行政、事件事故、独占禁止法、スポーツ

現在の仕事・担当

国土交通省の運輸行政や海上保安庁の取材を担当しています。難しい話をわかりやすく書けるよう日々勉強しています。

バックグラウンド

茨城県出身。早稲田大学で、部活動を取材してスポーツ新聞を作っていました。朝日新聞に入ってからは、いろいろな取材をしてきましたが、印象深いのは警視庁担当時代に取材した「ルフィ」を名乗る指示役による広域強盗事件です。

仕事で大切にしていること

現場で感じた喜怒哀楽を大切にし、読む人に余すことなく伝える報道をしていきたいと思っています。

タイムライン

記事を書きました

JALにサイバー攻撃、国内・国際線で一部の便に遅れ 復旧急ぐ

 日本航空(JAL)は26日、同社のシステムがサイバー攻撃を受けたと発表した。一部の便に遅れが出ており、復旧を急いでいる。  同社によると、サイバー攻撃を受け、同日午前7時24分から社内外をつなぐネットワーク機器に高負荷のアクセスがかかり、自動で手荷物を預けるシステムなどが使えなくなっているという。同日午前10時時点で、30分以上の遅延は国内線14便。同日午前10時20分現在、この日出発する国内線、国際線ともに新たな航空券の販売を停止している。  同社は「ご迷惑をおかけし深くおわび申し上げる。対応を急いでいる。運航の安全性に影響はない」としている。  羽田空港では同日午前10時半すぎの時点で、航空機に搭乗するための自動チェックイン機は動いていて、大きな行列などはできていない。スタッフは客に「今(チェックインの)システムは普通に使えている」と説明していた。  帰省予定という都内の40代の会社員女性は「サイバー攻撃の影響で空港が混乱していると思ったので予定より早めに来た。乗る予定の飛行機は運休もないようなので安心した」と話した。  警視庁によると、26日朝、日航から「サイバー攻撃を受けた」と相談があった。同庁は電子計算機損壊等業務妨害容疑での捜査も視野に、詳しい状況の確認を進めているという。

2時間前
JALにサイバー攻撃、国内・国際線で一部の便に遅れ 復旧急ぐ

記事を書きました

事故15秒前、海保機に気づいた管制官「JAL機はどうなっている」

 1月に起きた羽田空港の航空機衝突事故をめぐり、国の運輸安全委員会が25日、経過報告書を公表した。海保機、管制官、日本航空(JAL)機の3者の事故経緯をまとめた報告書からは、様々な要因が重なり、事故につながった可能性が浮かび上がってくる。  海保機は事故が起きた1月2日、能登半島地震の救援のため、新潟航空基地に向かう予定だった。指令が出たのは午後2時55分。支援物資が羽田に届くのが遅れたが、基地職員や特殊救難隊員も協力し、毛布100枚や非常食800人分などの物資を急いで積みこんだ。  荷下ろしにも時間がかかると見込まれた。男性機長は「羽田空港に戻った後の乗員の帰宅方法についても考慮し、なるべく急ぎたい」と考えていたという。出発前には補助動力装置に不具合が生じ、予定より40分遅れで滑走路に向かった。  海保機はJAL機の着陸を知らなかった可能性もある。公開された交信記録によると、海保機が、滑走路を担当する「タワー管制(飛行場管制)」の周波数に切り替えて交信を始めたのは、管制官とJAL機が着陸の許可に関するやり取りをした約10秒後だった。  管制官→海保機「No.1,taxi to holding point C5(1番目。C5上の滑走路停止位置まで地上走行してください)」  海保機→管制官「To holding point C5 No.1,Thank you(滑走路停止位置C5に向かいます。1番目。ありがとう)」  離着陸機の間隔調整のため、海保機は当初の予定から変更し、C5誘導路から滑走路に入ることになった。管制官の指示は滑走路手前にある誘導路上の停止位置までで、機長も「C5」「ナンバーワン」と復唱し、「問題なしね」という問いに副機長も「問題なしです」と応じていた。  機長はこの時の管制官の指示について、「Line up and wait,you are No.1(滑走路で待機、離陸順1番です)」と言われたと記憶しているという。  実際に管制の指示後、本来は進入許可を得た後に行う「離陸前点検」をするよう指示し、副機長が点検を始めていた。管制の指示と異なる動きを指摘するやり取りはなかった。  先行する出発機がいるにもかかわらず、海保機が離陸順1番を示す「ナンバーワン」と指示を受けたことについて、機長は「飛行目的が支援物資空輸であり、事前に運航情報官に伝えていたため、離陸順位を優先してくれた」と思っていたという。  海保機と交信していたタワー管制官は、海保機が指示通りにC5上の誘導路に入ったことを目視で確認。その後、別の空域担当の管制官から、到着機が混んでいるため空港への進入間隔を短くしたいという要請があり、空港の混雑具合を監視する手元の画面に視線を移した。その間に海保機は滑走路に進入しており、タワー管制官は進入を認識していなかった。 ■滑走路上の海保機に気づいた管制官も  一方で、事故の15秒前、滑走路上の海保機の存在に気づいた管制官がいたことも明らかになった。  管制官は空域ごとに担当が分かれ、羽田空港の離着陸を担当するタワー管制とは別に、空港周辺のより広い範囲で離着陸機を管理する「ターミナル管制」と呼ばれる管制官がいる。  事故直前、羽田からの離陸機を担当するターミナル管制官は、空港面を表示する手元の画面で海保機が滑走路に入っているように見えた。  JAL機が着陸するのに、なぜ海保機がいるのか。JAL機がゴーアラウンド(着陸やり直し)する場合は自身の担当となるため、事故15秒前にタワー管制に「JAL機はどうなっているか」と問い合わせた。  だが、タワー管制は海保機が滑走路内にいることを認識しておらず、JAL機も問題なく着陸準備に入っていたため、問い合わせの意図が分からず返答はしなかった。  JAL機の操縦席には当時、3人のパイロットがいた。それぞれ着陸前に滑走路を監視していたが海保機は認識しておらず、操縦席の音声記録では、衝突後に「小型機いましたね」と海保機をうかがわせる発言が初めて出ている。 ■なぜJAL機は海保機に気づけなかったのか  JAL機が滑走路上の海保機に気づけなかったのもいくつかの要因が重なったとみられる。  海保機に取り付けられていた衝突防止灯などの灯火のうち、後方から視認できるのはいずれも白色で、滑走路の中心線と重なり「ほぼ同じ線」になっていた。事故当時は日没後で月も出ておらず暗い状況で、こうした状況から視認できなかった可能性がある。  運輸安全委は捜査権を持たず、再発防止を目的として調査し、事故原因を究明する。事故の当事者たちが責任追及を恐れて真実を隠さないようにするため、捜査と分けている。大きな事故ではいくつもの要因が絡み合うため、事実関係の把握が重要となるためだ。  今回の事故では、運輸安全委の調査と原因分析にはさらに時間を要する見通しという。そのため、現時点で判明した事実を航空の安全向上に役立てもらうため、経過報告書をまとめた。今後、海保機、管制官、JAL機の3者それぞれの要因について分析し、事故原因の特定を進める。  運輸安全委の調査とは別に、警視庁は業務上過失致死傷事件として特別捜査本部を設置し、捜査を進めている。

1日前
事故15秒前、海保機に気づいた管制官「JAL機はどうなっている」

記事を書きました

「震災支援なので離陸が優先かと」海保機長が証言 羽田事故で報告書

 羽田空港の滑走路で今年1月、日本航空(JAL)と海上保安庁の航空機同士が衝突し、海保機の副機長ら乗員5人が死亡した事故で、国の運輸安全委員会が25日、事故経緯や海保機内の音声記録をまとめた経過報告書を公表した。海保機側は、滑走路への進入許可を得たと誤認。機長は運輸安全委の調べに対し、「飛行目的が震災の支援物資輸送だったため、離陸の順位を優先してくれたと思った」と証言していたことも明らかになった。  運輸安全委は①海保機が管制官から許可が出たと考えて滑走路に進入した②管制官が海保機の進入に気づかなかった③JAL機が滑走路上にいる海保機に気づかずに着陸した、という三つの要因が重なり事故が起きたと考え、調査を進めている。  報告書によると、海保機は、前日に起きた能登半島地震の救援のため、物資を積んで新潟空港に向かう予定だった。管制官と交信していたのは海保機の副機長で、機長もヘッドホンで聞いていた。機長は同時に海保の羽田航空基地とも交信していた。  管制官との交信記録では、管制官が海保機に対して英語で「ナンバーワン。C5上の滑走路停止位置まで地上走行してください」と指示。海保機の副機長が復唱し、応じていた。C5は誘導路で、滑走路手前の停止位置まで行くよう指示していた。  今回初めて公表された海保機内の音声記録では、副機長が管制官の指示に応じた後、機長が「ナンバーワン」「C5」とのみ復唱。機長の「問題なしね」という呼びかけに副機長も「問題なしです」と応じた直後、機長は進入許可を得た後に行う「離陸前点検」をするよう指示。副機長が点検を始めていた。海保機はそのまま滑走路に入って停止しており、進入を止めるようなやり取りはなかった。  機長は運輸安全委の調べに対し、管制官の指示を受けた際、「Line up and wait(滑走路に入って待機)」と言われたと記憶していた。その後も、副機長とも「Line up and wait」と復唱してから滑走路に入ったと説明しているという。また、海保機は滑走路に進入後、管制官から「離陸支障ありません」の許可があったと記憶していたという。管制記録には、こうした指示はなかった。  事故が起きたのは1月2日午後5時47分。支援物資輸送の指示が出たのは午後2時55分で、支援物資の到着が遅れ、出発も予定より40分ほど遅れていた。機長らは被災地の管制官に負担がかからないよう飛行経路などを検討。当日中に羽田空港に帰らなければならず、機長は乗組員の帰宅時間も考え、出発をなるべく急ぎたいと考えていたという。  報告書からは、管制側が滑走路上の海保機の存在に気づき、対応できた可能性も浮上した。離陸後の空域を担当するターミナル管制官は事故の15秒前、手元の画面上で海保機が滑走路内にいるように見えたため、JAL機がゴーアラウンド(着陸やり直し)することを想定し、海保機に指示を出したタワー管制官にJAL機の状況を問い合わせていた。ただ、タワー管制官は海保機の進入に気付いていなかったため、問い合わせの趣旨が分からず、応答しなかった。  誤進入を検知して管制官に知らせる「滑走路占有監視支援機能」は正常に作動し、注意喚起を表示していた。だが、タワー管制官を含めた羽田空港の複数の管制官は注意喚起表示を認識していなかった。  運輸安全委は、捜査権を持たず再発防止を目的として調査をする。大きな事故ではいくつもの要因が絡み合うため、事実関係の把握が重要となる。事故の当事者たちが責任追及を恐れて真実を隠さないようにするため、捜査と分けている。  今回の事故では、運輸安全委の調査と原因分析にはさらに時間を要するという。そのため、現時点で判明した事実を航空の安全向上に役立ててもらうため、経過報告書をまとめた。  運輸安全委の調査とは別に、警視庁は業務上過失致死傷事件として特別捜査本部を設置し、捜査を進めている。

1日前
「震災支援なので離陸が優先かと」海保機長が証言 羽田事故で報告書
有料会員登録でもっと便利に  記者をフォローしてニュースを身近に