どんどん降りたらいい今こそ、読むと感じることも多いだろうと思わされた本。「早く元の生活に戻りたい」とか「もう元には戻らないよ」とかいろんな話や意見があるが、私自身は別に戻らなくていいと考えている。戻りたくもない。著者はその領域に、平成の時代にいち早くたどり着き、葛藤を抱えながらも「半分だけ降りる」ということで折り合いをつけようとしたようだ。「半分」なので、既得権益には興味があるし、でもそこから離れたいし、という赤裸々な葛藤もおもしろかった。社会なんてものは、そもそもが作られたものだ。従う必要なんて実はない。そんなふうに感じていたり、社会システムに何か疑問を持ってたりする人が読むと背中を押された気がするのではないだろうか。10