恵比寿ライダーさんが投稿した徳山鮓(滋賀/余呉)の口コミ詳細

体脂肪率6%~8%を維持するダイエッダー

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徳山鮓余呉/郷土料理、オーベルジュ

1

  • 夜の点数:4.9

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 3.8
      • |雰囲気 4.2
      • |CP 4.8
      • |酒・ドリンク 3.8
  • 昼の点数:4.8

      • 料理・味 4.5
      • |サービス 3.8
      • |雰囲気 4.2
      • |CP 4.7
      • |酒・ドリンク -
1回目

2013/01 訪問

  • 夜の点数:4.9

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス3.8
    • | 雰囲気4.2
    • | CP4.8
    • | 酒・ドリンク3.8
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人
  • 昼の点数:4.8

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス3.8
    • | 雰囲気4.2
    • | CP4.7
    • | 酒・ドリンク-

後世に残したい技と味、これぞ熟鮓の最高峰

小泉武夫氏が執筆した1冊の書籍。
「発酵レストラン」がきっかけで、ここ徳山鮓へ伺いました。

書籍を読んでいたら、発酵の第一人者である小泉氏が「弟子」と認める方が、余呉町で発酵の専門店を開いたという内容があり、ならばと調べたらこちらの徳山鮓さんでした。

そんな思いつきで訪問したいなと思ったのが12月、たいていこうした願望は時と共に忘れるのが常なのですが、忘却よりも早く関西行きの機会があり、少し遠回りにはなるけれど”米原・余呉経由”で翌日に関西へ行くというルートで、翌月に”実現”です。


まずは恵比寿から東京駅へ。
旅支度とばかりに大丸やらグランスタをめぐり、駅弁と菓子を求めてから「のぞみ」ではなく「ひかり」のチケットを購入。
今回初めて知ったのですが「ひかり号」の中には米原を停車しないものもあるので注意が必要です。

さて、ゆられること2時間程度。
米原に着くとぱらぱらと雪が降ってきました。

1月中旬、真冬のど真ん中ですから不思議でないものの、このにくい演出が旅路を盛り上げてくれるわけです。

米原からは北へ向かう急行列車に乗換え、一路「余呉」へ。


米原を出発して数駅過ぎた頃から雪が激しさを増し、あたりは一面の銀世界。
ちょうど30分程度で目的地の余呉に到着。


ホームへ降りると、小さい”うさぎの雪だるま”があったので、そのまま目線を左に向けると子供たちが雪で遊んでいました。
そしてかなり大きな”カマクラ”を制作中・・・・やるな、子供達。


しんみりとした駅のホーム、この寂れた景観が「遠くへ来た」という感慨になり、雪景色以上に旅情を盛り上げてくれます。
駅員というよりはパートのお姉さんが17時まで駅にいるようですが、それ以後はどうやら無人駅に。
トラブル時対応の札書きには「IC改札機、IC入金機等が故障した場合、インターホンを押してください」長浜駅長より・・・。
つまり何かあったら「どこかの駅から駅員が駆けつける駅」という感じでしょうか、忍びなくて故障しても呼びにくいですが。


さてここで困ったことが発生。
実は事前に連絡しておくと、お店の方が迎えに来てくれるのですが、当初伝えた時間より1時間前に到着しました。
余呉に到着したら賤ヶ岳を見たり、余呉湖を見たり少し観光でもできるかな?!という甘い考えがあったので。

ところがこの想定外の雪。

パートのお姉さんに「すみません、この辺にカフェありますか?」と質問すると「歩いて15分くらい行けばありますが・・・」と。
さらに道順を説明し始めて頂いたのですが丁重にお礼を言ってこれをお断りし、さみしい駅舎で1時間待つことにしました。


この駅舎、広さでいうと畳8枚分くらいの小部屋でトイレは外にあり、ストーブも焚かれていないんです。
猛烈に寒く、暖を取るために自販機で温かいお茶を買っても5分ほどすると冷たくなるのであまり意味がない。

さらに困った事に「イーモバイルが繋がらない」です余呉駅は。
ネットをしていれば多少は寒さの事も頭から離れるし、何より少しは時間つぶしもできるだろうと思っていたのですが、甘かったですよ本当に。

60分経過してお店の方が見えた時には完全に芯まで冷えました。


お店へ到着すると想像していたよりはるかに小さい作りで、旅館というよりは民家。
その中の数部屋を宿泊客に提供している感じで、お風呂もトイレも共同です。

駅の周辺にはコンビニも銀行も、ホテルなども無かったので、おそらく夕食を希望するお客が食後に帰宅する手段がなくなってしまうという場合と、鏡湖と呼ばれるほどの美しい余呉湖を眺めながら朝食も楽しみたいというお客の要望を兼ねてのお部屋解放だと思います。

それゆえ宿泊としてのホスピタリティーはほとんどありませんから注意したほうがいいでしょう。
過去に90歳のおばあちゃんが運営する波照間島の民宿や、お寺の宿坊などで想定外の借宿にはなれているのですが、ここもかなりの想定外です。

お部屋はシンプルでテレビもラジオもなく、小さいテーブルと敷かれた布団だけ。
逆にこうなると「食べること」と「寝ること」「本を読むこと」この3つくらいしかやることがなくなりますので、食・寝・読に集中するには最高の環境かもしれません。


夕食は18時半からスタート。
それまでにお風呂を済ませ準備万端で食堂へ向かいました。


今回のお目当てはもちろん熟鮓と鮒鮓。
発酵のマエストロが推薦する一番弟子の料理をいよいよ食せるわけです。


■1品目は「にしんの麹漬け」
やや塩気があるので、写真のように少しだけ頂くもの。
これから始まる発酵懐石の軍太鼓が鳴らされました!美味しいです。


■2品目は鯖の熟鮓なんですが、一緒に添えられているのはカチョカヴァッロのチーズとトマトベースの酸味あるソース。
一見「発酵+発酵」さらに酸っぱいソース?!合わないような・・・と思いますが、これが最高に旨い!
いきなり2品目で徳山鮓のスペシャリテ登場です。

あまりの美味しさに笑ってしまいましたよ。
熟鮓とチーズがこれほど相性よいとは。

オーナーの徳山氏からお話があり、この1皿を作るのに3年かかったそうです。
いやはや「余呉まで遠いとか、1時間雪の中待ったとか」そんな軽口を閉口せざるを得ないこの1皿にこめられた魂の料理、感無量です。


■3品目は鯉の洗い。
こりっこりで歯ごたえのあるお刺身で、徳山氏曰く「本当に良質の鯉が手に入った時にしか出せない」とおっしゃっております。
たしかに、私が今まで食した鯉の料理は”鯉こく”など煮込み系の料理が多く、こうしたお造り系は初めてです。
見た目は鯛のお造りにやや赤みが差し込んだ印象なのですが、食感や味はまったく別物。
鯉は通年利用している料亭などがあるそうですが、その中でも特に美味しい時期というものを把握していらっしゃるようですね。
徳山氏の食材に対するこだわりが、こんなシンプルな1皿にも浸透しているのです。


■4品目はご当地名産ワカサギの天ぷら。
車で送迎して頂く時、吹雪の中、余呉湖でワカサギ釣をする方が大勢いました。
3センチ~4センチくらいのワカサギをさっと油を通しただけです。
油で揚げすぎていない為に”中のほどよいやわらかさ”が残り、かといって魚の臭みや癖なども油で一切飛んでいるこれまた素晴らしい匠の料理です。


非常に繊細で、独創的。
どの料理にもシンプルながら考え抜かれた技が見え隠れし、後半さらに期待が膨らみます。

外を眺めれば先程まで吹雪いていた雪がぴたりとやみ、余呉湖はその名のとおり鏡のような美しい「鏡湖」に変化。
風速0メートルの静寂と、ストーブの音だけが響くテーブルで、和の伝統とも言える熟鮓の最高峰を頂くという大変贅沢な夕食になっております。


■5品目は猪。
脂の多い部位から脂の全くない部位まで4種類のお肉が皿の中に盛られており、これに林檎と裏山で採れたという山椒の実が添えられています。
”塩度”が足りない場合には、皿の手前に添えられている塩か味噌を付けるようです。
特に山椒の風味が脂の”こってり感”を全部もって行ってくれますし、りんごの酸味は淡味すぎる脂身無しの肉と実に合います。
うちは海だけじゃなく山も料理するよ!という意気込みが伝わってくる気迫の1皿。
冬は多くの和食屋さんで猪料理は提供していますが、過去に頂いた猪料理にもう1ひねり加え、次元の違いを見せつけられた猪料理という感想。


■6皿目は鮒寿司。
そう今回の目的その2にあたります。
お腹にたっぷりの卵を抱えており、この2切れで十分高タンパク。
この鮒寿司を見ていたら、急にお酒が飲みたくなって熱燗をお願いしました、実に日本酒と合います。
思っていたほど癖はなく、おそらく極薄の2枚だけだったからかもしれませんが、個人的には大好物の範疇に入る味です。
普段晩酌はしませんが、こんな珍味があれば、自宅でちびちびやりたくなるかも。


■7皿目は「お新香」?!と思ったら、からすみでした。
でもただのカラスミじゃありませんよ、自家製発酵カラスミと、その天ぷらなわけです。
通常のカラスミと比べると色が薄く、発酵の過程でこうなったのだろうと思われますが、実に深い味わい。
からすみだけでも十分に美味しいところへ、徳山氏秘伝の発酵技術が加わると、からすみもこんなに変化するんだなぁ、、、と関心させられました。
もはや芸術的な作品です。


■8皿目はモロコのうに味噌のせ。
高級魚モロコをまぁなんと贅沢にもウニとあわせちゃうなんて。
甘煮のモロコとウニのほのかな苦味がバランスとれていて、見た目も実に美しい。
一見、少し大ぶりのワカサギかな?と思いましたが、全然違いましたね。


■9皿目はいよいよメインの熊鍋。
脂がたっぷりのった熊肉のしゃぶしゃぶであります。
まずは大きなすっぽんの形をした土鍋が運ばれ、そこには天然のなめこが2つ。
濃口の味付け汁にネギを入れ、お肉を入れて頂くのですが、この汁を1/3程残すのがポイントのようです。
なぜかというと、後で雑炊にするらしいので。

熊肉をいれると汁に脂が移り、これが雑炊には抜群の”ダシ”になるとのことでした。
考えられていますね全てが。
そもそも熊の肉は猪そっくりで油っぽく、少量頂けばよいものなので、写真のように数枚で十分。

そして、雑炊登場。
先ほどの脂が確かにご飯と相性バッチリ、卵が溶いてあり冬場には最高の雑炊でしょう。


さて、ここまででかなりお腹一杯で〆も終わったし・・・と思って腰を上げてはいけませんよ。
個人的にはどのお店でもコース料理の場合、最後の菓子でその真価が問われると思っています。

メインの料理に重きを置き、最後の菓子にあまり力を入れていないお店の場合、出来合いの菓子が提供されたり、またはシンプルにわらび餅や餅菓子だけという事がよくあるのですが、ここは徳山鮓。
どんな菓子が出てくるのかと期待していましたが、想像を超えたものとなりました。

まず写真にあるように、見た目はバター?!チーズ?!豆腐のアイスクリーム?!
いえいえ、これは熟鮓を作る過程で出てくる「飯=いひ」というものを使ったアイスクリームらしく、まさに最後のデザートまで発酵食品しています。

そこにブルーベリーソースがかけられており、口当たりはクリームチーズで、口の中でアイスになり、後味は熟鮓の風味という究極の変化を見せる絶品菓子です。


全体を通じて極めてレベルが高く、評価が絶対数値で5点以上つけられるなら、「料理」という項目に7点~8点くらいつけたいくらいです。

翌朝の朝食も品数が多く、それでいて低カロリー高タンパクは嬉しい限り。
朝も徳山氏と色々お話を聞かせていただき、氏がお勧めする京都や大阪、都内の名店を教えていただきました。


出発は1時間に1本だけの米原方面へ列車を逃してはと、8:50にはご主人自らが車で駅まで送って頂き、まるで小説の中のような銀世界から、月曜日の現世界へ戻ってまいりました。

  • 雪の中に佇むお店は、隠れ家を飛び越して秘境の店

  • にしんの麹漬け。これから始まる食事への軍太鼓

  • 2品目でいきなりスペシャリテ。熟鮓とカチョカヴァロのチーズが極めて相性抜群

  • 鯉の洗い。鮮度よく、歯ごたえコリコリ。最高の品が入手できた時にだけ提供するようです。

  • 余呉湖で獲れたワカサギの天ぷら

  • 猪肉4種の盛り合わせ。林檎と山椒の実が、油っぽい肉のこってり感を抜いてくれます

  • 鮒寿司。卵をたっぷりと抱えており、高タンパク栄養抜群。癖はほとんどありません

  • ここで熱燗を注文、日本酒がとっても合う料理達

  • 自家製からすみの熟。そう徳山鮓ではカラスミさえ発酵させます。手前は天ぷら

  • モロコとウニ味噌のせ。甘煮のモロコとほんのりと苦いうにが絶妙なバランスです

  • 熊のしゃぶしゃぶ用のネギ

  • 写真手前に2つ浮いているのが天然のなめこ

  • こちらが熊肉。脂身が特徴とはいえ、すごい脂だ!

  • お湯にさっと通すだけでご覧のような色合いに変化。美味しそうではありませんか!

  • 脂が卵とご飯に絡んで絶品の雑炊

  • 「飯=いひ」という熟鮓を作る過程で出たものをアイスクリームにしたもの。チーズより美味しく、アイスより美味しい。

  • 朝食もかなり豪華ながら、低カロリー高タンパク

  • 翌朝食の1品

  • 翌朝食の1品

  • 翌朝食の1品

  • 翌朝食の1品

  • 翌朝食の1品

  • 翌朝食の1品

  • 翌朝食の1品

  • 翌朝食の1品

  • 翌朝食の1品

  • 翌朝食の1品

  • 翌朝食の1品

  • 翌朝食の1品

  • 翌朝食の1品

  • 食後のコーヒー

  • ストーブは飾りじゃなく実際に暖をとれます

  • 見てくださいこの雪

  • 翌朝は見事な快晴

  • 銀世界から現世界へ、旅の終わり

  • ホームに積もった雪で子供たちが雪だるまを作っていました。なんとも愛くるしい

  • 余呉駅の駅舎内。畳8枚分の狭い空間で1時間時間つぶし

  • 到着後、駅舎で1時間の待機、ただ暖房がついていない・・・・

  • 17時以降は無人駅にかわります。

  • ネットにつなごうとしたら、イーモバイルが通じてない!

  • 人生初となる余呉駅下車

2019/01/16 更新

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