【1月25日 AFP】スペイン警察は24日、性的搾取目的で同国や米国に女性を密入国させていた中国系の国際人身売買組織を摘発し、30人を逮捕、被害者33人を解放したと発表した。

警察発表によれば、当局は2022年に開始された捜査で「Tian Xia She triad」として知られる中国起源の国際犯罪組織を突き止めた。

この犯罪組織は、欧州でのより良い未来を約束して若い女性をだまして捕らえ、ギリシャやスペイン、米国の売春組織に売り渡していた。

被害女性は全員アジア系で、未成年者もいる。組織への最大2万ユーロ(約330万円)の借金を返済するため、スペインで「奴隷に近い状態」に置かれ、避妊せずに1日24時間売春に応じるよう強制され、売春宿に閉じ込められていた。妊娠中絶手術を強いられたケースもあったという。

この犯罪組織は、主に中国人をバルカン半島経由で欧州に密入国させることでも多額の利益を上げていた。最終的には中米経由で米国に向かわせていたという。

違法薬物の密売も主要な収入源とし、組織は未成年者を使ってケタミンなどの違法薬物を販売していた。

捜査には欧州連合(EU)の欧州警察機関(ユーロポール)が協力。強制捜索をスペインで14回、クロアチアで1回行い、売春宿として使われていたアパート2棟と文書偽造施設を閉鎖した。(c)AFP