本記事は、株式会社マキタ及び関連会社が保有する産業財産権の情報を解説・紹介するものであり、新製品発売を保証するものではありません。株式会社マキタ及びマキタ取扱店へのお問い合わせはお控えください。
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目次
18V×2シリーズ 充電式メガインパクトレンチ
先日、40Vmaxシリーズの充電式メガインパクトレンチ TW010Gが発売したばかりですが、18V×2シリーズの構想もあるようです。
画像のように18Vバッテリを2本挿しする構成になっていますが、バッテリの装着位置については複数案があるようで特許出願の2023年時点ではまだまだ検討を進めている段階なのかもしれません。
18V×2シリーズに関しては、40Vmaxシリーズの展開以降から開発ペースが停滞しており、この先の新製品は出ないとも思っていたのですが、最近のマキタ社内での動向としては18Vシリーズ併売の機運が高まっているのかもしれません。
80Vmax 充電式メガインパクトレンチ
こちらもメガインパクトです。40Vmaxバッテリの2本挿し構成になっており80Vmaxシリーズと推測されます。
TW010Gは最大締め付けトルクが2,850N・mの仕様でしたが、80Vmaxシリーズでは5,000N・mに届く仕様になるかもしれません。特許内のハウジングの形状は試作感の強いシンプルな外観になっているので、現時点では構想段階の製品と想定しています。
充電式垂直型インパクトレンチ
まだまだインパクトレンチが続きます。画像は垂直型のインパクトレンチです。
最近の事例としては、ミルウォーキーの垂直型インパクトレンチが記憶に新しいところでしょうか。
想定としては鉄道作業用の製品になると考えれます。この分野ではミルウォーキーが一歩リードしていますが、市場における認知度を考慮すれば、後発でも十分追いつける市場感なのかもしれません。
マキタ120Vmax/200Vmax構想
筆者はこの数年間のマキタ特許を見ててきましたが、最近のマキタ開発はネジが外れてきてる感じがします。40Vmaxバッテリを3本または5本直列で使用するインパクトレンチの構想です。
マキタは大真面目に40Vmaxバッテリの3直以上の充電式電動工具を検討しているようで、5本装着インパクトレンチの性能諸元は「最大締め付けトルク 10kN・m, モータ最大出力5kW, バッテリパックの電圧総和 144V, インパクトレンチの本体重量 40kg」と充電式電動工具として途方もないスペックとなっています。
正直なところ、これくらいのサイズになってくるとバッテリー複数個を同時挿しにする構造はどうなのかと思っています。このクラスになるとバッテリー形状の最適解はホンダのMobile Power Pack eの形状な気もしますし、いっそのこと交換バッテリー式ではなくてEVのような内臓バッテリーにして、新しい急速給電規格の開発やEV給電規格の電動工具適用に進んだ方が良い感じもします。
この辺りは、電動工具市場にとっての未知の領域になる製品なので、製品デザインの有効性や市場需要に関しては相当の構造検討が必要になるだろうと想定しています。
高トルク仕様の充電式アングルインパクト
これが今回最後のインパクトレンチです。画像はアングル形状のインパクトレンチの意匠図です。
アングルインパクトは狭所でも使用できるのが特徴の電動工具ですが、モータ動力をハンマに伝える部分を90度曲げてコンパクトにしている関係上、打撃力を高くすることが難しくトルクの高いものでも100N・mクラスになってしまう課題がありました。
この意匠図のインパクトレンチではモータと打撃部を並列に配置しており、スパーギヤで動力を伝えることで普通のインパクトレンチ並みのトルクを実現しているものと想定されます。
この構造をアングルと言って良いのかは絶妙なところですが、アイデアとしてはシンプルで意外と良いかもしれません。とは言えこの形状のアングルインパクトレンチが市場で求められているのかは未知です。
18V充電式噴霧器
18Vバッテリで動作する充電式の噴霧器に関する特許です。
用途に関しては特許内に明記されていないのですが、ぱっと見で塗料向けには見えないので、薬剤散布用と予想しています。
開発傾向としてこういう製品は良いのですが、市場では既にコロナ対策の薬剤散布用として電動工具バッテリーを装着する散布機が販売されており、マキタバッテリーを使う互換スプレーガンも多数流通しているので、プロユースとして製品の質をどこまで向上できるかが肝になりそうです。
集じん機能内蔵ハンマ
ハンマ上部に集じん機を内蔵する一体型の集じんハンマに関する特許です。
ブル先端の集じんアダプタがハンマ本体に繋がっており、本体のヘッド部の集じんタンク内に粉じんを吸い込む構造になっているのが特徴です。集じん機の手配と装着が不要なので、粉じん対策が必要な現場では重宝されそうです。
とは言え、アイデアとしては悪くないのですが、集じん機能を必要としないユーザーにとって本特許は不要な機能であり、集じんタンクの体積を取らなければ使い勝手の向上は期待できないので設計におけるバランスのとり方が難しい特許です。また、この手の技術はユーザー需要があればもう少し早い段階でアイデアが出たと思うので、市場的に求められているかも微妙なところです。
3世代目の充電式運搬車
マキタ 充電式運搬車の3世代目となるモデルの意匠図です。
1世代目のCU180Dは三輪仕様であり、2世代目のCU600Dでは4輪駆動になって電動昇降モデルのCU601Dになりまして。3世代目のコンセプトしては、バイク上のハンドルを搭載し前輪と連動することで左右操作性を向上しているようです。
使い勝手は大きく向上してそうなのですが、CU600Dで既に標準小売価格600,000円を超えているため、これ以上の価格上昇を市場が受け入れられるかは悩ましいところです。こういう製品を買えるユーザーは比較的裕福な農業畜産系のユーザーと想定していますが、100万円に手が届く価格帯になると運搬用クローラや農機向け小型AGV市場と競合するため、どのようなコンセプトでどのような需要層を狙っていくかが重要になりそうです。
個人的には、ハンドルを180度回転して、台座部分に椅子をつけて、マキタバッテリで動作するマキタバギーにしたバリエーションも作ってほしいなと思っています。
40Vmaxバッテリ仕様のバイススタンド付き充電式チップソーカッタ
待っていた方も多かったのではないでしょうか。マキタからバイススタンド付き充電式チップソーカッタの新モデルが出そうです。
マキタのバイス付きチップソーカッタは14.4VバッテリのLC540Dを最後に製品展開されておらず後継モデルがなかったため、2021年に発売したHiKOKI CD3605DFAに流れた方も少なくなかったと思います。
カバー形状やサイズ感の予想として、185mmクラスのCS001Gをベースとした製品ではないかなと想定しています。
特許内ではベースから取り外してハンディタイプとしても使用できることを記述しているので、バイス式とハンディ式で2in1として使える製品になりそうです。
40Vmax充電式チューブベルトサンダ
40Vmaxの新製品として充電式のチューブベルトサンダを開発中のようです。
チューブベルトサンダとは、3つのローラでベルト保持するベルトサンダです。通常のベルトサンダと異なり、チューブベルトサンダでは3角形の形でベルトにテンションがかかっているので、そのままベルトを押し付けてパイプ材などの曲面の研磨作業を効率よく行うことができます。
工具の構造上、ベルトにテンションをかけなければならず、接触面積も広いため負荷の大きい電動工具なのですが、40Vmaxによって現実的になった製品なのだと思っています。
ただし、数が出る製品ではないため、製品化しても少量生産や工場向けなど販路は限定されるかもしれません。
音声認識対応電動工具
マキタが構想しているのは、音声による電動工具の制御技術です。
首周りに装着するネックスピーカーで音声操作を可能にする構想で、学習済みモデルや機械学習の適用によって、電動工具本体が高精度な指示判断による制御が可能になると記述しています。
辛辣な意見として、通信機能としてのBluetooth機能どころか40VmaxシリーズのADP11対応製品の展開すら進めなかったマキタが、音声認識で操作する電動工具の構想を立ち上げるのは一笑に付すものです。また家電産業がようやくMatterによるスマートホーム共通規格が成立させて共通化を図ろうとしている中、今さら電動工具メーカーが特許を取得して技術独占に走るのも、業界そのもののIT化に対する周回遅れ感をより鮮明にしてしまうだけとも思っています。
この辺りのIT技術は一社独占として展開を行っても限界があるため、フォーラムのような各社協調と共通規格化によって普及を図ることでより大きな新市場創生に繋げてほしいと考えています。