能登半島地震と9月の能登の豪雨の犠牲者を慰霊する石川県輪島市での1日の追悼式には、317人の遺族が参列した。助けることができなかったことへの葛藤、そして改めての感謝――様々な思いを語った。
野々市市の保育士谷内未来さん(27)は、輪島市河井町の実家で父の松井健(たけし)さん(当時55)を亡くした。
地震発生時、谷内さんら家族はリビングにいたが、別の部屋に1人でいた健さんは、倒れたタンスの下敷きになったという。
「いたたたた」と言いながら部屋から出てきた健さんに、未来さんが「大丈夫?」と声を掛けると「大丈夫」と返ってきた。だが、その後の避難中に階段の踊り場で倒れ、帰らぬ人となった。心臓に傷がついていたという。
「本当はすごく痛かっただろうけど、私たちに心配させたくなかったんだと思う」と話す。一方で、「どこが痛い?」と聞けば良かったと今でも悔いが残る。
「助けてあげられんくてごめんね。私たちは生き残ったから、おとうの代わりに頑張って強く生きるよ。心配しなくていいよ」。父にそう声をかけたい。
金沢市から訪れた女性(37…
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