【1月17日 AFP】フランスの風刺週刊紙シャルリエブドは16日、X(旧ツイッター)の利用について、他メディアに追随して中止することはせず、代わりにXを所有する実業家イーロン・マスク氏をやゆする一連の風刺画を投稿すると発表した。

ドナルド・トランプ次期米大統領の盟友で大富豪のマスク氏は、Xで誤情報を広めているとして非難されている。

シャルリはAFPに対する書面で「イーロン・マスク氏は、言論の自由の守護者を標榜している。シャルリー・エブドは同氏の風刺画をXに掲載することで、言論の自由を最大限に活用することを決定した」と述べた。

シャルリ最新号に掲載され、英語に翻訳されたマスク氏の風刺画計19点は、17日までにXに投稿される。

シャルリはXでアットマークを使ってマスク氏に対し、「私たちの表現の自由に対する考えを気に入ってもらえれば幸いだ。どのデザインが一番気お気に召したかを、遠慮なく教えてほしい」と呼び掛けた。

マスク氏の風刺画は、パリのシャルリ本社が国際テロ組織アルカイダ系武装組織に襲撃され、12人が死亡した事件から10年を迎えた直後に発表されたもので、同紙特有の辛辣(しんらつ)なユーモアが表現されている。

風刺画のうち1枚は、電気自動車(EV)大手テスラの最高経営責任者(CEO)でもあるマスク氏が乗った車を哀れな使用人4人が担いでいる様子が描かれ、「支配民族のための車を製造するマスク」というメッセージが添えられている。

シャルリは既に、前号の表紙でマスク氏を取り上げていた。

この表紙は「イーロン・マスク、未来の極右」と書かれ、今月7日に死去したフランスの極右、ジャンマリ・ルペン氏の胸からマスク氏が飛び出すという、リドリー・スコット監督の映画『エイリアン』をほうふつとさせる絵柄だった。

Xは2022年にマスク氏に買収されて以来、虚偽の情報を拡散し、コンテンツモデレーションに十分なリソースを割り当てていないとして多くのメディアやユーザーから批判されている。

マスク氏はトランプ政権で「政府効率化省」を率いることになっているが、ここ数週間、Xからの離脱を表明する個人や組織が増加している。

左派系の英紙ガーディアンはトランプ氏が再選を決めた昨年11月の時点で、Xへの投稿を中止している。(c)AFP