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眼の誕生――カンブリア紀大進化の謎を解く 単行本 – 2006/2/23
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一つは、なぜカンブリア紀以前の地層から化石が見つからないのか? もう一つは、眼という「完璧にして複雑な器官」が進化によって説明できるのか? 本書によって、この二つの問いがふいにつながり、眼の誕生がもたらした壮大な進化ドラマが見えてきた。
5億4300万年前、カンブリア紀の始まりと同時に、生物は突如、爆発的に進化した。カンブリア紀の爆発として知られるこの急激な進化は、なぜ起こったのか?
その謎に挑んだ若き研究者は、もともと貝虫類というミジンコなどの仲間を研究していた。ある日、貝虫がきらりと光る。その光に魅せられ、生物の体色研究にのめりこんだ彼は、バージェス動物の体色を現代に甦らせ、ついにカンブリア紀の爆発の謎にたどりつく。
カギを握るのは「光」。光は生物進化にいかなる影響をもたらしたのか?
地球最初の眼が見た光景とは? そして生物学、地質学、光学、化学などの最新の成果から見出した「光スイッチ説」とは? 画期的アプローチで生命史の大問題に挑む。まさに目からウロコの興奮と驚き、生命進化の奥深さを実感する書だ。
- 本の長さ384ページ
- 言語日本語
- 出版社草思社
- 発売日2006/2/23
- ISBN-104794214782
- ISBN-13978-4794214782
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商品の説明
抜粋
この尋常ならざる爆発的進化を起こした原因については、これまでにさまざまな説が提唱されてきたが、納得のゆくものはなかった。いずれにも強力な反証が存在するのだ。有力とされる説もくわしく検討してみると、どれもみな、進化史上の異なる出来事を説明する説ではありえても、カンブリア紀の爆発そのものの説明とはなっていないことがわかる。早い話、進化のビッグバンで起きたことに関しては多くのことが書かれ、広く知れ渡っている一方で、それが起きた原因については皆目わかっていないというのが実情なのだ。本書の目的は、カンブリア紀の爆発が起こった原因を解き明かすことにある。
その原因を解き明かすにいたった物語を語るにあたっては、「謎」とか「手がかりを捜す」といった表現がぴったりである。そう、この物語は、科学的犯罪捜査として語るにふさわしい話題なのだ。したがって本書はおのずと探偵小説の構成をとることになった。
これまではぼくは、関心が赴くまま、また目前に立ちはだかる謎を解く必要上から、さまざまな研究分野に首を突っ込んできた。歩んだ道は決して平坦な者ではなかったが、長い捜査の果てに姿を現したのが、カンブリア紀の謎だった。謎をひとつひとつ解き明かす過程でおのずと証拠が集積され、最後に手にした答については、今もって反証の現れる兆しがない。つまり、最後に残ったこの答こそが「真実」であると、ぼくは確信している。
著者について
1967年英国生まれ。オーストラリア博物館研究員を経て1999年から英国ロイヤルソサエティ大学特別研究員としてオクスフォード大学動物学科の研究リーダーに就任。2005年からは英国自然史博物館動物学研究部研究リーダー。
登録情報
- 出版社 : 草思社 (2006/2/23)
- 発売日 : 2006/2/23
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 384ページ
- ISBN-10 : 4794214782
- ISBN-13 : 978-4794214782
- Amazon 売れ筋ランキング: - 159,548位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 289位地球科学 (本)
- - 2,360位生物・バイオテクノロジー (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者の本をもっと見つけたり、似たような著者を調べたり、おすすめの本を読んだりできます。
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カスタマーレビュー
お客様のご意見
お客様はこの本について、純粋に読み物としても面白いと評価しています。ワクワクする内容で、推理小説のような面白さを学ぶ書だと感じています。また、懇切丁寧な背景説明が為されており、目から鱗の新説を説明する目から鱗の新説や、科学的裏づけが示されている点も好評です。 一方で、読みやすさについては意見が分かれているようです。化石から読み取れることや、光の物理的性質に対する丁寧な説明など、多くの知識を体系的に理解し思考できる点が特に高く評価されています。
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お客様はこの書籍について、純粋に読み物として面白いと評価しています。ワクワクする内容で、推理小説のような面白さを学ぶ本だと感じています。また、多くの知識を体系的に理解し思考する、良質な書物としての説得力があり、ページをめくる度に発見があると好評です。
"進化の過程を“眼”で読み解く。 推理小説のようで、比較的分厚い本なのに飽きさせない。" もっと読む
"...淡々と一定の証拠に基づいて変化を記述していくことしかできません。眼の発生が多様化を一気に推進した、という仮説は説得力があるし、大変面白いのですが、証明することは不可能です。その点で星マイナス2ですが、お話として捉えれば大変面白いとも言えます。そこが星3つ。..." もっと読む
"...進化論は、仮説でありその原理の説明は簡単なほど科学的と思われるが、この部分はいただけない。 良質な書物の内容が全て納得できるものではないことぐらいは、他のレビュアーも分かっておられるだろうが、囃し立てているばかりでは、本当に書物を読んでいるのかと不思議になる。..." もっと読む
"...肯定化されつつありますが、この本は、そのような考え方を再考させて くれるような、説得力があります。 話の展開がもったいぶったような感じなので、少々いらつくかも 知れませんが、反論の余地を与えないように丁寧に解説してくれます。..." もっと読む
お客様はこの本について、懇切丁寧な背景説明と目から鱗の新説を説明する目から鱗の新説だと評価しています。多くの知識を体系的に理解し思考する一級のサイエンス・レクチャーとして高く評価しています。カンブリア紀の爆発を説明する目から鱗の新説や、パーカーの直感と発想力、緻密な論理力を感じたという声があります。また、視覚をテーマにした一級のサイエンス・レクチャーとして、2006年4分の3が過ぎたことを報告しています。
"...でありながら、初学者にも優しい、懇切丁寧な背景説明が為されている。説明が非常に丁寧なので、生物学や進化論と親しくしている人は、おそらく最初の4分の1も読まないうちに、本書が提案する仮説が読めてしまうだろう(そして「これをいままで思いつかなかったとは、自分は何と間抜けなんだ」と心の中で叫ぶ)。..." もっと読む
"...我々の感覚インプットで最も重要な視覚をテーマにした一級のサイエンス・レクチャー。 2006年も4分の3が過ぎました。今のところ本書が今年のベストです。" もっと読む
"パーカーの直感と発想力、緻密な論理力を感じた..." もっと読む
"多くの知識を体系的に理解し思考する,推理小説のような面白さを学ぶ書..." もっと読む
お客様はこの本の読みやすさを高く評価しています。化石から読み取れることや、光の物理的性質に対する丁寧な説明が挙げられています。また、本書の結論に対する科学的な裏づけとして、光や海の深海底などの洞窟での実験も紹介されています。
"生物、動物に眼が誕生したいきさつが大変わかりやすく述べられている。 特に今日に至るまでの生物、動物の世界の実態の根本原因が 「眼の誕生」にあると考えたことに驚いた。 パーカーはすばらしい直感と発想力そして緻密な論理力のある 研究者だと思った。" もっと読む
"美本でした 生物の進化に興味あり購入 読みやすい書き口 多くの スタマーレビューの記載にある通り良書" もっと読む
"...(349ページ)この結論に対する科学的な裏づけを確実にすべく、著者は、化石から読み取れること、光の物理的性質に対する丁寧な説明、現代の深海底や洞窟などでの生態系の様子などを、一つずつ確実に積み重ねてゆきます。..." もっと読む
"...NHKで放映された「カンブリア紀大爆発」をわかりやすく説明してくれるような本である。この手の本は、どうしても専門用語が頻出するが、これほど読みやすいというのは、翻訳者の力量であろう。 しかし、読んでいて疑問が1つだけあった。 P346の「選択圧」という用語である。..." もっと読む
上位レビュー、対象国: 日本
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- 2015年8月30日に日本でレビュー済みAmazonで購入進化の過程を“眼”で読み解く。
推理小説のようで、比較的分厚い本なのに飽きさせない。
- 2022年7月16日に日本でレビュー済みAmazonで購入商品の説明欄や抜粋を読むと多くの疑問が1つのアプローチによって解消されるような印象を受けるが、
あくまで新仮説であること。また、古生物は化石や地層から間接的な情報しか得られず、生態を直接観察して
実証することもできない。そのために疑問が氷解するような体験を求めていると肩透かしを食らうかも。
これはカンブリア紀の爆発的な進化は発達した視覚を担う器官・眼の誕生によるという仮説を補強する証拠を、
一冊丸々つかってじっくりと様々な資料や情報を用いながら集めていく本になっている。
こうした古生物の研究は日進月歩であり、その謎を解くアプローチと推論の進め方を学ぶ上で、この本は優れた手本になるだろう。
- 2016年12月26日に日本でレビュー済みAmazonで購入生物、動物に眼が誕生したいきさつが大変わかりやすく述べられている。
特に今日に至るまでの生物、動物の世界の実態の根本原因が
「眼の誕生」にあると考えたことに驚いた。
パーカーはすばらしい直感と発想力そして緻密な論理力のある
研究者だと思った。
- 2020年6月1日に日本でレビュー済みAmazonで購入昔から、口や、耳、鼻等は、穴が進化したのだろうが、眼と言う器官は、眼球と言う
穴などではない眼球追いう別組織が形成されている事が、生物の構造として違和感があり、
眼はどのように進化したのか興味があった。しかし、当時調べた際には回答になる情報は無かったので、
今回の書籍はその回答例の一つとして、非常に興味深かった。
まとめると、最初に眼が誕生したのは三葉虫(原始三葉虫)
眼が発生した理由は厳密には不明。ただ仮定としてそれまで地球を覆っていた霧が晴れ、日光の量が増えた。
理由は、スノーボールアースや銀河のオールトの雲を抜けた等が要因と考えれる。
それまで、眼はそこまで重要視されておらず、光受容体として、光センサーのような原始的な物があった。
これは(恐らくは)温度センサーの類と思う(私の個人的な推論ですが)波には、それぞれ波長の波があり、色によって温度が異なる。
最初は光が有るか無いか程度のセンサー、それが少しづつ性能を増し、
やがて、眼を閉じた状態で光を感じる程度まで進化。反射の色(温度)色覚を認識出来るようになった。
その後、端的に言えば、眼が非常に悪い人が、眼鏡をはずした状態を更にぼかした、非常にぼやけた状態が見えるようになる。
(この段階では色と、大雑把な輪郭)そこから、少しづつピントが合っていき現在の眼になった。
また、眼はどのように進化したか。元々は、生物の頭部などに穴がありそこに光を感知する光受容体のセンサーがあった。
その穴にレンズに相当する覆いが被さり、レンズが青赤などの光を検知、穴の中にピンとや入ってきた、
情報を処理する神経が形成され、眼球へ進化した。
それを処理する脳細胞は、もともと、聴覚、触覚、臭覚等、他の感覚器官からフィードバックされた情報を脳が神経を通して
処理していた機能が下地にあり、光受容センサーも同様に視神経として、脳に接続され見たものが脳で処理される器官となった。
これを始めて形成したのが三葉虫で、そこから捕食対象が増え捕食の為の進化が、結果他の生物にも影響し、
同じく捕食の為の目の形成、襲われた際に防御するための甲殻、眼がある事が前提となる擬態と言う迷彩など、
それまで偶発的な遭遇でしかなかった世界に、視覚情報を元に生物を追いかける、探すという行為が生まれた。
眼が世界に登場した為に、攻撃的、防御的にと方向性は異なるが、適応が必要となった為、
カンブリア紀に爆発的に生物が増えた、と言う感じでしょうか。
- 2016年12月3日に日本でレビュー済みAmazonで購入科学書として捉えるなら、そもそも進化の話において証明は存在しないので科学にはならなくなります。淡々と一定の証拠に基づいて変化を記述していくことしかできません。眼の発生が多様化を一気に推進した、という仮説は説得力があるし、大変面白いのですが、証明することは不可能です。その点で星マイナス2ですが、お話として捉えれば大変面白いとも言えます。そこが星3つ。非現実的なSFを読むくらいなら、進化に関わる推論の書を読む方が楽しいということは言えると思います。少なくとも、読んで楽しい本です。
- 2020年8月10日に日本でレビュー済みAmazonで購入授業に役立てています。
- 2021年5月31日に日本でレビュー済みAmazonで購入古本屋に行く手間もかけずに素晴らしい本を入手出来ました。
- 2015年8月16日に日本でレビュー済みAmazonで購入美本でした
生物の進化に興味あり購入
読みやすい書き口
多くの スタマーレビューの記載にある通り良書