元ドラフト1位捕手、コカイン所持罪で執行猶予付き判決 名古屋地裁

渡辺杏果
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 コカインを含む粉末を所持したとして、麻薬取締法違反(所持)の罪に問われた元プロ野球選手の山下斐紹(あやつぐ)被告(32)=名古屋市中区=の判決公判が20日、名古屋地裁であった。平手健太郎裁判官は「知人からコカインをすすめられ、使用するようになり所持の犯行に至った。安易な意思決定は厳しい非難に値する」として懲役1年執行猶予3年(求刑懲役1年)を言い渡した。

 判決によると、山下被告は9月12日、同区で経営するバーでコカインを含む粉末(約0.458グラム)を所持した。

 平手裁判官は、「飲食店を経営する中で、飲食店経営者の知人からコカインをすすめられ、誘われるがままに使用するようになった。コカインへの親和性が認められる」などと指摘。一方で、知人との関係を絶ち、交際相手や母が監督を約束していることから、執行猶予付き判決が相当とした。

 今月4日にあった初公判の被告人質問では、バーのトイレでコカインを使用していたと明かし、「軽い気持ちでした」と答え、「本当に深く反省しています」などと謝罪していた。

 平手裁判官は判決を言い渡した後、「法廷で『たくさんの人に迷惑をかけて本当に反省しています』と述べていた気持ちを忘れずに更生してほしいと思います」と述べた。

 判決後、山下被告は報道陣の問いかけに応じることなく立ち去った。

 山下被告は現役時代は捕手で、習志野高校(千葉県)から2010年秋のドラフト1位で福岡ソフトバンクホークスに入団。18年に東北楽天ゴールデンイーグルス、21年に中日ドラゴンズに移籍し、プロ通算144試合に出場した。22年に引退し、バーを経営していた。

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この記事を書いた人
渡辺杏果
名古屋報道センター|司法担当
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司法、地方、街