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2位
3回
2021/05訪問 2021/05/10
今日は温かいを通り越して暑いです。
今年一番の暑さになるようです。
そんな日は、喉越しの良いそばをたぐるのにピッタリです。
仕事が早く終わったので、初石に向かいます。
そう、流山すず季さんです。
昨年の大晦日に年越しそばをお願いしてからずいぶんと間が空いてしまいました。
久しぶりにも関わらず、女将さんが笑顔で迎えてくれるのは嬉しいですね。
今日は〈今昔そば〉と決めていました。
お願いすると〈生粉ざる〉は売り切れだとか。
〈今昔そば〉を頼めるラストだったようでラッキーです。
はじめは〈生粉ざる〉
手前のそば猪口に薬味を入れて、そばをたぐります。
やっぱり美味いですね。
続いて〈田舎ざる〉
向こう側のそば猪口を手前によせて、薬味とそばをいただきます。
鼻へ抜ける風味はサイコーです。
ご馳走さまでした。
運良く日曜日の晩に予約が取れたので『流山すず季』さんへ
予約の時に〈おまかせで酒菜七種盛り合せ〉も頼んでおいた。
『流山すず季』さんの魅力は蕎麦の美味さもさることながら本格的な蕎麦屋酒が楽しめることにある。
〈蕎麦味噌〉
〈湯葉〉
〈海老芋の蟹餡かけ蕎麦の実添え〉
〈きのこと地元ほうれん草のお浸し〉
〈むかごと銀杏〉
〈穴子の風干し〉
〈自家製鴨ロース〉
最初の日本酒はお気に入りの〈山形正宗〉から
他にも蕎麦屋酒に合う地酒が用意されていて嬉しい。
どれも美味しく酒とともに楽しんだが、〈自家製鴨ロース〉は安定の美味さだ。
良い鴨が入手できないとメニューに載らないこともあるので巡り合えたのはある意味幸運。
蕎麦屋酒を堪能した後は〆の蕎麦。
〈蕎麦三昧コース〉をいただく。
まず、〈生粉打ち十割そば〉
丸抜きなので蕎麦の旨みを十二分に堪能できる逸品である。
玄蕎麦は、群馬、福井、北海道のブレンドということだ。
今年は天候不順の為に壊滅的な打撃を受けた生産者もいるという。
生産者も自然が相手なのでご苦労が多いと思う。
自然の恵みをいただいていることに改めて感謝したい。
〈牡蠣南ばん〉
松島産の牡蠣は小粒だが旨みが濃縮されて美味。
透明感の甘汁は奥行きが深く滋味深い味がする。
〈田舎そば〉
茨城産の在来種に近い品種を手刈り天日干ししたものを鈴木さんが手挽きした田舎そば。
添えられた辛み大根を少しだけつけていただくと蕎麦の香りが鮮烈になる。
今日もすっかり堪能させていただいた。
美味いだけでなく、鈴木さんの愛情が込められて、その人柄が感じられることが素晴らしい。
帰りには〈年越しそば〉の予約をした。
今年もまたお節作りの後で真剣勝負で蕎麦を茹でる。
少し気が早いが『流山すず季』さんのお陰で良い年が迎えられることだろう。
==2015. 5.12訪問==
平日限定 おまかせ会席
今度の日曜は、結婚記念日なので一足早く妻とお祝いです。
行きつけの更科すず季で平日限定のおまかせ会席を楽しみました。
献立は
・胡麻豆腐
・盛り込み料理
秋田の蓴菜、焼き味噌、沖縄の枝豆、新生姜の甘酢漬け、蕎麦寿司(玉子焼、穴子、胡瓜)
鴨ロース、鱚の風干し、にしん旨煮、蛍烏賊の沖漬け風
・あさり酒蒸し
・鮎の一夜干し 丸十のレモン煮添え
・鱧と海老の真薯と夏野菜のお椀
・天ぷら
鱚の梅紫蘇巻き
谷中生姜の肉巻き
・そば
・デザート
そばがき善哉アイス添え
どの料理も美味しいのはもちろん御主人の料理への哲学、愛情が具現化されたものに感じました。
先日、御主人とつゆの話をしましたが、納得のいく醤油を何種類もブレンドし蕎麦にあわせてかえしを作っていくとお聞きしました。その思いは、酢加減、塩加減にも表れており、良い素材を良い調味料で作られているのがわかります。
また、献立も普段私たちが食べているものを抜いて、私たちの好みをイメージして創作されたようです。
食事の後、御主人としばし対話
納得のいく蕎麦を探して巡り合えた蕎麦を簡単にはわけてもらえず、農家から畑を借りて蕎麦栽培をはじめ何年もかけて信用を得て、最上級の手刈り、天日干しの蕎麦を名人と言われる蕎麦農家からわけてもらえるようになった話を直に聞きました。
「蕎麦農家から預かった蕎麦をお客様から預かったお金で循環させる役目」と御主人。
よくウィンウィンの関係とか三方良しとか言いますが、そのような中にいる私自身の幸せを感じた夜でした。
※点数は満点をつけたいところですが、まだまだ進化する伸び代を考慮して、敢えて下げております。
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たたずまいは、普通の街の蕎麦店です。
しかし、その料理のレベルん高さは名店に引けを取りません。
蕎麦は、ぬき実を石臼製粉した十割蕎麦の生粉そばと玄蕎麦を手挽きした田舎そばの2種類。
それぞれつゆを変えて、提供されます。
どちらも風味、味、食感ともに優れたバランスで蕎麦の美味さを引き出すようにこしらえています。
濃い目の辛口には、蕎麦にちょっとだけつけて
余ったつゆは、濃い目のつゆにあわせた蕎麦湯で頂きます。
また、天ぷらや酒肴のレベルも高いです。
天ぷらはサクッとしており、天ぷら専門店の天ぷらといってもよいくらいです。
天だねも海老は身が柔らかくて味が濃いサイマキ海老、穴子は活〆のメソを使用しています。
大きさよりも味の良さを好んだ江戸の伝統を感じます。
天ぷらは、専用の天つゆかローズソルトで頂きます。
ローズソルトは、南米ボリビア産です。美味いものは取り入れる。温故知新ですね(^^)
このローズソルト。もちもちの食感と蕎麦の香りが楽しめるこちらのそばがきとも相性抜群だと思うのです。
山葵醤油で頂くよりも私は好き♡
また、ポンシュ好きには嬉しい地酒が置いてあります。
メニューに載っている田酒、宝剣などの他に今人気の獺祭や取扱店が限られている山形正宗辛口純米も仕入れてあったりします。
肴には、ふっくら炊いたにしんの旨煮、焼味噌、美しくふわふわの出汁巻玉子(夜のみ)など本格的な蕎麦屋酒が楽しめるのポイントをあげています。
3位
2回
2016/03訪問 2017/01/07
炭焼 うな富士 ~名古屋鰻福ツアー Chapter1 ~ | うなぎ大好き
大好きなアーティストのツアーファイナルに参戦するために夜行バスで名古屋へやって来たうなぎ好き夫婦。
ライブ鑑賞だけなら昼頃の東京発新幹線に乗れば間に合うのだが、名古屋といえば名古屋メシ。名古屋メシといえばうなぎとなってしまうのがうなぎ好きの性。
そういう訳で早朝、名古屋駅近くのバスターミナルへ着いて、名古屋モーニングをしながらうなぎ屋さんの開店時間を待つ。
名古屋うなぎとひと口に言ってもお店によって美味しさはさまざまなのだ。名古屋うなぎ初体験のカミさんが効率よく名古屋うなぎを堪能できる店を選んで巡るのだ。
まず、1店目は昭和区の山王通り沿いにある『うな富士』さん。
行列必至の店なので開店の1時間ほど前の9:45に店の前に到着する。すぐ後から4,5名の方たちが着いたので、タッチの差での1番乗りだ。
『うな富士』さんは、冬場の寒い季節は店前にテントを出して、少しでも待つ人が暖をとれるように配慮している。
温かいお茶のサービスもあるので有り難い。
旧知の水野尚樹会長、柴田哲滝社長が店が出てこられたのでご挨拶。
柴田社長が「お待たせして申し訳ありません。」名古屋メシの本を貸してくださった。
うなぎ好きは、待つのも楽しみのひとつなのである。美味しい鰻を想像しているだけでワクワクするものだ。
お借りた名古屋メシの本を見ると何度か名古屋へきているが、モーニングの他には鰻しか食べていないことに気が付く(^^ゞ
一冊には、「ひつまぶし」がごちそう名古屋メシのカテゴリーに入っていて妙に納得する(笑)
開店30分前を過ぎると続々とお客が集まり始めテントの中は満員なり、テントの外に行列が出来始める。
開店10分前に受付が始まり、並んだ順番に名前と人数を申告。全く混乱がないのが不思議な光景。
1番乗りなので最初に名前を呼ばれて店内へ。
ビールで喉を潤します。
そのお供には「うなぎの枕」 『うな富士』オリジナルのうなぎのかまぼこ。
噛むとうなぎの香りが口の中に広がり、そこにビールを流し込む。至福です!
酢っぱさ加減が絶妙の「うざく」甘いタレをまとった蒲焼のコントラストと言ったら…
名古屋のうざくはデラウマ!
さあ、お待ちかねの「肝入りうなぎ丼」はちょびっとかっこええロックにのって登場や~
http://unagi-daisuki.com/wp-content/uploads/2016/03/unafuji01.mp4肉厚の地焼きうなぎの上に黒光りした肝焼きがのってインパクト抜群!
外はカリッと中はフワッとした食感は名古屋のうなぎならではのもの!
噛めばジューシーなうなぎの脂!口の中はうなぎワールド満開。
名古屋流は濃厚甘めのタレが多いが『うな富士』さんは、うなぎの味もしっかり感じられる絶妙さ。
ご飯を食べ進めば、もう一切れうな様がいらしゃり、こちらはご飯で蒸されてフワトロ。
コクのある肝焼きもあり、ひと丼で3度もどえらりゃ~うみゃ~「肝入りうなぎ丼」
続いて「ひつまぶし」の登場
http://unagi-daisuki.com/wp-content/uploads/2016/03/unafuji02.mp4おひつにギッシリ敷き詰められたうな様は壮観でさえある。
蓋をとるとうなぎとその下に敷かれた刻み海苔の香りが混然一体となって、江戸の花巻そばを彷彿させる。
差し詰め「花巻うなぎ」といえばよいのだろうか?
セオリー通りに1杯目はそのままいただく。
予想通りにうなぎと海苔の香りは相性が良いのだと感じる。
うなぎというと川魚の印象が強いが、遠くの海から長い旅をしてきた魚ということを思い起こさずにはいられない。
2杯目は、山葵と刻みネギをのせて
3杯目は、お出汁をかけて
どの食べ方も美味しいけれど、自分はそのまま食べるのが口にあっていたので残りはそのままガッツリいってしまった。
カミさんは、地焼きのジューシーさに驚き、うなぎの脂に旨味を感じたと喜んでいた。
スタッフの気配りも気持ちよく、名古屋うなぎ1軒目を鰻喫して、大鰻足でした!
水野会長、柴田社長はじめ『うな富士』の皆さん、ご馳走様でしたm(__)m
2015年は、これまで2度、名古屋へ行っている。
1度目は、成人の日の3連休の日曜日。この日は、夕方から栄のライブハウスで行われる音楽ライブが目的だった。
昼は名古屋の鰻を食べようと軽い気持ちが間違いだった。
以前から「うなぎ大好き」でリンクを貼らせてもらっている『うな豊』さんも食べログ・名古屋うなぎランキング1位の『うな富士』さんも長蛇の列。とても開演時間に間に合いそうになかったので断念(>_<)
7月は、海の日連休あとの火曜日に。
『うな富士』さんは第3火曜日で休み。『うな豊』さんは、前日祝日営業の振り替えで休み。
今年中に名古屋で行きたかったうなぎ屋さんへ0泊2日の弾丸ツアーを急遽決行した!
午前中は仕事をして、午後の新幹線へ飛び乗り、一路名古屋へ。
まず、1軒目は名古屋駅で中央線に乗り換え、鶴舞駅から徒歩10分ほどの『うな富士』さんへ行く。
着いたのは、ディナータイム開店30分前。
先客は誰もいない。1番乗りである。
正月は、ここにたくさんの人がいて断念したのを思い出す。名古屋人の鰻愛を思い知ったのだった。
開店10分前に名前を告げて、開店時間の17:00に入店。
開店前は3組待ちだったのだが、開店するとぞくぞくとお客さんが入ってきて、あっという間に8割方の席が埋まってしまう。
自分は、開店前に店頭に置いてあったお品書きで「肝入りうなぎ丼」と決めていたので、早速注文する。
うなぎ好き仲間にLINEで『うな富士』さんの写真を送ると
「水野会長、柴田店長によろしくお伝えください。」とメッセージが入る。
iPhoneを持って、ご挨拶に行き、名刺交換をさせていただく。
蒲焼、白焼と蒲鉾のコラボである「うなぎの枕」は登録商標のようだ。
お酒、ビールのおつまみに!!でら旨! とメニューにあるが、正にその通りで、でら旨だ!酒がほしくなる(^^ゞ
「うなぎの佃煮」は自家製の新商品ということだ。
味がしっかり染みていて、これもでら旨!添えてある山葵をちょっと付ければ、完全に酒のアテだ。
他のグループで来ているお客さんは、新鮮魚介類てんこ盛りの「うな富士盛り」を頼んでいる。
小食なグループなら「うな富士盛り」で飲んだ後は、「うなぎ丼」は入るまい。
そんな時に「うなぎの佃煮」のお茶漬けは、ヒットの裏メニューになる予感がする。
さあ、お待ちかねの「肝入りうなぎ丼」の登場だ!
恒例?の#うなパカ動画で
すごいボリュームだ!
名古屋で肝焼きを食べるのは『あつた蓬莱軒本店』に続いて2軒目だ。
こちらの肝焼きは、ワイルドかつ繊細な印象だ。
タレのまとわりが半端なく、すごく香ばしい。中はプリプリジューシーだ。
「うなぎ丼」に+500円なのだから、絶対にお勧めの品だ!
食べ進むと、中にも鰻様がいらっしゃる。
ご飯の上の名古屋の鰻様はカリフワジュシー、ご飯の中の鰻様はフワトロ。1丼で2度美味しい!
いや「肝入りうなぎ丼」は3度美味しいのだ!
大鰻福で大鰻足\(^o^)/
美味しかったお礼を言いに水野会長と柴田店長の元を行くとお忙しい中、手を止めてしばしうなぎ談議にお付き合いしてくださった。
帰り際には、一緒に写真も撮っていただいた。
私の鰻面の笑みからも美味しさが伝わるのではないだろうか?!
水野会長、柴田店長、ご馳走様でした!
また、名古屋に行きたくなってしまう!
4位
4回
2020/12訪問 2020/12/10
今日は埼玉県所沢市『うなぎ屋酒坊・画荘越後屋』へやってきました。
2020年11月30日放送の関西テレビ系「所JAPAN」で
セクシーワイルドと紹介された店主・島崎剛さんから
新作うなぎコースが出来たというのでお邪魔しました。
うなぎ出汁かぶのスープ
かぶの甘みに鼻へ抜けるうなぎの香り。
そこにスモークサーモンの塩気が加わり
凛とした冬の夜空を思わせるひと品です。
うなぎの煮凝り・オフィーリア風
うなぎの骨せんべい
店主・島崎さんがミレーの絵画「オフィーリア」からインスピレーションを得て、創作した〈うなぎの煮凝り〉は、目でも舌でも楽しめます。
山椒などスパイスを効かせた〈骨せんべい〉は唯一無二。
アーモンド、ピスタチオなどナッツも添えて、お隣にはオン・ザ・ロックが似合いそうです。
うなぎの白バラサラダ
肝焼き、尾ビレ焦し焼き
うなぎの命を余すところなく使うポリシーがあらわれた一皿。
うなぎの中骨についたバラ身の部分をサラダ仕立てに。
ビタミンCの含有量は野菜の中でもトップクラスといわれる「ロマネスコ」が添えれています。
うなぎに唯一足りない栄養素・ビタミンCを摂ってもらうようにとの心遣いですね。
うなぎ串焼きの定番〈肝焼き〉
〈尾ビレ焦し焼き〉は、尾ビレにたっぷり含んだコラーゲンの旨みを引き出すために敢えて焦げる寸前まで焼いています。
ここにもビタミンCなどの機能性成分が高濃度で含まれている「アメーラトマト」が添えられています。
うなぎの柳川風
柳川鍋といえば、、どじょうを使った江戸生まれの鍋料理ですが、うなぎを使っても美味しんです。
うなぎと玉子は最高の相性。そこに精の付く野菜のごぼうが入れば免疫力UP間違いなし!
カウンター前の火鉢にうなぎが置かれました。
香りがだんだん美味しくなっていきます!
焦げる寸前まで火を入れることで旨みが濃縮するんです。
越後屋特等席、最幸!
うなぎの白焼き・雪塩仕立て
越後屋の白焼き・冬バージョンは、雪に見立てた「宮古島の雪塩」をふって
晩秋から初冬にかけて美味しくなる産地のいくらを添えていただきます。
この白焼きを食べて、うなぎが好きになった人もいるんですよ。
越後屋特製うな重
越後屋のスペシャリテ〈うな重セット〉です。
手前が蒸しの入った関東風
向こう側が蒸さずに地焼きで仕上げた関西風
関東風は、正にふわっととろける美味しさです。
関西風は、焼き強めで美味しさ凝縮。
日本の東西の美味しさを詰め込んだうなぎワールドいただきました。
喜色鰻面 ご馳走さまでした。
うなぎの命を人間のパワーに変えるポリシーのもと
島崎さんの技と愛を感じるコースでした。
感謝いっぱいです!
うなぎ大好きチャンネル
うなぎ屋酒坊・画荘越後屋 新作うなぎコース
11月は、所沢・小手指『うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋』の創業月である。
去年はお祝いに行けなかったので、今年こそは!という訳である。
予約の電話をすると3年ぶりに熊野古道の天然うなぎが入っているというではないか!?
そこでアイディアがひらめき、お祝いには、己書を描くことにした。
管理人は、昨年12月に日本己書道場・道場師範に認定されて己書まんぷく道場を開設したからだ。
往年の時代劇ファンなら知っていると思うが、越後屋といえば、お代官さまへ賄賂を渡すシーンの台詞である「山吹色の菓子にございます」を思い浮かべるだろう。その台詞に黄金色に輝く天然うなぎをかけて「山吹色の鰻にございます」と文字を入れてみた。
賄賂をもらったお代官さまは、にやついて「越後屋!そちも悪よのう」と返すので、受け狙いで店主・島崎さんの似顔絵に入れてみた。
反応は如何に?
喜んで受け取っていただいた!
さて、熊野古道の天然うなぎのほうはどうだろう?
お出ましになったのは、重さ1.4㎏ 体長1mあろうかとういわゆる「ボッカ」である。
「ボッカ」とは、江戸の昔から片腕ほどもある大きな鰻を云う。大鰻が細長い棒状の杭を指す棒杭、木杭(ぼっくい)に似ているところからの呼び名であろう。今は1Kg以上の大きな鰻のことを指す。天然のボッカは、利根川の下り鰻が有名であるが、近年お目にかかるのは稀になってしまった。
なので、見ただけでテンションうなぎ昇りなのはいうまでもない。
島崎さんの裂きの技をご覧いただこう。
裂いた鰻がオスだったことに少しばかりホッとっする。
〈ヒレ巻〉と〈カブト〉が炭火の上にのる。
続いて〈白焼〉も炭の上に
身が膨らみ、天然独特の香りが漂い、期待も膨らませる。
越後屋一流の華やかに盛り付けられた〈白焼、ヒレ巻、カブト焼〉
〈白焼〉というよりも〈鰻のステーキ〉といった方がしっくりくる逸品である。
口の中にジュワーッと広がる感覚は、脂質とタンパク質が絶妙なバランスで出逢うと美味い!と感じるのだと思い知る。
こいつは、何といっても皮が美味い!
皮の下に熊野川の恵みを存分に蓄えている。
〈ヒレ巻〉
皮が美味いのだからヒレも美味いに決まっているのだが、尾ヒレそのものにこんなに旨みを感じるのは初めての体験だ。
超レアであろう〈鰻のほほ肉〉
これだけ大きくなるまでにたくさん自然の幸を食べるために活躍した頬の肉は、これまた旨みの宝庫だった。
はしたないのを承知でカブトをしゃぶりつくしてしまった(^^;)
〈天然うな重セット〉が到着!
ここでうなぎ大好きドットコムお馴染みの「うな重パッカ-ン」の入った動画をご覧いただきたい。
https://youtu.be/j3lSHKm8JpM
越後屋のタレが薄く感じるのは、鰻自体の旨みが強いせいだろうか?
かといってタレが鰻に負けているなどということはなく、タレと鰻の旨みがハーモニーを奏でているようだ。
〈肝吸い〉に脂が浮いているのが、写真からわかるだろうか?
普段の肝吸いにはない旨みがあり、それでいてしつこくないところが素晴らしい。
今回の「熊野古道の天然うなぎ」は、うなぎ食い歴50年の自分の中でも最高の鰻だった。
それを最高の裂き、焼きの技術で振舞ってくれた島崎さんに心から感謝したい。
今回の「熊野古道の天然うなぎ」は、うなぎ食い歴50年の自分の中でも最高の鰻だった。
それを最高の裂き、焼きの技術で振舞ってくれた島崎さんに心から感謝したい。
今回、島崎さんの技を間近で見ていて、天然うなぎを扱っているからこそ磨かれた技のような気がしてならない。
鰻業界では、資源不足とともに職人不足が問題になっている。
鰻という日本伝統的食文化を思うと非常に悩ましい問題である。
そんなことを考えていると、島崎さんから仕入れた天然うなぎの一定量は放流していて、いずれ資源保護のために天然うなぎ放流のNPO法人を立ち上げたいとという話を聞いた。大いに賛同し、自然の恵みに感謝してこの項を閉じたい。
このようなサイトをしていると
「何処のうなぎ屋さんが美味しいですか?」という質問をよくいただく。
しかし、この質問に答えるのは非常に難しい。
私が美味しいと感じるものが、質問をした方が同じように美味しいと感じるとは限らないからである。
質問した方がガッカリしないようにその方の好みを踏まえて、ここならお気に召すかな、というお店を紹介することになる。
それでもガッカリさせてしまうこともあるので、とても悩ましい。
お気に入りの店に連れて行ってほしいというご要望があり、お連れすることになった。
老舗らしい老舗か、鰻を裂くところからのパフォーマンスが見られるお店とどちらが良いか、お聞きすると後者とおっしゃるので所沢・小手指『うなぎ酒坊・画荘越後屋』さんへお連れすることにした。
カウンター席を予めお願いしておいたので、お連れした方が鰻を裂く様子が見られる席へ案内する。
まず、〈鰻の骨せんべいとミックスナッツ〉に〈鰻煮凝り〉から
続いて〈鰻の白ばらサラダ〉と〈お造りの盛り合わせ〉
店主の島崎さんが、立て場の桶から活鰻を掴んで、まな板の上へ乗せる。
この日、用意してくださったのは『筑紫金うなぎ』、鹿児島・薩摩川内市『五光』、『泰正オーガニック鰻』の3種類の活鰻。
それぞれの特徴を説明しながら見事に裂いていく。
そして、串打ち。
串打ち三年、裂き八年といわれる技を間近で見れれる。
見せることは、魅せられるに繋がる。
今、裂いたばかりのヒレと肝が串焼きになって登場。
〈白焼〉も綺麗に盛り付けられて魅せられる。
添えられているのは〈鰻かぶとの焦し焼〉
鰻かぶとを炭化寸前まで焼き、骨まで食べられるマニアックな常連の裏メニューである。
〆は〈うな重〉だが、関西風地焼きと蒸しの入った関東風を両方味わえる〈東西重〉
関東風はオーソドックスに関西風地焼きは焦し焼きにしてもらう。
自分はその店の味を楽しむのが基本だが、島崎さんのように客の好みを忖度してくれるのも有難く嬉しいものだ。
皮目にもしっかり焼きが入り、苦味が出ずに旨味を引き出す焼きの技法。
デザートに鰻だけでは補えないビタミンCたっぷりの苺をいただいて、今日も鰻喫させていただいた。
お連れした方にも「料理が出来上がるまでの時間を素敵に演出してくれた」というお言葉をいただいた。
鰻足していただけたようでこちらも嬉しい。
カウンターには【THETABELOGAWARD2017】BRONZEの盾が飾ってある。
越後屋の料理は、奇をてらったものでなない。
店主自身が納得のいく素材を使う。
調理の過程を見せる。
盛り付けを華やかにする。
客とのコミュニケーションを大切にする。
老舗の礼を尽くしたもてなしとはひと味違ったもてなしの形がある。
うなぎ大好きAWARDなるものがあれば、GOLDを贈りたい店のひとつである。
==2016年10月30日訪問==
「泰正オーガニック鰻と天然鰻」
間際になってしまったので予約がいっぱいで断られることを覚悟で『うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋』の店主・島崎さんに連絡すると、運よく席が空いているということだった。
横山さんにも島崎さんにもうなぎ断ちの最中は、心配していただいたので、予約が出来てラッキーだ!
この日、用意されていた活鰻は、お目当ての泰正オーガニック鰻、熊野古道、熊野川上流の天然下り鰻、岡山県児島湾の天然鰻。
『うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋』で運良くカウンター席に座れるとこうして割く前の活鰻を見せてもらえることがある。
当たり前のことだが、同じ鰻といっても顔貌は1尾、1尾によって全く違う。
調理すれば、味わいの違いにも通じる。
自分の口に合う、好みに合うはあるが、簡単に味の優劣は付けられるものではない。
食べるというのは、命をいただく行為だからだ。
感謝していただく。それに尽きると思う。
活鰻を見せてもらうことで、自分はさらに感謝の念を強くする。
それを理解して、調理してくれる島崎さんに出会えたことも喜びだ。
お料理は、「鰻の煮凝り」、ナッツやドライフルーツと一緒に盛られた「骨せんべい」から。
はじめて伺ったカミさんは骨せんべいのスパイシーな味に興味津々の様子。
島崎さんに「何が入っているんですか?」と聞いている(^^ゞ
泰正オーガニック鰻のカブトを串に刺して焼いてもらう。
他の料理は基本的にお任せなのだが、カブト焼きだけは必ずお願いする。
『うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋』では、マニアックなうなぎ好きには炭化するぎりぎりまで強めに焼く焦し焼きをしてくれる。
突っ込んで焼くことで微かな苦みが出る。その苦みが甘みや旨味をさらに引き出し、複雑な美味さになるのだ!
今日、使用する備長炭の原料はウバメガシで紀州備長炭の中でも高級品ということである。
楽しみが増す^^
カブト焼きが焼きあがるのを待つ間に
『うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋』特製の「白ばらサラダ」をいただく。
”白ばら”は、鰻の一番太い骨の周りの白身の部分で蒲焼などに使うときは割くときに落としてしまう部分だ。
うなぎ串焼き店などでは「白ばら串」として使うこともあるが、『うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋』はサラダに使う。
鰻1尾を粗末にしない調理法のひとつだ。
うなぎ串焼きの到着。
先ほどの泰正オーガニック鰻のカブト焼き
鰻の頭はとても硬く、骨も多い。圧力釜など蒸して下拵えをするのが一般的だ。
しかし、『うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋』では炭火の力と焼きの技で丸ごと食べられる状態に仕上げる。
「尾びれ焼き」
尾びれは鰻が泳ぐときに最も動かす部位。
鰻のエネルギーが詰まってると思う。
通常は捨ててしまうところだが、美味しく仕上げている。
泰正オーガニック鰻の「肝焼き」
肝が美味いのは、健康な鰻の証明でもある。
泰正オーガニック鰻の「白焼」
振ってある塩は癖のない海水塩だそうだ。
塩のついた部分と塩のない部分を食べ比べると味わいが違う気がする。
塩のない部分は鰻の旨味だけがストレートに感じる気がする。
塩のついた部分は、海水のミネラルを含んでいるので、海のミネラルが隠し味としてはたらき、複雑な旨味が加わるのかもしれない。
そう、島崎さんに伝えると、しばし塩談議になってしまった(^^ゞ
すると、先ほど見せてもらった岡山産の天然鰻を白焼にしてくれるという。
その前に口の中をリセットするためにだしてくれたのは北海道・厚岸産の「生牡蠣」
「カキえもん」というブランド牡蠣だそうだ。
旨味とコクがあり、牡蠣は「海のミルク」というが濃厚ミルクであった(≧▽≦)
岡山・児島湾の天然鰻の「白焼」
先ほどの塩談義を踏まえて、後から塩、山葵をつけるように盛り付けてくれた。
何もつけずに食べても複雑な旨味を感じる。
泰正オーガニック鰻を育てている養鰻家・横山さんの話によれば、出荷前の寒暖の差で養鰻池の温度管理にとても苦労したそうだ。
しかし、天然鰻は自然の中で育っているのだから温度管理などできる訳がない。
餌も養鰻家がこだわって与える飼料と自然の中で捕食する違いがある。
美味い、不味いを越えた違いがあるのは当然なのだろう。
敢えて、他に例えを求めるならば、温泉の泉質かもしれない。
無色透明の単純泉と硫黄分を豊富に含んだ泉質の違いのような気がする。
島崎さんの料理やトークを楽しんでいるうちに2時間以上の時が経っていた。
さあ、〆の鰻重の時間が来た。
養鰻家、料理人の愛情が感じられる逸品は、正にご馳走といえるだろう!
感謝して、いただく。
本当においしゅうございました。
2016年11月『うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋』は創業10周年を迎えるそうだ。
10年間、ひたむきに取り組みことは並大抵のことではない。
心からお祝い申し上げます。
10周年おめでとうございます\(^o^)/
これからも『うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋』を訪れる多くのお客様を楽しませて続けていかれることを祈念致します。
そして、ときどき伺うマニアックなうなぎ好きもよろしくお願い致しますm(__)m
http://unagi-daisuki.com/post-8266
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==2016年6月22日訪問==
「~オーガニック鰻の食べ比べ~」
泰正養鰻(鰻 泰斗商店)の横山桂一さんが6月21日の出荷から一部の鰻専門店へ向けて直に出荷を始めるという。
『はし本』さんに続いて、所沢・小手指の『うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋』さんでも22日の夕方には入荷するというので早速予約をして伺って来た。
まず、店主の島崎さんに立て場の活鰻を見せていただく。
岡山産・天然うなぎ
泰正養鰻・無投薬オーガニックうなぎ
どちらも活きの良いうなぎ様
島崎さんによれば『うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋』の立て場は、温度管理を徹底してその鰻に合った状態を保つ工夫をしているとのことだ。
さあ、鰻料理LIVEの開始である。
「鰻の煮凝り」とミックスナッツ入りの「骨せんべい」
『うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋』といえば「鰻の白ばらサラダ」
目の前で島崎さんが活鰻を割いていると、いやが上にも期待が高まる。
生ビールを飲みほして、日本酒に移行。
お任せの1杯目は埼玉・神亀酒造「純米酒 神亀」
「横山さんの鰻の兜を焦がし焼きで食べたい!」というリクエストに応えてくださった。
炭化するギリギリまで焼きを強くて、蒸さずに兜が食べられる。
島崎さんは「本当にマニアックなんだから」と笑うが、美味いモノは仕方がない(笑)
続いて白焼きの食べ比べの一皿
その池で一番最初に池出しした新仔の中の新仔と横山さんの鰻の白焼き
そのまま食べるもよし、越後屋特製のお酢につけるもよし
肝焼きと函館・東沢水産の生うにも
ブラインドで出されたけれど、今回は間違えませんよ!(笑)
地焼きでもふんわり柔らかく癖のないこちらが新仔
鰻の旨味がギュギュっと詰まって脂ののりが抜群な横山さんの鰻
よく新仔とヒネ、どちらが美味いか?という話がある。
同じ鰻でもカテゴリーが違うと思う。
ラーメンに例えれば、醤油味のサッパリ系と豚骨醤油のコッテリ系に例えればわかるかもしれない。
自分はどちらも美味いと思う!
美味い鰻で酒も美味い!
2杯目は新潟・魚沼の青木酒造「鶴齢 純米吟醸」
福島・会津坂下町 曙酒造「天明夏酒 さらさら純米 」
岡山産・天然うなぎの白焼
この日、食べた中で一番さっぱりしていると感じた。
ほのかな川の香り。
正直、3種類とも美味しい鰻だった。
その日の食べたい気分で選べたらサイコーなのに!などと贅沢なことを妄想してしまった。
今日はコッテリがいいからこの鰻!今日はサッパリがいいからこっちとか?
酒の〆は旭酒造「純米大吟醸 獺祭23」
鰻の〆も究極の新仔と無投薬オーガニック鰻の食べ比べうな重
手前腹側が無投薬オーガニック鰻、奥尾側が新仔
皮目まで箸で切れる柔らかい新仔
皮目に硬さはあるもののどっしりした旨味のオーガニック鰻
オーガニック鰻は皮と身の間のコラーゲン感が半端ない!
鰻タレご飯に卵の黄身と海苔をトッピングしたスペシャルなご飯で本日の〆
島崎さんのパフォーマンスと料理
それぞれの鰻の良さを堪能させていただき、大鰻足!
『うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋』は、店主・島崎さんのキャラクターと鰻の食べ比べが真骨頂の店だと自分は思う。
泰正養鰻のある鹿児島・大隅は三河、宮崎とは違い複数年飼育で鰻を育てている。
しかも完全無投薬のオーガニック鰻は、昨今の消費者の健康志向にもマッチしていると思う。
『うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋』の食べ比べの選択肢が広がったと自分は感じている。
8月末には泰正養鰻の新仔が出るという。
『うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋』さんでまた入荷すれば、脂ののってきた天然うなぎとの食べ比べもいいかもしれない(≧▽≦)
http://unagi-daisuki.com/post-7590
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==2016年5月11日訪問==
うなぎのぼりのゆぽんたさんから
「久しぶりに小手指の越後屋さんへ行くのでご一緒しませんか?」
とお誘いを受けた。
埼玉県はもちろん全国でも人気のうなぎ屋さんなので、二つ返事でお誘いにのった(^^ゞ
小手指駅南口を出て、駅前ロータリー左側の小手指駅前郵便局とデイリーヤマザキの間の道を進む。
少し歩くと十字路の角に「越後屋」あと60mの看板。
店の前に着くと暖簾はまだ出ておらず、店主は今向かっているということだった。
どうやら開店時間よりも早く着いてしまったようだ。
さらに今日は店主に気に入った天然うなぎなどがないと言われたようだが、私の都合を考えてゆぽんたさんが突撃訪問を決行してくれたらしい。
店主が到着して、店内へ。
入口の設えも洒落ている。
そして、店内至るところに絵や書がかかっている。
絵や書は、店主のお母様の作品で『うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋』の店名に画荘が入っている由来だとゆぽんたさんが教えてくれた。
ゆぽんたさんがとカウンター席へ腰を下ろす。
一枚板のカウンターの向こうには立て場があり、元気なうなちゃんがいらっしゃる。
まず、出されたのは、つぶ貝と鰻の骨せんべい。
骨せんべいの上には野菜チップをあしらって彩を演出している。
骨せんべいには、味が染み混ませてあり、この味付けが越後屋オリジナルだそうだ。
普通の骨せんべいでもビールのつまみにはもってこいなのにこの味付けはヤバい!
続いて登場の三種盛り
見た目もお洒落で美しい
伝統的な鰻料理ではなく、ヌーベル・アンギーユが人気の秘密では?と思わせる。
「刺身の盛り合わせ」
「うなぎバラのサラダ」
定番のバラぽん酢ではなく、生野菜の上にうなぎバラをトッピング
かかったドレッシングがこれまたヤバい!
このドレッシングも越後屋オリジナル。ドレッシングを舐めて酒が飲めてしまう(^^ゞ
「岩ガキ」
酒坊というだけあって、酒を進ませる?
ファニーフェイスの女お笑い芸人なら「それがお前のやり方か~!」と突っ込むだろう(笑)
店主の計略?に喜んでのせられる呑兵衛は、日本酒に移行
まず、勧められたのは福島・曙酒造の「天明 純米本生 槽しぼり 五百万石60%」
本格的に鰻料理に入る前に店主の島崎剛さんが
「これまでで何が美味しいと感じましたか?」と問う。
骨せんべいとドレッシングと答える。
刺身や岩ガキも美味かったが、この2つは越後屋でしか味わえない美味しさだからである。
「わかりました。」と微笑む島崎さん。会って話すまでは偏屈な頑固オヤジを想像していたがさにあらず(失礼m(__)m)
前菜類で客の好み合わせた料理LIVEをするような予感。
そのことをゆぽんたさんに伝えるとニッコリ。
ゆぽんたさんとうなぎ談義をして、待つことしばし
串焼き4種盛り
「肝焼き」「アスパラガス」「地鶏岩塩焼き」「尾びれの焦し焼き」
特筆すべきは「尾びれの焦し焼き」
これ以上突っ込めば炭化してしまうギリギリまで焼きを入れている。
中にはジューシーさが残り、うなぎのコラーゲンもバッチリ感じられる絶妙さには脱帽!
そして、鰻LIVEの始まりだ!
「これは養殖でもいい鰻ですよ。」と島崎さんがポールから出したのは宮崎・佐土原「和匠うなぎ」
カウンターの上に置くと元気に動いている。
カウンター下の木のまな板で割かれる姿を鑑賞して、どのように調理されるか?楽しみに待つ。
出てきたのはお洒落に盛り付けられた地焼きの「白焼き」
カクテルグラスには酢、本山葵、いくらと皿にふられた塩
いろいろな趣向で白焼きを味わえる。
この食べ方が美味いんだ!という押しつけがない分、試されている気がしないでもない。
でも好きなように食べるのだ(笑)
酢はフルーティーで、白焼きをつけるよりもそのまま飲んでしまった(^^ゞ
ほんの僅か塩をつけて食べるのが、うなぎの味がストレートに感じて自分の好みだった。
テンションが上がって酒も美味いっ!
次のお勧めは「〆張鶴 純」
続いて岡山児島湾産の天然うなぎ
島崎さんは「もう少し育った方がいいんだけど…」言いながら割き始める。
http://unagi-daisuki.com/wp-content/uploads/2016/05/IMG_9117.mp4
割いている時のトークが受ける(笑)割いて串打ちした天然うなぎと養殖うなぎの色合いの違い
有頭で地焼きされた天然うなぎ
天然うなぎは、当たり外れのリスクを伴うがこれは大当たり!
ホクホクした身に独特の香りと味わいがある。
会話が弾み、少し冷めてしまった天然うなぎを口にれると焼き立てとはまた違った味わいがある。
新たな発見だ!鰻LIVEならではだろう!?
そして今までいただいた鰻から落としたかぶと焼き
これもギリギリまで焼いている焦し焼きだ。
ビックリするのが蒸さずにここまで食べられるかぶと焼きは初めてだ。
〆は、蒲焼の関東風と関西風の食べ比べ
自分の前に来た蒲焼は綺麗な焼き上がり
ゆぽんたさんのは、焼きが強め
会話の中で好みによって焼き分けるのも鰻LIVEの醍醐味!
「今日の中では、何が一番良かったですか?」と島崎さんに聞かれ
天然うなぎのかぶとのエリの部分と即答
「やっぱり、そうかぁ。」
「今度は良い天然がある時にまた来てくださいよ。もっと満足いくと思いますよ。」
何故、壁にギターをかけてあるのか?
『うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋』は、鰻のライブハウスであり、客とのジャムセッションの場でもあるのだと納得する。
普通の鰻専門店へは、その店の味が好きが行くことが多いだろう。
しかし、『うなぎ屋酒坊・画荘 越後屋』の味は一期一会。
外すリスクもあるかもしれない。だが、当たればデカい。
それもまた鰻道楽の醍醐味ではないか!
この日の島崎さん、ゆぽんたさんとのセッションは大当たりだったのは言うまでもない。
お二人に感謝して、大鰻足のLIVEは幕を下ろした。
5位
4回
2017/08訪問 2017/08/11
【土用の丑の日の行事食】
夏の土用の丑の日に食べるものというと、うなぎが好物でない方も一番に浮かんでくるのは「うなぎ」であろう。
夏の土用の丑の日に鰻を食べる習慣についての由来には諸説あるが、平賀源内が発案したという説がよく知られている。
最も一般的な話としては、夏にうなぎの売れ行きが悪いうなぎ屋が、平賀源内の元に相談に赴いた。源内は「本日丑の日」と書いて店先に貼ることを勧めた。すると、そのうなぎ屋は大変繁盛した。その後、他のうなぎ屋もそれを真似るようになり、土用の丑の日にうなぎを食べる風習が定着した、というものである。
一説によれば「丑の日に『う』の字が附く物を食べると夏負けしない」という風習があったとされ、うなぎ以外には瓜、梅干、うどん、うさぎ、馬肉(うま)、牛肉(うし)などを食する習慣もあったようだ。
【鰻専門店の鰻と牛】
『鰻はし本』四代目・橋本正平さんは、次々と画期的な試みにチャレンジしている方である。
店で使う活鰻は、同店のフラッグシップブランド「泰正オーガニック鰻」を鹿児島大隅の泰正養鰻から直引きしている。
泰正オーガニック鰻が入荷しない時は取引先の鰻問屋から好みの養鰻場を指名して買い付けるというこだわりようだ。
使う魚は鰻をはじめ川魚に特化しているのも特筆すべき点である。
また、川魚以外の食材もオーガニックにこだわり、極力自家調理にこだわりを見せる。
その橋本正平さんが、江戸から続く「土用期間には“う”のつくものを食し滋養を得よ。」の考えに基づき、〈うとうの丼〉を土用の間だけ限定で提供するという。
『鰻はし本』こだわりの鰻の蒲焼に神戸で3代続く『ゆさか精肉店』がこの丼だけのために〈ミスジ・サンカク・バラ〉を特別にブレンドした牛肉と有機玉葱で作る究極の〈鰻と牛の丼〉
これは食べに行かねばならない。
【川の滋味】
昼、夜限定5食のみの〈土用丼〉
すでに夜は予約で満席とのことで昼の部を目指して出陣する。店の前に10時半に到着。一番乗りだ。
開店準備をしていた橋本さんに「早っ!」と言われながら11時の開店を待つ。
待つのもうなぎ屋を訪れる醍醐味のひとつなのだ。
席に案内されて、まず出されたのが〈鯉のお椀〉
橋本さんが、再び鯉と向き合う時間を作り「鯉と塩」で仕立てたお椀ということだ。
鯉は泥臭いというイメージを覆す逸品。
鯉の旨みだけを凝縮し、川の香りだけをほんのり残す。
そして、牛蒡とオクラの風味が良いアクセントになっている。
川の滋味が溢れている。
土用蜆があるのだから鯉を土用に使うのも有だ。
〈鯉する土用椀〉というネーミングは如何だろうか。
カミさんと2人で行って、〈土用丼〉限定5食のうち2つをいただくのはさすがに気が引ける。
もう一つは〈鰻重〉をお願した。
お椀は〈赤だし〉
〈鰻重〉に使用の鰻は宮崎佐土原「和匠うなぎ」の新仔ということだ。
すっきりした脂にねっとり感は新仔らしい新仔である。
『鰻はし本』さんへ伺うたびにタレが美味くなっているように感じる。
ベテラン職人さんの
「タレは年数でなく、どれだけ良い鰻をくぐらせたかだ。」
という言葉を思い出す。
【〈土用丼〉を食す】
有機野菜が美味しい〈サラダ〉
器の模様が鰻のようでニッコリ。
ついに登場 〈土用丼〉
橋本さんが教えてくれた、この日の〈土用丼〉のスペックは以下の通り
鰻:宮崎青木養鰻場新仔3.5P牛:熊本県菊池市産「和王」共励会最優秀賞ミスジ/サンカク/バラ/ヤリをゆさか精肉店が独自ブレンド玉葱:北海道産有機マスタード:大分県香々地産(自家漬)紅生姜:有機梅酢(自家漬)
これだけの食材を使い、手間をかけて、税別3,700円。
素人ながら原価率が心配になる。
さまざまな部位の牛肉の食感を楽しめて、牛本来の旨みに有機玉葱の旨さのデュエット。
そこに太物の新仔鰻のボリューミーでふわとろな食感と爽やかな脂の旨みとタレの旨みも加わり、ひとつの丼の中で旨みのカルテットを奏でる。
自家製のマスタード、紅生姜は味の変化や箸休めにもってこい。
高スペックの〈土用丼〉は、ポールポジションから一気にゴールへ駆け抜けた。
鰻専門店の本気度を余すところなく、鰻喫させていただいた。
〈土用丼〉は、秋の土用に再会できるのか、はたまた来年か。
橋本さんの斬新な企画に今後も期待したい。
うなぎ断ち『断ち物』という自分が好きな物を断つことで願いを成就しようとする願掛けの方法をご存知でしょうか?
願いが実現するまで、もしくは自分が決めた期間内まで好きな物を断つのです。
諸般の事情で内容は詳しく書けませんが、お盆休みが明けたころに自分の力ではどうにもならないことが起きてしまいました。
出来ることといえば、ただただ事態が好転するようにいのるだけ…。
そんなときにたまた『断ち物』を知りました。
特別、信心深いわけでもないのですが、いたたまれない気持ちから2か月と期間を区切って始めることにしました。
うなぎ大好きなので、もちろん断ち物は【うなぎ】です。
断ち物の問題点を上げるとすれば挫折しやすいところでしょうか。
特に好きな物であればあるほど、もしくは習慣になっていればなっているほど、断ち物は失敗しやすくなります。
元来、意志の弱さから逃れるためにこのサイトの更新やうなぎ関連のSNSも中断することにしました。
すると多くの方からご心配のメッセージを頂戴しました。
メッセージをいただいた方に事情を記して返信をすると今度は励ましのメッセージをいただきました。
感謝してもしきれない有り難さです。
メッセージをいただいた方や事情を伝え聞き、ご心配、応援をしてくださった方々にこの場を借りて、厚く御礼申し上げます。
~祝回帰仕立て~八重洲『はし本』四代目の橋本正平さんからは、いち早くご心配のメッセージをいただいたのと1時間ほどで帰宅できる利便性から再開する際は最初に伺いたいと思っていた。
伺う1週間ほど前に私に付き合って2か月間うなぎを食べずにいてくれたカミさんと2人で「特別誂え」の予約が可能か?問い合わせると快く予約を受けてくださった。
ワクワクした1週間が経ち、いよいよ当日。
予約時間の少し前に東京メトロ・日本橋駅A7出口から地上へ出て、何度か通った『はし本』さへんの道を進む。
街のネオンまでも煌めいて見える。
うなぎだけでなく、この2か月は仕事場と自宅の往復がほとんどで、都内へ来るのも2か月ぶりだからだろうか?
ファミリーマートの角を曲がって『はし本』さんの店前へ。
”うなぎ”の文字までも懐かしく感じられる。
お店に入ると、用意してくださっていた2階の個室へ案内される。
部屋の卓の上には
ーうなぎ大好き様 祝回帰仕立てー
と記された特別のおしながきが用意されていた。
橋本さんの心遣いがとても嬉しい!
橋本さんがいつものようにこれから割くうなぎを持って来てくださった。
特別誂えでもこの日限りの献立を用意してくださったことにお礼を言って、うなぎの説明をしていただく。
この日のうなぎは『宮崎佐土原和匠うなぎ』
佐土原和匠うなぎは宮崎県宮崎市佐土原町の養殖場、高木養鰻場・齋藤養鰻場、高須水産が鰻本来の美味しさ、天然うなぎ以上の栄養価を目指し品質改良を行い養殖した鰻です。
和匠うなぎは「安全な水」、「安全な飼育」、「安全な商品」3つの安全によって養殖しています。
(宮崎砂土原和匠うなぎHPより要約引用)
とても可愛い顔をしているうなぎです。
こんな可愛いうなぎをいただくのは残酷と思う方もいるかも知れません。
しかし、私たち人間は他の生物の生命をいただいて、生きていく存在なのです。
多くの方が「いただきます。」と手を合わせるのは、感謝と慎みの証ではないでしょうか?
私の知っている養鰻家の皆さん、鰻専門店の皆さんは、より安全でより美味しくを目指しています。
それは人間の欲望を満たすためにしているのでしょうか?
私の答えは”否”です。
大切な生命をいただくのですから生命を粗末にしないために愛情を以て育て、愛情を以て調理する結果だと思うのです。
鰻供養や放生会が各地で催されているのはその証拠のひとつだと感じています。
うなぎが絶滅危惧種に指定されて以降、絶滅危惧種を食べるのはいかがなものか?という意見を耳にします。
では、絶滅危惧種に指定されていない生物は貪り食べて良いのでしょうか?
もちろん、そんなことは許されざる行為です。
他の生物も住みやすい環境にすることや種を守るために制限を設けることは必要だと思います。
一方で食べるために育てられた生物は、貪ることなく、感謝と慎みの心を以ていただくことが生命を粗末にしないことだと私は思います。
賛否両論あると思いますが、これがうなぎ断ちをしている最中に私が思った今のところの考えです。
先付 わかさぎ酢橘南蛮漬
わかさぎの美味しさにシャキシャキした食感のセロリと人参が酢橘の酸味に融合しています。
まず、お願いしたお酒はサッポロビールの”無濾過”プレミアム樽生ビール「白穂乃香」
「白穂乃香」は、、活きた酵母をそのまま残しているので徹底した品質管理が必要なため、こだわりをもった厳選店でしか飲めない。
自宅近くでは提供しているところがないのでビール好きのカミさんに飲んでほしかったのだ。
心臓酒http://unagi-daisuki.com/wp-content/uploads/2016/10/hashimoto01.mp4割き立てのうなぎの心臓はピクピク動いています。
そこに日本酒を注ぎ、一気に飲み干す。
うなぎの血には毒があるので、噛んではいけません。
肝わさ
肝わさが来たところで日本酒をお願いすることにする。
『はし本』さんでは、日本酒のチャート表が用意されていて好みや料理に合わせたお酒が選べるようになっているが、日本酒愛好家である橋本さんに聞くのが一番である。
お勧めは、島根・王禄酒造の「超王禄」
辛口でキレがあり、芳醇な味わいの美味しい酒だ。
王禄酒造・石原丈径社長の「超王禄のお知らせ」の文章に感銘深い言葉があるので、転載させていただく。
「王祿 今を超えてゆく為に」
酒は単なる嗜好品ではなく人と人を繋ぎ心を和らげ慰めるそして時には大きな支えとなり力を与える
その役割は非常に重いものだと考えます
科学の進歩と共に日本酒醸造技術もめざましい進歩を遂げ続けています
だが常に普遍であり続けなければならないものがあるとすれば
それは造り手の志のみであると言えるでしょう
この言葉は、酒のみならず、どんな仕事にも共通の理念ではだろうか?
橋本さんの料理をいただいていても心が和らぎ、エネルギーをもらえるのは同じ理念があるからだと感じる。
お酒をいただいていて、カミさんがふと「酒器はどうしてガラス製なのかしら?」と言う。
橋本さんにお聞きすると、冷酒の酒器は友人でもある東京・湯島の『木村硝子店』のものを使っているそうだ。
ひとつひとつ丁寧に職人さんが作った極薄のガラス酒器は、唇が触れた時の違和感が全くなく、シンプルにお酒の味を楽しむことができる。
酒器にしても縁を大切にして、共通の理念を求める橋本さんのこだわりが垣間見えた。
鯉こくhttp://unagi-daisuki.com/wp-content/uploads/2016/10/hashimoto02.mp4信州出身のカミさんには、鯉こくが出るのは嬉しいサプライズだったようだ。
信州では、鯉は馴染み深い魚でお祝いの席などには必ず供される。
特に江戸時代から養殖が始まったといわれる佐久鯉は現在も信州・佐久の名産品である。
丁寧に育て、調理された鯉料理は、臭みもなく、脂肪が適度に乗って美味しい。
今回、はし本さんで初めて鯉こくをいただいたが、鯉の滋味を残しつつ洗練された仕上がりは川魚にこだわったはし本さん自慢の逸品だと思った。
うなぎ骨せんべい
意外に手間のかかる骨せんべいの割き立て揚げ立ては格別だ。
くりから焼
「くりから焼の塩って珍しいわね。」とカミさん。
くりからはある意味、うなぎの美味しいところをギュッとまとめて串に刺したもの。
「今日のうなぎの旨さを楽しんでください」というひと品だと自分は思う。
顔を出してくれた橋本さんにカミさんが「塩がなくてもいいくらい美味しいですね。」
「塩なしでも充分美味しいと思いますが、塩をして焼くと旨味が引き出せます。後から塩をするのとはまた違います。」と橋本さん。
正に塩梅だのだろう。
肝焼
「肝焼だけはお見せしたうなぎ以外の同じ和匠うなぎの肝を使用しております。」と丁寧に説明してくださる。
うざく
酢の物好きのカミさんは
「あ~この酸っぱさが、肝焼のほろ苦さをリセットしてくれる。」と微笑む。
肝焼の余韻を十分に楽しんだ頃合いに〆のお食事の前に出されたうざく。
カミさんと同じく、献立の配慮を感じる。
有機野菜のお漬もの
はし本さんの有機野菜のお漬ものは、いついただいても美味いっ!
こと、人参は人参嫌いも治るのではないか?という甘さと旨味を感じる。
美味しい有機野菜を仕入れ、橋本さん自ら正に手塩にかけて漬けている。
さらに奈良漬も無農薬の瓜を使用した奈良漬を千葉・香取の「寺田本家」から”自然づくりの奈良漬”を取り寄せるというオーガニックへのこだわりが、食べる側の心を打つ。
鰻重 肝吸 宮崎佐土原・和匠うなぎ
http://unagi-daisuki.com/wp-content/uploads/2016/10/hashimoto03.mp4はし本さん秘伝の江戸前のキリリとしたタレが天然鰻よりも脂質、旨味成分が豊富な飼料で育てられた和匠うなぎにとてもマッチしている仕上がり!
素材を活かした調理に感謝!
2か月ぶりの鰻重ということもあって、鰻面の笑みがこぼれる。
はし本さんでは、どこの養鰻場で育てられたうなぎかを知らせている。
今回は「宮崎佐土原和匠うなぎ」だったが、来週1週間は鹿児島大隅「泰正オーガニック鰻」の提供だという。
ブランド志向によって付加価値を設ける訳ではなく、生産者の顔の見える関係を食べる側にも知ってほしいとの思いからだということが話していて伝わる。
米や野菜も以前は生産者はもちろん産地すらわからなかった時代がある。
現在は、生産者を写真付きで紹介している店舗をよく見かけるようになった。
私の知っている養鰻家は、安全はもちろん、水や飼料に工夫を凝らして美味しいうなぎを育てようとしている。
私は、養鰻家の鰻愛を受け止めるためにもはし本さんのように養鰻家が見えるようにするのは大歓迎である。
果もの 柿(奈良)
食事の後、橋本さんにはうなぎ談義にたくさんお付き合いいただいた。
鰻愛あふれるお料理にお気遣いに心より感謝申し上げます。
うなぎ断ち明けにお腹も気持ちも鰻福になって家路についた。
名古屋でうなぎ・日本料理店を展開するしら河グループの社長の弟さんで『しら河今池ガスビル店』店長を務める森田恵次さんから
上京するので、うなぎ屋さんか東京下町のディープな居酒屋さんへ行きましょうとお誘いを受けた(^-^)
3月に名古屋でお会いした時に、東京か名古屋でまたお会いしましょう!という約束を守ってくださった。嬉しい限りである!
森田さんの行きたいことろをお聞きすると、いろいろ行きたいけれど今回は『はし本』さんへ行きたいとおっしゃるので即決まり!
森田さん自ら『はし本』さんの「特別誂え」を予約してくださった。
当日、約束の時間少し前に着くと
森田さんから「中に入っています。」とのメッセージがあり、店内へ。
橋本さんにご挨拶をすると2階の奥の部屋だというので2階へ上がる。
設えが和ませてくれる。
森田さんに再会のご挨拶をしていると、橋本さんがこれから「特別誂え」で割くうな様を持ってきてくれた。
本日のうな様は、鹿児島大隅の『大和水産』で育てられたそうだ。
橋本さんも好きな養鰻場のひとつだそうで、好きな養鰻場のうな様は同じ飼料会社という共通点があるそうだ。
橋本さんと話している最中に何度も容器から飛び出そうとする元気印のうな様である。
まず、サッポロビールが東京都、横浜市、川崎市のエリアの厳選したお店でのみの限定販売している「白穂乃香」で乾杯。
川魚に力を入れている先付も美味!
鰻の心臓酒
噛まずにゴクリ
お料理の合間に森田さんとうなぎ談義。
東京近郊で本場の名古屋うなぎが食べられるお店を『しら河』さんで出店してほしいとお願いする。
実は以前、東京駅近くに出店依頼があったそうだ。
しかし、東日本大震災の影響で計画が中止になってしまったという。
そのような事実を知らずにお願いをしてしまい申し訳なく思う。
鰻の小肝わさ
どじょうと菜の花のお椀
「どじょうと菜の花のお椀」と聞いて、蓋をとるまでは、丸のどじょうが入っているものとばかり思っていいた。
割かれたどうじょうに出会ってサプライズ!
川魚が苦手な人にも受け入れられる上品なお椀に仕上がっている。
『はし本』さんで特出しているのは日本酒。
どの料理にどの日本酒が合うか、日本酒の味わいの特徴とともにチャートにまとめてあり選びやすい工夫がなされている。
4代目の橋本正平さんが日本酒愛好家を名乗っている面目躍如だ。
数ある日本酒のラインナップからこの日、自分が選んだのは香川県地酒「川鶴」
爽やかな飲み口だがしっかりとした旨味が感じられる。
地焼くりから焼串
くりから焼にするとうなぎの味がよくわかる誤魔化しのきかない品。
日本酒に合いますなぁ(^-^)
鰻骨煎餅
有機香の物
お待ちかねの「鰻重」
http://unagi-daisuki.com/wp-content/uploads/2016/04/hashimoto01.mp4鰻重が来ると今までのうなぎ談義が嘘のように無口に(笑)
橋本さんの話では〆の鰻重を持ち帰りにする方が多いとか?
割き立て、焼き立ての鰻重は滅多にお目にかかれない。それだけで価値がある。
2人で「もったいないなぁ」とハモってしまった(笑)
デザート
「他にも行きたい東京のうなぎ屋さんがあったけれど、はし本さんへ来て良かった。」と森田さんも大鰻足の様子だった♪
自分は「特別誂え」は昨年11月以来だが、前回よりも素材の質が上がっていると感じた。
『はし本』さんは、5月から川魚にこだわったメニューにリニューアルすると聞く。
ますます進化することに期待したい。
森田さんと『はし本』さんで「特別誂え」を堪能して、うなぎ談義に花を咲かせた翌日。
しら河グループの基幹店『料亭大森』が名古屋城正門前の名古屋能楽堂レストランに移転して『しら河別邸日本料理大森』としてオープンする。
『しら河別邸日本料理大森』さんのますますの発展を心からお祈りしたい。
森田さんはまた秋に上京する予定だそうだ。また、ご一緒で来たら嬉しい。
『はし本』さんへは、近々別の遠方からの友人と伺う予定だ。さらなる進化が楽しみである。
森田さん、橋本さんに心から感謝してこの項を閉じる。
==2015年11月17日 再訪=
日本橋 はし本 ~特別誂え鰻重~
東京駅八重洲北口、日本橋駅高島屋口からも徒歩5分ほどに昭和の雰囲気が残る一角がある。その小路に創業から四代続く老舗のうなぎ店『日本橋 はし本』がある。
『日本橋 はし本』の四代目・橋本正平さんの名刺には、ハイパー鰻クリエーターという肩書が書いてあり、鰻に対する情熱は並々ならぬものがある。詳しくはホームページの「こだわり」に譲るが、老舗の伝統を守りながら斬新なアイディアでうなぎ好きの心を揺さぶるのだ。
最近も産地や育成期間の違う地焼きの白焼きの食べ比べや焼きおにぎりの上にタレ焼きの鰻をのせた鰻茶漬けなどありそうでなかった裏メニューも試みている。
それとは別に伝統に忠実に美味しい鰻を食べさせてくるメニューがある。
それが、今回いただいた夜の部10名限定の「特別誂え鰻重(蒲焼)」である。
説明をホームページから引用させていただく。
こちらは1月~5月、9月~11月限定のメニューです。お客様が御来店されてから、これより召し上がる活鰻を見ていただき、店主直々に産地や餌、鰻の歴史や生態等の説明をさせていただきます。その後に割いて白焼、蒸し焼きして仕上げますので1時間前後のお時間を要します。お時間に制限のあるお客様のご利用はお断り致します。関東の鰻文化を源流とした忠実な手仕込みで、一本の鰻が織りなす最高級の物語をお届けする当店最高峰の鰻重となります。
今月を逃すと1月まで食べられないので、予約をして伺った次第である。
こちらが「特別誂え鰻重(蒲焼)」のおしながき。
橋本さんがこれから裂く活鰻を持ってきてくれた。
宮崎産の新仔ということだ。
「先付」は旬の牡蠣
「お飲み物は?」と聞かれたのでお勧めの辛口純米酒をお願いする。橋本さんは日本酒愛好家でもあるのだ。
〆張鶴の純米吟醸をいただく。
隣の席の方も〆張鶴を飲まれていて「今日のお料理に合いますよ。」と話しかけてくださった。
「鰻の心臓酒」
裂きたての鰻だからこそ出せるのだ。
うなぎ好きなことを知っているので特別に「肝焼」も出してくれた(^.^)
美味しい料理に酒の追加をお願いしていると、隣の席の方に〆の鰻重が運ばれてきた。
「お重の蓋をとるときは感動ものだよね。」
「人生最後の食事は鰻だな。」という会話が耳に入る。
気分が良くなって来たところでこの会話。お隣さんも相当なうなぎ好きのようで、しばしうなぎ談議に花を咲かせて、名刺交換までさせていただいた。楽しいひと時をさらに楽しくなりました。お付き合いいただいたYさんに感謝申し上げますm(__)m
「小肝わさ」
さっきまで活きていた鰻の肝はやはり新鮮で美味い!
「骨せんべい」
自家製というだけで美味いのに揚げたてはまた格別!
「地焼くりから焼串」
裂きたて鰻の地焼は、皮目のコラーゲン感がハンパない!かりふわ(^○^)
「お漬物四点盛」は盛りつけも綺麗で美味。さらに酒が進んでしまう(^^ゞ
さあ、真打の「鰻重」登場!
焦らしが多いとのご指摘を受けているのでさらっと #うなパカ 動画を
正統派江戸前鰻を堪能致します♪
活鰻は4Pサイズだが、くりから焼の部分を引いているので5Pサイズほどになって江戸前蒲焼としてはちょうど良い大きさである。
当たり前のことだが、裂いてからの時間が少ないほど味が来る。
鰻面の笑みがこぼれる♪
皮目の焼き加減も良い塩梅。
蒸し時間は15分ほどだという。このサイズなら蒸しと焼きとのバランスが良く、ふわとろなのに濃い旨みも感じられる。
「デザート」の柚子シャーベットでお口もさっぱり。
すっかり、お料理を堪能した後、橋本さんとたっぷりうなぎ談議をさせていただいた。
橋本さんの鰻愛1000%の言葉に偽りなし!
お腹も心も鰻福、鰻足の二の酉の夜♪ 自分的には丑の日ですが(笑)
次回は、橋本さんの工夫を凝らしたアラカルトをいただきに行こうと思う。
==2011年9月12日 訪問==
はし本 八重洲
『開高健が喰った!!』という本を読んでから行ってみたかったうなぎ屋さんが東京駅から徒歩5分の「はし本」です。
東京国際フォーラムで行われた「自然エネルギー財団」の設立イベントの帰りに行ってきました。
開高健さんは
「鰻重は、はみ出るほど大きなものを食べるべし。鰻っちゅうのは、豊かな気分で食わないとあかんのや。」「いい鰻かどうか判断しようと思ったら、少し冷えてから食うてみい。」「天然でも養殖でも、うまいものはうまい、まずいものはまずいのよ。」と言っていますが、うなぎ好きとしてはお説ごもっともです。
うな重 い
開高健さんのお説に従えば、最上級の「うな重・に(5670円)」を注文すべきでしょうが、白焼きも食べたかったのと懐の関係で「うな重」は一番小さな「い(2205円)」になってしまいました。
白焼き い
白焼きも小さい方の「い(3150円)」ですが、せめて画面いっぱいに写してみました(笑)
6位
6回
2021/01訪問 2021/01/08
令和3年のうなぎ初めをするためにJR常磐線・金町駅南口にやってきました。
金町駅からバスで移動です。
4番のりばの戸ヶ崎操車場・八潮駅南口行きのバスに乗ります。
平日の昼間は、10分おきに発車予定です。
目的地は、東京都から埼玉県へ入ってすぐの大場川バス停です。
それでは、戸ヶ崎操車場行きのバスに乗って出発進行。
13分ほどバスに揺られて大場川に着きました。
道路を渡ると『川魚根本』さんの駐車場です。
去年の春まではここにお店があったところです。
綺麗に駐車場に整備されました。
駐車場と大場川の間の道を歩いてお店の前に着きました。
開店5分前で待合室はほぼ満席です。
待合室には、私が新装開店祝いに贈った己書が飾られています。
いらした際には見てくださいね。
席について、さあ注文です。
今朝の根本さんのツイッターでは、特上は僅かとのことでした。
「特上まだありますか?」と店員さんに尋ねると
「少々お待ちください。」と奥に聞いてくれて
「残り2つあるそうです。」
ラッキー!
「特上お願いします。」
根本さんは、上でも300g以上ある太物ですが、特上はそれ以上の太物です。
特大は、正に激レアです。
特上が到着です。
特上とご対面です。
見てください。
2時間以上煮詰めたタレをまとった。この艶と照り。
特上だけにお重の中でこんなに重なり合ってますよ。
白焼きせずに生から蒸した「生蒸し」の蒲焼は、とろける食感とうなぎの香りが残っています。
うなぎ好きにはこたえられない美味しさです。
肝吸いも特徴があります。
焼き肝が入っています。
香ばしくて美味しいですよ。
美味鰻福。ご馳走さまでした。
うなぎ大好きドットコム
令和3年うなぎ初め
つつがなく、締めとなりました。
今年も皆さまが運気うなぎのぼりでありますように(-人-)
2020年5月15日・金曜日
『川魚根本』さんが新築新装開店です。
おめでとうございます!
17日の日曜日に伺おうと思っていたら
家を出る前に売り切れ仕舞いの情報が…
気を取り直して20日に突撃。
旧店舗は、すでに解体工事に入っていました。
5歳の頃から通っていた思い出の店。
水元のお寺でお墓参りをして、母に手を引かれて葛三橋を渡ったこと。
うなぎ好きだった祖母のお土産を買ったこと。
うなダレご飯だけを食べて、蒲焼を残した息子にしめしめと思ったこと。
小学生だった末娘がうな重を平らげて、あてが外れたこと。
亡くなった母の思い出を話しながら家族でうなぎを食べたこと。
根本の社長とうなぎ談義をしたこと。
などなど
思い出が走馬灯のように駆け抜けていきました。
大場川沿いを下り、以前は駐車場だった場所に立派な新店舗が
開店間もないので待合室にはお祝いの花がたくさん。
待合室の正面には、私がお祝いに贈った己書を飾ってくれています。
有難い限りです。
バリアフリーになった広々とした店内。
席数は、旧店舗と同じなんだとか。
メニュー
お酒類が復活したのですね。
そうこうするうち〈うな重上〉が到着
〈うな重・上〉
このテリ、艶 たまりませんね(((o(*゜▽゜*)o)))
2~3時間煮詰めた濃厚なタレ。
しかし、うなぎの味を損ねない焼き。
生蒸しならではのとろける柔らかさ。
あー!口福
ご馳走さまでした。
創業五十余年。
新たな歴史のスタートに乾杯。
正月休みに『川魚 根本』さんのうなぎをモチーフに己書を描いたので
新年のご挨拶を兼ねてお届けすることに
日曜日の夕刻なので待つことを覚悟していましたが
運よく、すんなり入店できました。
テーブル席に座り
壁の時計とお品書きに目をやります。
この昭和レトロな感じ
たまりませんね!
ちょうど社長がタレを仕込んでいる最中で
見においで と
声をかけてくれました
大きな鍋に入ったタレを丁寧に、丁寧に
かき混ぜながら
2時間から3時間
焦げる寸前まで煮詰めていくのです
この作業を見たら
美味しさ倍増ですね(^◇^)
さあ 〈うな重・上〉とご対面
これでもか⁈ という 香ばしさ と
このテリ、艶 たまりませんね(((o(*゚▽゚*)o)))
口福の瞬間で~す
一気に完食
ご馳走さまでしたm(__)m
埼玉・三郷市と葛飾区の境を流れる大場川の畔にある『川魚根本』は、うなぎ大好きで何度も紹介しているように自分が子供時分から半世紀通っているうなぎ屋。
川向こうの葛飾・水元のお寺が母方の菩提寺という縁である。
母に連れられて来ていたが、自分が子供、今では孫を連れてきているので4代に渡って通っている。
平日の昼下がり、誰ともなく「根本の鰻が食べたいね。」と口にする。
昼の閉店時間に着くには、ギリギリの時間。
道が混んでいればアウトだが、行くだけ行ってみようということで出発した。
運良く道も空いており、閉店時間に間に合った。
裏の駐車場に車をとめて、店へ向かうと裏口で社長と遭遇。
少しお話をさせていただいてから店内へ。
孫連れなので、奥の座敷へあがらせていただく。
注文を伝えて待っていると社長から
「これから鰻を焼くから見にお出で」とお誘いをいただいた。
『根本』さんは繁盛店でこのようなチャンスは滅多にないので二つ返事で厨房へお邪魔した。
http://unagi-daisuki.com/wp-content/uploads/2017/04/IMG_5776.mp4生蒸しした鰻を備長炭で焼き上げていく。
『根本』さんで使う活鰻は3p(約333g)の太物。
焼き加減を見ながら丁寧に骨を抜いていく。
蒲焼を焼いているところを見せていただいているうちにお料理も出来上がった。
まず〈鯉のあらい〉
続いて〈鯉こく〉
そして、お待ちかねの〈鰻重・上〉
丁寧に備長炭で焼かれた鰻は、とてもボリューミー!
ご飯を大盛りにするとお重から盛り上がる。
今日も我が家の原点である『川魚根本』さんの鰻と鯉を鰻喫しました。
大鰻足でご馳走様でした。
6月27日は、私の母方の祖父の祥月命日である。
1943(昭和18)年に亡くなっているので今年で74回目の命日ということになる。
菩提寺は葛飾・水元にあり、物ごごろ付いた時から命日近くに墓参に来ている。
その帰りには年忌法要などでなければ、決まって川を越えた『川魚根本』で鰻を食べる。
私のうなぎ好きの原点は、祖父の墓参といっても過言ではない。
今年も明日が命日という日が日曜なのでお墓参りに行くというとカミさんと娘家族も一緒に行くという。
有り難いことだ。
娘と孫は何やらニコニコしている。
どうやら墓参のあとの鰻が楽しみのようだ。
血は争えない。
お墓参りを済ませて、開店15分前『川魚根本』に着くとすでに先客が2組待っていた。
昼夕合わせて僅か4時間半の営業時間。
数年前から酒類を出さなくなっても鰻と鯉だけを目当てに大勢の客が訪れる。
暖簾が出て、いざ入店。
奥の座敷へ案内される。
鴨居に掛けられた額は先週急逝した鳩山邦夫元法務大臣の書。
〈鯉のあらい〉
川魚は臭いというイメージを持っている方が多いようだが、1度食べてほしい。
臭みは全くなく、旨いことがわかると思う。
特に新鮮だからこそ出来る〈鯉のあらい〉はその食感も魅力のひとつ。
酢味噌をちょっとつけて食べれば堪えられない。
さあ真打の〈鰻重・上〉のお出まし。
http://unagi-daisuki.com/wp-content/uploads/2017/01/nemoto01.mp4
2時間以上煮詰めた濃厚なタレの輝きは根本ならでは
生の鰻を白入れせずに蒸す“生蒸し”だからこそのフワフワ感も根本ならでは
肉厚の鰻を使用するので濃厚なタレにも鰻の旨みが十分感じる。
コクと旨みのオンリーワン鰻重である。
炙った肝入りの〈肝吸い〉も香ばしくて美味し。
3歳の孫娘も1人前を頼み、半分平らげてしまった。
初めて店で出来立てを食べた婿殿は娘の残りと都合1.5人前「美味い、美味い」と完食。
家族でご機嫌、鰻福な『川魚根本』での夕食だった。
2015年9月9日訪問
「うなぎ大好き」
http://unagi-daisuki.com/post-4481
以前も書いたが、三郷・戸ヶ崎の『川魚 根本』は私が子供の頃から行っている店である。記憶にあるのは幼稚園の頃だから、かれこれ50年近く行っていることになる。
母方の実家の菩提寺が葛飾・水元にあり、母方の祖母の実家の菩提寺が八潮・古新田にある。行政区画は違うが金町駅と戸ヶ崎操車場を結ぶ京成バス路線の途中にある。そんな理由でお墓参りの昼ご飯に母や伯母たちに連れて行ってもらっていた。
私が柏へ越してきてからも江戸川を渡ればすぐということもあって、母方の祖父母のお墓参りなどにカミさんや子供たちも連れていくようになって現在に至る。なんと自分を中心に5世代にわたって根本のうなぎを食べている。
先日、「うなぎ大好き」でTwitterを始めて、川魚根本四代目の根本健一さんとご縁が出来た。一度、直接お話しがしたいとお願いしたところ、最盛期が過ぎたのでお彼岸の時期や土日祝日を除けば余裕が出来そうとの返事をいただいた。
善は急げとばかり、水曜の休みを利用してお邪魔して、休憩時間にお話を伺ってきた。
根本さんの仕事が終わるのを待つ間、もちろん美味しい鰻をいただく。
売り切れてしまうことの多い肝焼き(500円)があるとのことなのでお願いする。
いつからかアルコールの提供を止めてしまったのが惜しいくらい酒のアテにちょうど良い肝焼きなのだ。
うな重は、上をお願いする。
半世紀近く慣れ親しんだ味。いつもながら美味い!ただ、いつもより鰻の旨みが濃い気がした。
この日の午前中に台風18号が愛知県に上陸して、関東もその影響で激しい雨が降っているせいか?いつもよりもお客さんの入りは少なめだった。しかし、閉店の13:30ぎりぎりまでお客さんがやってくるのは流石、人気店だ。
閉店時間を過ぎ、仕事が一段落した根本さんがわざわざ来てくれた。
まず、長年美味しい鰻をいただいていることにお礼を言う。
根本さんは四代目ということだが、川魚店から鰻屋になって50年ほどだという。自分は鰻屋になった頃から来ていることになる。
ここ15年ほど数多く鰻屋さんを食べ歩いて、『根本』の鰻は唯一無二だと実感しているので、製法の秘密を伺ってみた。自分が予想していた通り生蒸しをするそうだが蒸し方は少し変わっているかもしれないと厨房へ案内してくれた。
普通は蒸籠や蒸し器で蒸すところを大鍋に網を置き、大量の蒸気が当たるようにして茹でるに近い蒸し方であのふんわりして身と皮の間のゼラチン質を感じることのできる食感が可能になるようだ。五右衛門といわれる湯に浸してしまう製法の時間が経つと固くなってしまう難点を補って余りある独自の製法だと思った。
もちろん、良い炭で熟練の技術で焼くのも美味しさの秘訣であるのは言うまでもないだろう。
仕入れた鰻の管理も万全である。
この鰻は三河産の新仔だそうです。旨みが濃く感じた理由がわかりました。
養殖池では、大きさごとに何度かの選別が行われます。選別を繰り返すと特に成長の早い集団が出来ます。1年未満で出荷出来るまでに成長したものを新仔と呼ぶそうです。成長が早いということは食欲旺盛でエネルギーに満ちて、若いためにも柔らかく、身も脂が乗り、小骨も少ないのが新仔の特徴だそうです。
見た目の照りと艶がよく、濃厚でいて、後味がすっきりしているタレも根本の特徴です。
その秘密を根本さんにお聞きすると
「材料は醤油、味醂、砂糖と他の鰻屋さんとかわりません。」と言いますが
タレを焦がさないように2~3時間煮詰め、ご飯にかけたときにさらっとする状態にするそうです。
タレ壺の中では粘度が強く、たれかけの器具の隙間からタレが流れないほどだそうです。
私は自分自身の鰻の原体験である『根本』の鰻が美味しい理由を好奇心でお聞きした訳ですが、ここまで惜しげもなく教えてくださった根本さんに心から感謝致します。
また、秘密を明かしても他には真似の出来ない鰻という自負を根本さんから感じました。
50年、変わらぬ鰻を提供してくれる『根本』の鰻が原体験ではなかったら「鰻には店ごとに違った美味しさがある」と鰻の食べ歩きをしていなかったかもしれません。
改めてお話を伺った根本健一さんはじめ『根本』の皆さんに感謝いたします。
ありがとうございます。ご馳走様でした。
お土産用のうな重も買ってきた。
『根本』の鰻が大好きだった母の仏前に供えるためと子供たちの分である。きっとみんな喜ぶに違いない。
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うなぎ大好き アーカイブス
==2014年3月26日==
亡くなった母の葬儀などをひと通り済ませたので、母方の菩提寺へ祖父母の墓前に報告してきた。
母が元気なころは、祖父母の墓参の帰りには、必ず昼食をとった根本で母を偲びながら鰻を食べた。
「ここの鰻はこってりして美味しいねぇ」
母が近くで言っている声がしたようだ。
http://unagi-daisuki.com/post-2032
==2013年6月26日==
明日は、母方の祖父の祥月命日なので水元の菩提寺でお墓参り。
帰りは、いつものように川を渡って、根本へ。
今日は、妻も一緒で帰りは運転を頼めるので、昼から一杯と考えていたら
何と根本のメニューからアルコール類が消えていた!
しかも鰻料理もうな重、蒲焼ともに上のみとなっていた!
http://unagi-daisuki.com/post-2021
==2009年3月18日==
お彼岸で、母方の祖父母、伯父、伯母の墓参を済ませて、根本で昼食です。
http://unagi-daisuki.com/post-549
== 2008年10月1日==
8月にはじめにこんなメールを頂きました。
こんばんは。 突然失礼します。 先日、うなぎ根本が閉店したらしく…(泣)私たち家族が納得いくうな重を探しています。埼玉在住なのですが、根本の味に近いお店を紹介していただけませんでしょうか?
根本のうなぎは子供の頃から慣れ親しんでいるのでこのメールを読んだときには眩暈がしました。電話をかけて確認すれば済んだのですが、電話で閉店の知らせを聞くのも味気ないので直接行って確かめようとするうちにかれこれ2ヶ月近く経ってしまいました。根本の近くに行くと駐車場には何台もの車が停まっています。さらに近づくと香ばしい匂いが…。根本は営業していました。ホッ(^.^)V
前回の訪問からの違いは、うな重・並がメニューから消えていたこととうな重・特が以前は大振りの蒲焼きが1尾分でしたがうな重・上と同じサイズの蒲焼きが1尾半のっていました。
http://unagi-daisuki.com/post-544
==2006年1月16日==
私の母の実家の菩提寺がすぐ近くの葛飾区水元にあるのでお墓参りの帰りに子供の頃から連れてきてもらっていました。ですからある意味、根本は、私のデフォルトのうなぎ屋さんのひとつといえるのです。
1年以上後無沙汰で久々の再訪です。その間、「うなぎ大好き」の取材と言う名目で何軒ものうなぎ屋さんで食べ歩いたので印象がどう変わっているか?不安半分でした。しかし、そんな不安は鰻をひとくち食べた瞬間に吹き飛びました。
根本の調理法は、生蒸しとか、直蒸しと言われる方法で割いた鰻を白焼きせずにそのまま蒸します。そのため身がふんわり仕上がり、鰻の味が濃くなるのです。そして濃厚なタレが絡まるとそれだけですごいボリュームです。鰻の大きさ自体も下の段の写真をご覧頂くとわかりますが、お重の中で並ばずに重なり合っているくらいの大きさです。鰻の油っこさはあまり感じないのですが、食べ応え十分で、根本の鰻はスタミナ食だと再確認しました。
http://unagi-daisuki.com/post-534
== 2004年3月17日==
JR常磐線「金町駅」と「戸ヶ崎操車場」をむすぶ京成バス、JR常磐線「亀有駅北口」とJR武蔵野線「三郷駅」もしくは「三郷市役所」をむすぶ東武バスの「大場川バス停」のすぐ近くにあります。
ここの鰻は、身と皮の間のゼラチン質が残っている。このような鰻を私たちは、他のお店では味わったことがない。また、タレも独特で甘露煮か、佃煮のタレの甘みを少なくして、旨みが増したような濃厚なタレだ。東京下町の名店が、粋な鰻とすれば、このお店は、鰻の鰻らしさを生かした野趣あふれる鰻といえばよいだろうか。個人的には、最も元気の出る鰻屋さんのひとつである。
滅多にお目にかかれないが、肝焼(300円)も美味しい。ここのは、串には刺さっておらず、小鉢で出てくる。鰻重の特を食べたい方は、遅い時間だとないことが多いので、御注意を。
http://unagi-daisuki.com/post-524
7位
4回
2017/09訪問 2017/10/05
【顔の見える養鰻家】
鹿児島大隅・泰正養鰻は、14年間完全無投薬の【泰正オーガニック鰻】を厳選して昨年から鰻専門店などへ出荷を始めたことは当サイトですでにご紹介した。
うなぎ好きの間ではよく知られたブランド鰻もいくつかあり、無投薬を謳う養鰻場もある。
それらは間違いなく美味しい鰻を提供している。また、鰻資源の減少からノンブランドでも質の良い鰻を育てる養鰻場も出てきている。
その中で私が【泰正オーガニック鰻】を推奨する理由は、生産者の顔が見えるからである。
近年、野菜や果実の農家、畜産家は生産者名や生産過程を公表しているところが多くなってきている。
しかし、鰻の場合は国産の場合は宮崎県産、静岡県産など都道府県ごとが多く、消費者が生産者の名前までわかるのはごく一部である。
泰正養鰻は、横山桂一さん自身がSNSを使って自ら生産過程などを公開していることろが画期的だ。
私は、いくつかの養鰻場を見学させていただいて、養鰻家のご苦労を一般の方よりも知っている。
だからこそ、泰正養鰻のように顔の見える養鰻家が出てきてほしいとの願いを持っている。
信頼関係のある取引今年に入り、泰正養鰻の横山さ桂一さんのもとには取引の依頼が数多く寄せられているという。
しかし、家族経営の小さな養鰻場ということもあり出荷数も限られいるので、顔が見え、信頼関係を築けたところだけの取引になるそうだ。
そのひとつに今回の出荷からさいたま市桜区・西浦和駅前『うなぎ処古賀』が加わった。
入荷数も限られているそうなので、予約を入れて伺った。
入口に「泰正養鰻オーガニック鰻」のメニューが貼ってある。
『うなぎ処古賀』の〈うな重〉よりも価格は高め。
古賀さんは、お客様に受け入れられるか、悩んだそうだ。
しかし、適正な値段をいただいて、その分持てる技術と真心をこめて召し上がっていただこうとすることにしたという。
愛情いっぱいに育てた鰻を江戸前の最高の技でいただける喜びで食べる前からワクワクする。
【裂き立て、蒸し立て、焼き立て】
古賀さんが開業前に長年勤めていた南千住の名店『尾花』は、注文を受けてから活鰻を裂き始める。
その分、待ち時間が長くなってしまうことでも有名だ。
『泰正オーガニック鰻』では、お待たせしても美味しく食べてほしいとの願いからその手法を踏襲するそうだ。
今回は、古賀さんのご好意でその様子を見せていだだくことが叶った。
まず、これから裂く泰正オーガニック鰻の活鰻を見せていただく。
はるばる鹿児島から長旅をして3日目だが、驚くほど元気が良い。
数量限定とはいえ、提供2日目の昼で残り3尾。
古賀さんの危惧は杞憂だった訳である。
お客様は、値段に見合った美味しいものを求めている証だろう。
やはり、予約をして正解であった。
元気の良かった活鰻が鮮やかに裂かれていく。
続いて串打ち。
注目は、腹側の肝を外したくぼみの薄い肉を持ち上げるように、竹串で縫うように刺していく。
この串打ちの技が見た目も美しい蒲焼になる秘訣なのだ。
白入れ
江戸前鰻では、白入れをしっかりと出来るか否かで見た目と美味しさの両立が図れると私は思う。
皮目にしっかりと火を入れることで一番美味しい皮下の脂が閉じ込められて、深蒸しをしても旨みが逃げない技術だと思う。
白入れが終わると和蒸籠で蒸す。
鰻の状態で蒸し時間を見極めるのも大切である。
レアな泰正オーガニック鰻の肝焼き。
ご存じのように肝は鰻1尾につき1つ。
何尾も裂かないと肝焼きは出来ません。
前に注文してくださった方々のお陰でいただけます。感謝!
【愛情いっぱいの鰻を活かした技を堪能】
泰正オーガニック鰻の〈肝焼き〉
多くの方が抱いている「肝焼きは苦い」という概念を覆す逸品。
素材の良さとひと手間かけた技が光る。
〈白焼〉
実は私、白焼は地焼き派なのです。
しかし、この白焼には脱帽です。
本山葵を添えてくれましたが、いりません。
生醤油を箸の先で1滴たらしただけで旨みが口中に広がる至福の江戸前白焼。
そして、真打の泰正オーガニック鰻の〈鰻重〉登場。
見目麗しい鰻様。
雑味の全くなく、今シーズン最後で旨みが凝縮された泰正オーガニック鰻は『うなぎ処古賀』のタレと相性が良い。
1年8か月以上の間、24時間体制で水の温度やPhなど育ちやすい環境を整え、我が子のように育んだ鰻を長年培った技術の粋を結集した逸品は食べるものを感動させる。
うなぎが好きな方々にこの感動を分かち合いたいと思う。
『うなぎ処古賀』では、10月26日(木)から泰正オーガニック鰻の新仔を入荷予定とのこと。
数量限定のために予約は必須と思われる。
今年の盆休みは、8月14日~16日。
休みに入る前から盆休みは鰻三昧すると心に決めていた。
まず、最初に伺ったのはJR武蔵野線・西浦和駅前の『うなぎ処古賀』さんである。
自分の休みは毎週水曜日、古賀さんも水曜定休でなかなか伺うことが出来ないでいるのだ。
いつもは予約して伺うが、この日は突撃訪問することにした。
西浦和駅に着いたのは、12時半過ぎ。
店内へ入ると、幸いに上がり座敷がひとつ空いていた。
久ぶりなのでいくつか鰻前をいただくことにしよう。
ビールと〈どじょうの唐揚げ〉〈うざく〉をお願いする。
テーブル席の先客もまだ注文の品が来ていないようなので、運ばれてきたビールとお通しの枝豆でゆっくり待つとする。
意外に思う方もいるかもしれないが、うなぎ好きにとってこの時間も至福の時なのである。
〈どじょうの唐揚げ〉が到着。
ほろ苦く川魚の野趣を残すこまどじょうをカラッと揚げてあり、ビールのつまみにはもってこいだ。
〈うざく〉もやって来た。
古賀さんが長く勤めていた某有名店の味を彷彿させる。美味し!
鰻はビタミンCを補えば完璧な栄養食というのはご存知の通り。
水分が多く、あまり栄養価が高くないと言われている胡瓜だが、ビタミンCやカリウム、カロチンが含まれている。
さらに利尿作用のある成分の「イソクエルシトリン」が含まれているので、むくみ解消効果があり、脂質を分解してくれると言われている「ホスホリパーゼ」という成分も含まれている。
漢方では、身体を冷やす作用もあるので、夏にはもってこいなのだ。
ところが、胡瓜には「アスコルビナーゼ」というビタミンCを壊してしまう酵素も…。
それでは、ビタミンCを補えないではないか。
でも大丈夫!アスコルビナーゼは酸に弱いので、酢を加えることによって、ビタミンCを壊す働きを抑えられる。
酢の物で食べることでビタミンCが壊れてしまう心配をすることなく胡瓜の栄養効果が得られるわけだ。
鰻と胡瓜の酢の物である〈うざく〉は、正に先人の知恵。
今日は奮発して、蒲焼の量が一番多い〈鰻重・松〉をお願いする。
「おいしい」って漢字で書くと「美しい味」って書くんだよ!と言いたくなる〈鰻重〉
綺麗でしかも美味しい鰻重は至福の時である。
古賀さんで大鰻足。
お盆休みの鰻三昧は、絶好のスタートを切れた。
古賀さん、有難“う”ございました。
大変、美味しゅうございました。
父の日でのとある調査で「お父さんがしてほしいランキング!」のダントツの1位は「一緒に食事をする」だそうです。
しかも「何を食べたいか?」ではウナギが1位!
我が家の娘からもこんなLINEが
嬉しいですね^^
1も2もなくOKです!
行くのはもちろんうなぎ屋さん(笑)
さっそく西浦和の『うなぎ処古賀』さんへ連絡すると私たちが着く時間は予約で満席ですが、空けば入れてもらえるとのこと。
さすが父の日!盛況ですね(^-^)
西浦和に着いて、駅前のカフェで待っていると
「お席の準備が出来ました」の連絡があり、お店へGO!
娘の運転なのでまずはビールで乾杯!
予めお願いする品を連絡しておいたので
まずは串焼きから
希少部位の「うなぎレバー串」は1本だけ 仲良くシェアします^^
肝焼きは人数分ありました(≧▽≦)
「白焼梅(ハーフ)」
綺麗でふっくらした白焼
おろしたての山葵をちょっとつけて お口の中でとろけます(*^▽^*)
はやラストオーダーの時間に
「どじょう唐揚げ」が食べたいというお母さん(^^ゞ
カラッと揚がっていて、ビールのつまみにサイコーですね!
ウナギスキー&タマゴスキーの娘がリクエストした「う巻き」
「どうしたらこんなに綺麗に出来るのだろう?」
箸を出さずに、しばし見惚れていた娘でした(笑)
中には鰻がぎっしり
見ても食べてもウマッキー♪
娘がお願いした「鰻まぶしご飯」
カミさんがお願いした「鰻重竹」
蓋を開けた瞬間「綺麗な蒲焼だねぇ」と一同うっとり
私は父の日特権で「鰻重松」
http://unagi-daisuki.com/wp-content/uploads/2016/06/koga01.mp4綺麗でしかもボリューム鰻点!
口の中へ入れるとねっとりとした食感でとろけていく!
これぞ 江戸前鰻だ!
帰り際に古賀さん、女将さんと少しお話をさせていただいた。
次の定休日(6月22日)には、国立研究開発法人水産研究・教育機構増殖研究所南伊豆庁舎へ鰻の完全養殖の見学に行かれるという。
美味しい鰻を作るだけでなく、資源問題も取り組んでいらっしゃる。
帰りの車の中で娘が、綺麗で美味しい鰻だったと鰻足気に言ったあとで
「料理って人柄が出るよね。」とポツリ
嬉しい、嬉しい父の日だった^^
「鰻福会」という全国各地のうなぎ屋さんがSNSでつながる会がある。
もともとは「うなぎ大好き」を開設当初から応援してくださっていた「日本養殖新聞」が情報交換のために構築したLINEグループが発展して、2014年9月から親睦、情報交換の集いを開いているそうだ。
管理人は「日本養殖新聞」の高嶋取締役編集長から「鰻福会」のことを伺って、鰻福会会長の名古屋・うな豊の服部社長とご縁ができた。
鰻福会の会員の皆さんは、とにかく熱い鰻愛にあふれる方ばかりだという印象なのだ。
西浦和駅前にある『うなぎ処古賀』の古賀秀喜社長も鰻福会の会員である。
美味しい「うな重」をいただき、お話を伺っててきた。
JR武蔵野線・西浦和駅で電車を降りるとホームからもお店の看板とうなぎのノボリが見えるので、初めてでも迷うことなく行けるのだ。
店内へ入って感じたのは清潔感だ。
右側には小上がり席、左側にはテーブル席がある。
おすすめの「鰻重」は、「梅」からが1尾付けだそうだ。
「竹」は「梅」よりも大振りな鰻が1尾、「松」は「梅」と同じ大きさの鰻が1尾半ということだ。
ちなみにこの日の鰻は宮崎産ということだった。
本当ならば「松」をいただきたいところなのだが、この後、うなぎ好きの会「うなぎ愛好会」の集いがあるので、「梅」をお願いした。
お重の蓋をとって、思わず「美しい!」と呟いてしまった。
炭火を使って、これだけ美しく焼く蒲焼はなかなかお目にかかれるものではない。
小さ目の鰻をお願いしたにも拘わらず、ふっくらとろける食感も流石のひとことである。
甘さを抑えたキリリとしたタレといい、ザ・江戸前蒲焼だ!
それも古賀さんの話を伺えば、納得するのだ。
古賀さんは、東京・麹町で江戸時代から9代続いた「丹波屋」(現在は廃業)や食べログ東京都うなぎ部門・昼のランキング1位の「尾花」などの名店で研鑚を重ねたいう。
また、川魚を主とする日本料理のスペシャリスト団体「野田屋東庖会」の青年部部長もされていたこともあり、NHK土曜時代劇「陽炎の辻」の技術指導もされたそうだ。
浦和で開業されてからは「浦和のうなぎを育てる会」の活動にも参加している。
伺った日は、ちょうど「秋の土用の丑の日」でこんなイベントも
お店独自でも
年に4回ある土用の丑の日には
「お客様に日頃の感謝を込めての超特価!! 国産うなぎ蒲焼1300円!!(要予約)」
という企画も
店内で待っている間に何にかのお客さんが予約の蒲焼を取りに来ていた。
そして「うなぎ募金」協力店でもある。
「うなぎ募金」とは
【この募金活動は、「独立行政法人水産総合研究センター」で取り組んでいる、「完全養殖うなぎの量産技術開発」が一日でも早く実用化となり、これまで100%天然資源のシラスウナギを使用していたうちの何割かを人工シラスウナギで補って、自然保護、安定供給につなげていくという観点から、「独立行政法人水産総合研究センター・ウナギ統合プロジェクトチーム」の研究費等に充てる寄付金を募るものです。】(「日本のうなぎを育てる会」のうなぎ募金の説明より)
古賀さんの「鰻重」は美しさ、香り、食感、味のいずれを一流の江戸前鰻職人の仕事だと感じる。
当代の名人のひとりといっても過言ではない。
それでいて、見た目も口調も優しく、親しみやすい人柄なのだ。
また、紹介したようにお客さんを大切にし、鰻を通して社会貢献活動もしている。
口で言うのは簡単だが、なかなか出来ることではない。
それを可能にする原動力は「鰻愛」なのではないだろうか?!
このようなサイトをしていると「おすすめのうなぎ屋さんは?」とよく聞かれる。
江戸前鰻が食べたい方に自信を持って推薦できるお店がひとつ増えた鰻足、鰻福の出会いであった。
8位
4回
2020/06訪問 2020/06/23
下の娘が
「父の日に一緒にうなぎを食べに行こうよ。」
と有難いことを言ってくれた。
「どこにする?」
「仕事で川昌の前を週3ぐらいで通るけど、1度も行ったことがないんだよね。」
「じゃあ、川昌へ行こう。」
川昌さんで下の孫の1歳の誕生祝いをした2か月後に…
孫は乳幼児突然死症候群で天国に旅立ってしまった。
孫との思い出のある場所にはなかなか行けないでいるのを
2年半が経ち、吹っ切れるようにとの優しさが痛いほどわかる。
下の娘にとっても可愛い甥っ子だったのだから…。
という訳で
『川昌本店』へ予約を入れる。
下の娘は、初川昌なので飯塚料理長に予算内でのお任せをお願いした。
久しぶりの『川昌』さんである。
天狗様の見守る席で
自慢のうなぎ料理をいただく
最初は川昌名物
〈うなさし〉
手間をかけて作られた〈うなさし〉
コリっとした食感に微かなほろ苦さ
〈うなぎ創作料理〉
見ても美しい料理の数々
川昌の真骨頂ですね。
〈ひれ巻き・きも焼き〉
うなぎ創作の定番ですが、ひれ巻きの柔らかさと言ったら
〈きも煮〉
あっさりとした味わいは、お酒がすすむクン^^
〈う巻き〉
ミニサイズのう巻き
もみじおろしがあいますなぁ~
〈うなぎと野菜のかき揚げ・きも天〉
うな肝も美味しく揚って、気分も上げ上げ(*^^*)
〈うなぎの棒寿司〉
トッピングのうにがいいアクセント^^
〈うなぎの塩麹〉
塩麹で旨みが引き出され、
いくらとのコラボは、美味いの二重奏
〈うなぎ酒盗サラダ〉
珍しいうなぎの酒盗をサラダ仕立てに!
粉チーズが効いてますね。
美味しいお料理の数々をいただいた後は
テレビやメディアで絶賛の
〈金のうな丼〉
とろとろ玉子からバターの香りが…
たまりません!
玉子の下には、ふわふわ蒲焼
一気に完食
ご馳走さまでした。
〈デザート・ほうじ茶アイス〉
ほうじ茶の香りがこれでもかって
デザートまでも手抜きなし!
これを鰻足と言わずになんという!
絶品料理の数々にノックアウトされました(((o(*゜▽゜*)o)))
飯塚料理長とは
テレビ東京「リトルトーキョーライフ」で共演して以来の再会。
今日も大鰻足、飯塚料理長の技に酔いしれました!
ご馳走さまでしたm(__)m
2016年9月27日に我が家に二人目の天使がやって来た。
百日祝いのお食い初めもうなぎ屋さんだった。
満1歳のお誕生会もうなぎ好き一家はうなぎ屋さんということになる。
ネエネの運動会を観に来るために岡山のバァバも上京するのでお誕生日から10日後のこの日にお祝いをすることとなった。
会場は埼玉県松伏の鰻創作料理店『川昌本店』
2代目・飯塚裕志料理長の渾身のお祝い膳をご覧あれ!
ネエネには〈お子様膳〉
鰻と好きなものがいっぱいで大喜び(≧▽≦)
この日の主役ももちろん大喜び(((o(*゜▽゜*)o)))
〆の〈うな丼〉
デザートの〈ほうじ茶アイス〉
をいただいて鰻福、大鰻足のお祝いでした!
飯塚料理長!
ありがとうございました!ご馳走さまでしたm(__)m
追記
この日の主役・冠斗は、2017年12月1日の朝、乳幼児突然死症候群により亡くなりました。
最初で最後の誕生祝を大好きな鰻料理をいただきながら家族みんなで祝えたことはとても良い思い出です。
今年の夏の土用の丑の日は、1度きりのためか?多くの鰻専門店は売り切れ仕舞いなどが相次いでいたようだ。
土用の丑の日に限らず、鰻を食べている管理人は、丑の日当日の鰻専門店で店内飲食は控えるようにしている。鰻は好きだが普段訪れる機会のない方たちに食べてほしいし、お店にも負担をかけないようにとの思いからだ。
しかし、土用明けの前に鰻は食べておきたいもの(^^ゞ
丑の日が過ぎたこの日、同行者のリクエストで埼玉・松伏町の『川昌本店』さんで「鰻料理コース」を予約してお邪魔しました。
約束の12:00にお店に着くと、満席の様子でした!予約していて、良かったぁ!
飯塚料理長の話では、丑の日が過ぎても今年は客足が落ちないそうです。
2016年はウナギ年なのでしょうか?!
お部屋に案内されて、「鰻料理コース」の始まり、始まり…(^-^)
まず「うざく」
酢の物と鰻の相性はいいですね^^
暑い日は特にさっぱりといただけます。
【前菜】
「もずく酢とうなぎ塩焼き」
うざくとはまた違った味わい
「うなぎ小袖寿司」
寿司の切り口の断面が着物の小袖の形に似ている小袖寿司
うなぎを纏ってみたい??(笑)
「うなぎのスモーク」
めちゃスモーク(≧▽≦)
お洒落なBarの逸品のよう♪
これは別注の「どぜうの唐揚げ」
【造里】
川昌といえば「うなさし」です!
3種のタレの中では、私はごま油のタレが好み(^_-)
【八寸】
「冷製コーンポタージュとうなぎの塩蒸し」
ふっくら鰻様が冷たいコーンポタージュが絡んで まいうー(^-^)v
「うまき玉子」
うなぎと玉子はどうしてこんなに合うのでしょう?!
「うなぎと梅肉の白扇揚げ」
うなぎと梅の食べ合わせは、栄養的・医学的にまったく問題はなく、むしろ理にかなった相性の良い組み合わせなんです。
しかも美味いっ!
「うなぎ肝天」
うな肝と油の相性の良さで目からウロコ♪
「うなぎ唐揚げ」
美味しくて色目も綺麗^^
物
【煮物】
「うなぎと豆腐の揚出し」
薬味を外すと、豆腐に挟まれた鰻様が登場!
冷やした餡でさっぱりといただける(≧▽≦)
【食事】
食事は、嬉しいことに「関東風うな丼」、「関西風うな丼」、「金のうな丼」から選べる。
3人で伺ったので、忙しいところ我儘を言って、3種のうな丼をお願いした。
「関東風うな丼」
http://unagi-daisuki.com/wp-content/uploads/2016/08/kawasyo01.mp4
美しいうな丼!
見るからにフワトロ(≧▽≦)
「関西風うな丼」
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地焼きのジューシーさが伝わります!
地焼きうなぎを表現するときに「カリフワ」といいますが、川昌さんは「サクッ、フワ」です(((o(*゜▽゜*)o)))
うなぎと玉子の相性の良さを実感できる川昌さん発祥の「金のうな丼」
玉子の中から鰻様登場!
http://unagi-daisuki.com/wp-content/uploads/2016/08/kawasyo03.mp4
とろとろ玉子と鰻様を一緒に食べれば、幸せ鰻点!
【甘味】
「ほうじ茶のあいす」
鰻様の余韻を残しつつ、口の中がサッパリ(^-^)♪
『川昌』さんのお料理は、見て鰻喫、食べて鰻足です♪
飯塚料理長はじめスタッフの皆さんのホスピタリティも良く、また伺いたいお店です^^
~ひと足お先にクリスマスコース~
===2015年12月2日===
9月に地元の飲み友達が交通事故に遭って長期の入院を余儀なくされた。10日ほど前にめだたく退院したので、快気祝いをするという話になった。
何が食べたいか?と聞くと鰻が食べたいという。
どちらのお店にするかを考えてきた時に川昌がFacebookで「クリスマスコース」の写真を投稿していたのを見た。
旧知の飯塚料理長に連絡すると、用意が可能なら対応してくださるとの有難い言葉。
当日は4人で訪問。
飯塚料理長にご挨拶をして
友人の退院祝って、ビールに運転手はノンアルコールビールで乾杯!の後
【2015年 うなぎ尽くしのクリスマスコース】
の始まり、始まり^(ノ゚ー゚)ノ☆パチパチ☆ヾ(゚ー゚ヾ)^
【小鉢】 南瓜のポタージュ うなぎのクルトン
丁寧に作られた南瓜のポタージュの上に浮くうなぎのクルトンはうなぎと知らなければ、ベーコンかと思ってしまう。
改めて、うなぎは旨味の濃のだと実感する。
【造り】 うなさし
うなさしは川昌の代名詞!初めて食べた友人たちは美味さに驚愕!
【前菜】 うなぎの宝箱
木箱の蓋を開けると彦摩呂ではなくても「うなぎの宝石箱や~!」と叫んでしまう美しさ!
誰ともなく、食べるのが勿体ないと...
・うなぎの一夜干しサラダ
・うざく錦糸巻 土佐酢ジュレ
・うなぎとフォアグラの味噌漬け
・うなぎ肝塩焼き
・うなぎくりから串
・うなぎのオイルサーディンと
・トマトのマリネ
・う巻き玉子
・うなぎの香草パン粉焼き
・うなぎアボガド巻き
料理は目でも楽しむものと実感すると同時に定番のうなぎ料理と和と洋の技を駆使した料理はうなぎの素材としての奥深さを再確認したのであった。
【焼物】 うなぎの甘露煮 かぶ釜グラタン
かぶ釜を割るとこんな感じに
中には熱々のグラタンソースに包まれたうなぎの甘露煮。かぶの甘さとのコントラストが抜群の美味しさを引き立てる。
【食事】 金のうな丼 又はうな丼 お吸物 お新香
金のうな丼もうな丼も両方味わいたいと2つづつお願いした。
うな丼
うなぎのご飯物の定番。ふっくらとトロける食感に焦げ目のない綺麗な焼き上がりは江戸前伝統の技。
香り高い山椒が置いてある。
山本益博氏は「山椒は蒲焼きではなく御飯にかけるのだ!」という。
自分も同感である。
金のうな丼
バターの香りがするトロトロ玉子がうな丼を包んでいる。
玉子を開けると鰻様が...
うなぎと玉子、バターは相性が良い!
和と洋のコラボレーションでうな丼がインターナショナルに昇華する。
【甘味 】出来立てバニラアイス 抹茶のガトーショコラ うなぎマカロン 苺りんかけ
手作りの出来立てバニラアイスはバニラビーンズを使用していて最高にうまいっ!
うなぎマカロンと苺りんかけは、料理長の奥様の協力ということだ。
友人たちも大鰻足だった!素敵な快気祝いになったと喜んでくれた!
うなぎの新たな魅力の虜になったようで自分も嬉しい。
伝統と斬新を融合させる飯塚料理長の鰻愛に心から敬意を表したい。
食は一期一会の芸術という人がいるが、その通りだとおもう。
飯塚さん、本当に有難うございましたm(__)m
「うなぎ尽くしのクリスマスコース」は1人前5,000円で12月23日~25日の3日間、完全予約制で提供するとのことだ。
期間外でも都合がつく場合は、自分たちように対応してくれる可能性もあるので相談して是非、賞味していただくことをお勧めしたい。
http://unagi-daisuki.com/post-5623
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うなぎ大好き アーカイブス
==2006年5月3日==
千葉県野田市と埼玉県松伏町の間に架かる野田橋を千葉県方面から渡り、2つ目の信号を右折して1Kmほど行くと右側に「どぜう」の大きな看板が見えてきます。そこが「川昌」です。
「うなぎ大好き」を見て下さる方から松伏の川昌が美味しいという情報を頂き、もう随分前ですがこのお店の名物「うなさし」をテレビで見たことを思い出しました。そんな時、ネットでウナギ情報を探していたところこちらの料理長さんのBlog「うなぎや川昌料理長日記」を発見し、 「うなさし」誕生秘話に感動しててお邪魔しました。
うなぎのお刺身はありそうでない料理なのです。それはうなぎの血には「イクシオトキシン」という毒素が含まれているので、生で食べる場合には、これを完全に取り除かなければならないので、うなぎ屋さんの常識ではうなぎの刺身を「外道」として扱わないのです。しかし、川昌では試行錯誤の末、血の毒素を消すことに成功し、20年を経た今では看板メニューだそうです。 見た目は鯛の薄造りのように綺麗で、食感、味はふぐ刺しに似ていて美味です。皮はいかにもコラーゲンがたっぷりという感じで味はもちろん、美肌効果で女性にお奨めです。
女性にお奨めといえば、川昌の昼膳です。この日は自慢の川魚料理、季節の野菜料理など13品がついて1480円とリーズナブル!美味しく、安心な物を色々少しづつ食べたい女性のニーズにぴったりです。
鰻ももちろんお奨めです。こちらの蒲焼は白焼き→蒸し→タレ焼きの江戸前の技法だそうですが、地焼きの様なふんわり感が残っていて少し濃い目のタレによくマッチしています。白焼きも皮はパリッと焼かれているので美味!おろしたての山葵もGOODです。
http://unagi-daisuki.com/post-2268
9位
3回
2017/01訪問 2017/02/01
うなぎ創作 鰻樹 -manju- ~2016年うなぎ納め~ | うなぎ大好き
カミさんと息子が【鰻問屋もがみ】さんで見学させてもらって、我が家の鰻熱はうなぎ昇り。
「やっぱり、鰻は美味しいよね。」
「また、食べたいね。」
という訳で今日は家族で鰻を食べに行く相談がまとまったようだ。
赤ん坊がいるので子供可で座敷か、小上がりがあるお店が第一条件。
婿殿は「〈うなさし〉が食べたい!」と言う。
ここで『川昌』か、『鰻樹』に絞られた。
『鰻樹』の店主・鈴木祐介さんは【鰻問屋もがみ】でも修業されていたので問屋さんの話もさらに聞けるからと『鰻樹』に決定。
日曜日のディナータイムに運良く予約も出来た。
いろいろな鰻料理があるので銘々、一品料理をひとつずつ頼み、シェアしてたのしむことにする。
まず、お酒を飲む人にお通しの〈肝煮〉
婿殿は最初からお目当ての〈うなさし〉
みんなも食べたいので大皿で
鰻の血には毒があるので〈うなさし〉を作るには特殊な技術がいる。
だから全国でも鰻の刺身を提供する店は数店しかない。
首都圏では『川昌』と『鰻樹』だけではないだろうか。
そして、〈うなさし〉を作る工程で鰻の皮を引く。
『川昌』では鰻の皮をふぐのように湯引きして出すが、『鰻樹』では鰻の皮を〈うなぎの皮焼き串〉として出している。
〈うなぎの皮焼き串〉といったら皮の下のコラーゲンがギュギュっと詰まっていてサイコーに美味いっ!
うな好き女子には堪らないだろう。
上の娘は〈うなぎのたたき〉をチョイス。
カリッカリに焼き上げた皮の香ばしさとふっくらした身にたくさんの薬味とポン酢ベースのソースがマッチしている。
これも女子受けするうなぎ創作料理だろう。
〈ガマの穂焼き〉はカミさんが好きな料理。
鰻を筒切りにしてシンプルに塩焼きしているので、鰻の旨みをストレートに味わえる。
自分のように子供のころ、川で鰻を釣った世代には懐かしい品である。
うなぎ創作といってもこのような奇をてらわない料理を提供するところが発想の柔軟性だと感じる。
玉子好きの息子は〈う巻き玉子〉
定番の鰻料理も美味いっ!
私は〈うなぎの天婦羅〉
サクサクの衣を纏った天婦羅は、鰻の旨みが濃縮されている。
塩を少しつけるとさらに旨味が引き立つ。
薬味をのせて、ポン酢風味のつゆでも美味いっ!
辛いもの好きの下の娘は〈うなぎのユッケジャン〉
山椒の風味が効いていて、辛さの中に和風の旨みを活きている。
見た目は似ているが、焼肉屋さんのユッケジャンとは一線を画す。
この辛さでも鰻の旨みがしっかり残っているのは流石のひとこと。
この発想の豊かさが凄い!
〆も銘々いろいろお願いした。
〈金のうな丼〉
発祥は店主の修行先『川昌』だが、良さを活かして鰻樹オリジナリルに仕上げてある。
シンプルイズベストな〈うな丼〉
半身なので女子の〆にはちょうど良い。
〈白蒲重上〉
白焼も蒲焼も食べたい欲張りな人には絶対にお勧め。
〈東西重〉
関東風の蒸しの入った蒲焼と関西風地焼きの蒲焼がひとつのお重で楽しめる。
我々マニアックな鰻好きの要望で実現した裏メニュー。
タレも江戸前風のキリッとしたタレと地焼きに合った甘めのタレが選べるのは嬉しい。
何度も伺っているが、初めて頼んだ〈塩まぶし〉
これは絶品!
私は地焼きの白焼きの美味しさに惹かれて年に数度、名古屋『うな豊』さんの〈白焼き重〉を食べに出かける。
それを彷彿させるが、これもまた鰻樹らしさが現れている優れものだ。
薬味とお出汁が付いているので、まずはそのまま、薬味を乗せて、お出汁をかけてと楽しめる。
食べ終わって、他のお客さんが帰られた後に店主の鈴木さんに修業時代のお話を聞かせていただいた。
鈴木さんのご実家は飲食店をされていて、料理を作るお父様の姿に憧れて、この道に入ったそうだ。
問屋時代は、夏場の繁忙期は寝る暇もないくらいの忙しさに加え、朝ら晩まで鰻を裂いているので手はパンパンでグローブのようになっていたという。
それでも【鰻問屋もがみ】の佐藤社長が若い衆の気持ちを汲んでくれたので頑張れたという。
そして、豊かな発想は『川昌』時代に磨かれたそうだ。
そう話す鈴木さんの顔には、『川昌』の飯塚裕志料理長を兄のように慕い、リスペクトする姿があった。
鰻樹の料理の素晴らしさは鈴木さんのセンスと努力があってのことだと思うが、感謝の気持ちを忘れないその姿勢に裏付けられていると感じざるを得ない。
やはり、料理は人柄が作ると感じた家族団欒の鰻の時であった。
毎年、本業の仕事納めの夜は1年間の無事に仕事が出来た感謝と自分への慰労を兼ねて大好きな鰻をいただくことにしている。名付けて【うなぎ大好き的うなぎ納め】である。
今年は、カミさんが〈うなさし〉が食べたい、とのリクエストで『うなぎ創作鰻樹-manju-』でうなぎ納めをさせていただいた。
年末年始期間限定で『樽酒黒松剣菱』の提供があるという。
最初の一杯はこれで決まり。
〈剣菱〉の由来は、永正2年以前(約五百年前)創業者稲寺屋伝によるとその酒標は、天地陰陽夫婦和合の象にて生々たるその瑞気を感じ精気の回天を為すと言う。
酒の由来も夫婦でのうなぎ納めぴったりだ。
カミさんがリクエストした〈うなさし〉が到着。
〈うなさし〉を提供する店は全国でも限れれた数店のみ。
それを近場で食せるとは何と幸せなことか。
〈うなさし〉を作る時に鰻の皮をひく。
ひいた皮を串に巻いて焼いたものが〈うなぎの皮焼き串〉
〈うなさし〉よりもレアな逸品である。
外はパリッパリッに焼かれ、中は鰻のコラーゲンがたっぷりなのだ。
あっという間に升酒がなくなってしまったので〈天狗舞・山廃仕込純米酒〉をお願いする。
〈うなぎのオイル煮〉
ハーブの香りと赤唐辛子・黒胡椒の辛みが絶妙。
洋の東西の魅力を併せ持っているので、日本酒にもワインにも合う。
鰻樹では、仕入れた活鰻の肝だけを使う。
なので肝吸い付きのメニューが多いと肝は余らない。
今日は肝焼きが出来るという幸運に恵まれた。
肝焼きにあわせて〈越乃景虎〉を燗酒で追加。
1本は〈肝焼き・タレ〉で
1本は〈肝焼き・塩〉でいただく。
どちらも新鮮な肝特有のプリプリ感。
他店でも滅多にお目にかかれない塩の肝焼きには嵌ってしまった。
鰻の塩焼きに覚醒してしまったので〈ガマの穂焼き〉をオーダー。
鰻を骨ごとぶつ切りにして焼く訳だが、正にシンプルイズベスト。
酒がまだあるので〈うなぎのたたき〉と
期間限定の〈うなぎのユッケジャン〉を頼む。
熱くて辛いだけでなく、いろいろな野菜の旨味も出ているコクのあるスープ。
それに負けない鰻の旨味が特出している。
寒い時期にはもちろん良いが、夏のスタミナをつけるのにも良いと感じた。
2016年の〆は別名・紅白重ともいわれ縁起の良い〈白蒲重〉にする。
http://unagi-daisuki.com/wp-content/uploads/2017/01/manju_shirakaba.mp4白焼も蒲焼も鰻喫した。
これで気持ち良く年を越せる。
2016年は【うなぎ屋さんレポート】をのべ80軒書かせてもらった。
レポートしていないものを含めると100軒近い鰻専門店で鰻をいただいたことになる。
そして、鰻を通じて多くの良いご縁をいただいた。
生産者、問屋さん、職人さんに鰻関係の友人などなど全ての方々と鰻をはじめとする食材に感謝して大鰻足の1年を締めくくりたい。
ありがと“う”ございました。
==2016年12月30日==
「うなぎ創作 鰻樹 -manju- ~2016年うなぎ納め~」
毎年、本業の仕事納めの夜は1年間の無事に仕事が出来た感謝と自分への慰労を兼ねて大好きな鰻をいただくことにしている。名付けて【うなぎ大好き的うなぎ納め】である。
今年は、カミさんが〈うなさし〉が食べたい、とのリクエストで『うなぎ創作 鰻樹 -manju-』でうなぎ納めをさせていただいた。
年末年始期間限定で『樽酒 黒松剣菱』の提供があるという。
最初の一杯はこれで決まり。
〈剣菱〉の由来は、永正2年以前(約五百年前)創業者稲寺屋伝によるとその酒標は、天地陰陽夫婦和合の象にて生々たるその瑞気を感じ精気の回天を為すと言う。
酒の由来も夫婦でのうなぎ納めぴったりだ。
カミさんがリクエストした〈うなさし〉が到着。
〈うなさし〉を提供する店は全国でも限れれた数店のみ。
それを近場で食せるとは何と幸せなことか。
〈うなさし〉を作る時に鰻の皮をひく。
ひいた皮を串に巻いて焼いたものが〈うなぎの皮焼き串〉
〈うなさし〉よりもレアな逸品である。
外はパリッパリッに焼かれ、中は鰻のコラーゲンがたっぷりなのだ。
あっという間に升酒がなくなってしまったので〈天狗舞・山廃仕込純米酒〉をお願いする。
〈うなぎのオイル煮〉
ハーブの香りと赤唐辛子・黒胡椒の辛みが絶妙。
洋の東西の魅力を併せ持っているので、日本酒にもワインにも合う。
鰻樹では、仕入れた活鰻の肝だけを使う。
なので肝吸い付きのメニューが多いと肝は余らない。
今日は肝焼きが出来るという幸運に恵まれた。
肝焼きにあわせて〈越乃景虎〉を燗酒で追加。
1本は〈肝焼き・タレ〉で、1本は〈肝焼き・塩〉でいただく。
どちらも新鮮な肝 特有のプリプリ感。
他店でも滅多にお目にかかれない塩の肝焼きには嵌ってしまった。
鰻の塩焼きに覚醒してしまったので〈ガマの穂焼き〉をオーダー。
鰻を骨ごとぶつ切りにして焼く訳だが、正にシンプルイズベスト。
酒がまだあるので〈うなぎのたたき〉と期間限定の〈うなぎのユッケジャン〉を頼む。
熱くて辛いだけでなく、いろいろな野菜の旨味も出ているコクのあるスープ。
それに負けない鰻の旨味が特出している。
寒い時期にはもちろん良いが、夏のスタミナをつけるのにも良いと感じた。
2016年の〆は別名・紅白重ともいわれ縁起の良い〈白蒲重〉にする。
http://unagi-daisuki.com/wp-content/uploads/2017/01/manju_shirakaba.mp4
白焼も蒲焼も鰻喫した。
これで気持ち良く年を越せる。
2016年は【うなぎ屋さんレポート】をのべ80軒書かせてもらった。
レポートしていないものを含めると100軒近い鰻専門店で鰻をいただいたことになる。
そして、鰻を通じて多くの良いご縁をいただいた。
生産者、問屋さん、職人さんに鰻関係の友人などなど全ての方々と鰻をはじめとする食材に感謝して大鰻足の1年を締めくくりたい。
ありがと“う”ございました。
==2015年9月18日==
Facebookにうなぎ愛のある人たちが集まる「うなぎ愛好会」というグループがある。その主要なメンバーAさんが2015年8月にオープンした『うなぎ創作鰻樹』の第1号のお客さんで贔屓にしている。
Aさんの投稿を見るたびに『うなぎ創作鰻樹』へ行きたい衝動が高まり、ついに訪問が叶った。
JR武蔵野線・吉川駅南口ロータリー右側の横断歩道を渡り、右へ進む。2階にお店があると聞いていたので少し視線を上に向けると白地に“うなぎ”と黒で書かれたのぼりが見えた。目当てのビルの階段を昇ると無垢の木に『鰻樹』と書かれた看板が出迎える。右手の引き戸を開けて店内へ。
店主の鈴木裕介さんは、「うなぎ大好き」とも交流のあるうなぎ問屋で経験を積んだのち、埼玉・松伏の『川昌本店』で修業をしたそうだ。鈴木さんが手が空いているときにお話しが出来ることを期待してカウンターに座る。
まず、生ビールをお願いして、おすすめを聞くと「お飲みなるならうなぎ串の食べ比べはいかがですか?」もちろんお願いする。
甘めのタレ・白焼き・塩コショウ・醤油の効いたタレの4種類のうなぎの串が1度に楽しめる。鈴木さんによると塩コショウはうなぎが食べられなかった人もこれを食べてうなぎが食べられるようになった人もいるそうだ。鈴木さんが如何にうなぎを好きになってもらいたいかがうかがえるエピソードのひとつだろう。
続いて「うなぎの皮焼き串」を焼いてもらう。
鈴木さんは、うなさしで有名な川昌で修業したのでこちらも「うなさし」は人気メニュー。川昌では、うなさしに湯引きした皮も付くが、こちらでは皮を竹串に巻きつけタレ焼きにしているのだ。ひれ焼きは、うなぎの串焼きを出す店ではあるが、皮焼きはとても珍しい!外はパリッと中はミディアムレアで鰻のコラーゲンと旨みが半端ない!フグでも身と皮の間はトウトウミと呼ばれ美味い部分。その部分が堪能できるオリジナルうなぎ料理だ。
コラーゲンつながりでお隣・三郷の『川魚根本』の蒲焼は生蒸しでコラーゲン感が楽しめると鈴木さんに振ると、鈴木さんがうなぎ問屋に勤めていた頃、根本へうなぎを納めていたそうです。先日、お話を伺った根本4代目のお父さんは、小さい鰻が混じっていると中川に放していたなどという話も聞けて、鰻ワールド全快です(^-^)
次に「うなぎのたたき」をいただきました。
皮は普通の白焼きよりも強く焼き、大根おろしやネギなどの薬味がトッピングされ、ポン酢とごま油ベースのタレ。ふかけられた胡麻、塩、山椒の風味が美味しさを一層引き立てます。
〆は、Aさんが提案したという蒸さない関西風で甘めのタレと蒸した関東風で辛めのタレの2種類の蒲焼がのった相盛りうな重。
関東風は、ふっくら蒸しあげて醤油と味醂だけで作ったキリリとしたタレがよく合う。川昌直伝の蒲焼ですね♪
関西風は、やや名古屋テイストを感じた。鈴木さんにそれをいうと、味の調節のためにたまり醤油が入っているとのこと。甘みもはちみつなど数種類の甘味をブレンドしてスッキリとした旨甘さに仕上げてある。もちろん、地焼きなので皮はパリッとしていてサクフワの蒲焼だ。
いろいろな鰻料理を美味しくいただき、鰻の話もたくさん楽しくできた素敵な時間でした。きっかけを与えてくれたAさんに感謝です!
鈴木さんをAさんたちは“(うなぎ)王子”と呼びます。この若さで知識も豊富で料理の腕も確か。納得のニックネームです。
『鰻樹』を回しているプリンスとプリンセス。厳しい状況の鰻業界に新風を吹き込んでくれることを心から願っています。
10位
2回
2017/07訪問 2017/08/08
【養鰻の革命児・泰正オーガニック鰻】
泰正養鰻の横山桂一さんが上京された。嬉しいことに一日ご一緒してくださるという。
今から1年半前、横山さんが泰正養鰻の様子をTwitterで発信し始めた時に「ここまで公開していいの?」と思いながらリツイートした。
相前後して、『鰻はし本』の3代目・橋本正平さんも相互フォロワーとなり、交流が始まった。
横山さんは、泰正オーガニック鰻が世に出る初期からのコアメンバーだと言ってくださり、とても貴んでくださる。
橋本さんとは、取引があり、お互いに良い品をお客様に提供する同志のような関係だが、私はいちサポーターに過ぎないのにである。
そのような人柄だからこそ、愛情を以て鰻を育てられるのだろう。
横山さんは、若い頃にプロゴルファーを目指していた異色の経歴を持つ養鰻家である。
横山さんがアメリカへゴルフ留学をしていた時のエピソードが泰正オーガニック鰻誕生秘話だと思ったのでご紹介する。
留学当初、英語での日常会話もままならない横山さんはファストフードばかり食べていたという。
そして、1ヶ月も経たないうちにアレルギーを起こして健康を害してしまったそうだ。
ファストフードには、食品添加物が含まれている。
加工食品を安全に届けるためには、食品添加物が重要な役割を果たすのも事実。加工食品に食品添加物を使わない方が、かえって安全を脅かされる側面もある訳である。だた、家庭で料理を作れば、食品添加物を避けることが出来る。
横山さんは、自炊を始めて健康を回復したという。
この時にお母様が愛情をこめて作ってくれた料理の有難さを実感したことだろう。
この時の体験が、泰正養鰻での薬を一切使わない完全無投薬、成長合わせて最適な餌を与えるという飼育方法に繋がっていると思う。
楽しい一日は、浦和の『くら川』さんで〆ることになった。
【和食の革命児・くら川】
『くら川』の料理の特徴は、さまざまな食材をある条件において良好な状態にし、調理して、店のウリである燗酒を始めとした酒の友にすることだ。
数年前から【熟成】がムーブメントになっている。
〈熟成肉〉がその口火を切ったように思う。
では、熟成とは?
例えば肉を熟成させれば、それ自体の持つ酵素の働きによってタンパク質が分解され、アミノ酸が増す。また、乾燥することで水分が飛んでうま味が濃縮し、強く感じられるようにもなる。肉質に関しては、熟成期間中に筋線維を硬くまとめていた結合組織中のコラーゲンがほどけ、軟らかくなるという。
熟成を促進されるためには外的環境を整える必要がある。
仮にタンパク質の分解に微生物が関わってしまうと腐敗してしまう。
〈熟成肉〉をウリにする店では、肉に特化して熟成環境を整えている。
しかし、料理に使うほぼ全てを熟成されるのは至難の業である。
食材の性質を考慮し、どんな身質に仕上げたいかを逆算した上で、時間と温度を設定し、管理しなければならない。
その至難の業を駆使した食材に料理の技を用いて、極上の酒の友に仕上げるのが『くら川』の料理人・蔵川雄貴さんだ。
供される酒も燗をする温度、時間を調整して料理や客の好みによって同じ銘柄でも味わいを変えてしまうのだから恐れ入る。
この日の料理の数々
【革命児たちの響宴】
美しさ、旨み、美味しさを堪能したが、この日の主役は何といっても『泰正オーガニック鰻』である。
愛情をいっぱいに育てた養鰻家の前で至高の料理人が腕を振るう場面に遭遇出来たのはうなぎ好き冥利に尽きる。
鰻は裂き立てが一番美味いといわれるが、その定説を覆すかのように蔵川さんは裂いた鰻を熟成させる。
熟成させた鰻に串を打ち、酒を吹きかけ炭火の上へ
皮目には、細かい焼き目がつき、芳醇な香りを放つ。
焼き上げた白焼にサクッ、サクッと小気味よい音とともに包丁を入れられて目の前に
皮はパリッパリッで噛めば口中に旨みが広がっていく。
横山さんは、リスのようにずっと口の中に含んでいたいと言っていた。
その気持ちはよ~くわかる。
蒲焼は胡瓜とともに最高級海苔〈彦兵衛の幻のこんとび〉に巻かれて〈究極のうなきゅう巻き〉として提供された。
蔵川さんから巻き立てを手渡しされて、その香りに圧倒されて
その匂いを吸い込んで、写真を撮るのも忘れ頬張ってしまった。
ご覧の皆様に雰囲気だけでも味わっていただくために
〈究極のうなきゅう巻き〉の動画を『くら川』さんから拝借させていただく。
二人の革命児の響宴を鰻喫させていただきGotoheaven…
志のある者の周りには、志のある者が集う。
ますます目が離せない。
泰正養鰻の横山桂一さんから八重洲『はし本』さん、所沢小手指『うなぎ屋酒坊・画荘越後屋』さんに加えて
日本橋小網町『うなぎ喜代川』さん、浦和『食と燗くら川』さんにも泰正オーガニック鰻の出荷を始めたと連絡があった。
前回の出荷の際は、喜代川さんはタイミングが合わず、くら川さんは入荷分は予約で埋まっているとのことで断念した。
今回はくら川さんへ問い合わせると幸いにも予約可能というので
大鰻友の【うなぎのぼりブログ】の管理人・ゆぽんたさんをお誘いして、クリスマスにうなぎと洒落込むことにした。
浦和駅西口を出て、浦和駅前交番の先の小路を左へ入る。
店頭の杉玉を見過ごしてしまうとお店に気がつかないような、正に隠れ家的な店である。
店内は、一枚板のカウンターのみで和風のBarを思わせる大人が食と酒を楽しむ空間が演出されている。
ゆぽんたさんから少し遅れるとの連絡が入ったので、お先に赤星をいただきながら待つこととする。
ビールグラスを持つと八重洲『はし本』さんでも使用している湯島『木村硝子店』の極うすグラスではないか。
店主の蔵川雄貴さんによれば、木村硝子さんの紹介でいらした八重洲『はし本』の橋本正平さんが泰正養鰻の横山さんを紹介したという繋がりだそうだ。
共通の知り合いがいれると近親感が増すというもの。蔵川さんと話も弾む。
ゆぽんたさんが到着して、本格的に食と燗の宴が始まる。
まず、最初の酒は鳥取「諏訪酒造」〈冨田山田錦精米七割生原酒〉
粋な盃に注いでグイッと
日本酒は冷や専門だった自分が燗酒も美味いと感じた瞬間。
始めの料理は〈京人参と苺の和え物〉
蔵川さんがいうには、同じ色目の食材は相性が良いのだとか。
赤い京人参と赤い苺を寝かせた赤酢で和えているが、蔵川さんの言葉通りで一発目から“くらっ”とする。
料理と燗酒を楽しんでいると、蔵川さんは本日の主役である鰻を焼くための炭を熾し始める。
素人目にも良い炭だということがわかる。
次も山陰の蔵元から島根『玉櫻酒造』〈玉櫻生もと純米山田錦70〉
丸みのあるふくよか旨味を感じる。
続いての料理は〈発酵白菜と蕪の玉〆〉
蕪の甘みと白菜の酸だけで味をまとめいるそうだ。
茨城産の白菜。
蕪は蔵川さん自ら千葉・八街へ出向き仕入れたという。
自分の出身地の隣町なので親しみを覚える。
子供ころから糠漬けなどで発酵させた白菜を食べ慣れているためか、懐かしさを感じる。
そこに蕪の甘さに熟成させた鰆でとった出汁と玉子が加わることで洗練した味へと昇華する。
余分なもの入れず、最低限必要なものだけを足す料理の奥深さに“くらっ”とする。
蔵川さんにどちらで料理の修業をしたか、を尋ねると全くの独学だという答えが返ってきた。
これまた“くらっ”とする。
なるべく余分な調味料を使わずに素材本来の旨味を熟成や発酵で引き出すのがこだわりのようだ。
お目当ての泰正オーガニック鰻に鉄串が刺されて
炭火の上にのる。
鰻の身が膨らむと同様に自分の胸も膨らんでくる。
山陰の酒が続いた次は地元・埼玉から。
さいたま市のお隣・蓮田『神亀酒造』の〈神亀手造り純米酒〉
埼玉や東京北部の鰻店では定番の日本酒である。
冷酒だと少し癖のあるコクを感じる酒だが、燗をすると円やかに感じるから不思議だ。
燗酒の魅力にはまりそうである。
神亀に合わせるのは〈自家製珍味盛り〉
〈イカの塩辛〉〈鯨ベーコン〉〈あん肝ペースト〉〈鮭とハラコの麹漬け〉
美味しいつまみに美味しい酒、言葉はいらない。
鯨ベーコンだけひとこと。
自分たちのように鯨を食べて育った世代はわかると思うが、鯨の味を知らない人に聞けば、鯨とはわからないかもしれない。とにかく美味い。
そろそろ泰正オーガニック鰻は皮目が綺麗に焼かれてもうすぐ仕上がり。
焼き上がった鰻に包丁が入る。
その時の“サクッ”という音が堪らない。
さあ、泰正オーガニック鰻の〈白焼〉が登場。
ひとことで表せば、パリプリの白焼。
鰻の旨味がギュギュっと詰まっている。
良質の鰻にそれを引き出す技を鰻喫する。
微かに清流で育った鮎の香りがする。
『くら川』では、泰正オーガニック鰻を使う前は天然鰻を使っていたという。
このレヴェルならば、天然物と遜色がないだろう。
ミシュランガイド星付きの日本料理店では、太物の天然鰻を使用していると聞く。
資源問題で天然鰻は規制がさらに強まるだろう。
その時、共水うなぎや泰正オーガニック鰻のような良質の鰻を育てる生産者の需要がさらに高まることは想像に難くない。農家や畜産家が前面に出て、安心安全で美味しい食材を訴えるように養鰻家も前面に出てほしいと願う。
鳥取『山根酒造場』〈日置桜 純米吟醸 伝承強力〉
旨味があるのにキレがある飲み口。
ゆぽんたさんは「地焼きの白焼には、西の酒があいますなぁ」とご鰻悦の様子。
おっしゃる通りだ。
〈お造り盛り合わせ〉鰆、鬼カサゴ、鯛
鰆は1ヶ月、鯛は11日熟成させているという。
ほんの少しの塩をつけていただくと旨味、甘味が堪能できた。
新鮮な鬼カサゴのコリコリとした食感との対比が面白いお造りの盛り合わせ。
〈香箱蟹〉
内子と外子も合わせてあり、美味しすぎて笑顔満蟹。
奈良『久保本家酒造』〈生酛のどぶ 生原酒〉
旨味がしっかりあるのにスッキリとしている。
燗酒の醍醐味を少し知ったような気がする。
すっかり美味しい料理を堪能し、燗酒に魅了されたひと時を過ごさせていただいた。
隣の席にはご夫妻で楽しまれている方がいらした。
奥様に声をかけていただく。
お話していると奥様は何と、高校の後輩で、しかも奥様の父上は高校ラグビー部の先輩とだという。
泰正オーガニック鰻を追いかけてやってきたが、ご縁の不思議さに驚いてしまう。
もっとも『くら川』さんとのご縁も木村硝子さんが鰻専門店である橋本さんを紹介していなければ始まっていないのだ。鰻の紡いた全てのご縁に感謝する。
当の鰻は「つかみどころなく、不思議な生き物さ」と言っているに違いない。
ご一緒したゆぽんたさんの【うなぎのぼりブログ】
「食と燗くら川~噂のオーガニック鰻をいただく」
http://moumoutwins.blog59.fc2.com/blog-entry-906.html
5月17日に発売になった
『ミシュランガイド愛知・岐阜・三重2019特別版 』には
愛知県では11店、岐阜県では3店、三重県では7店のうなぎ屋さんが掲載されました。
『うな豊』さんも
ミシュランの基準を満たした料理としてミシュランプレートに掲載されました。
名古屋へ行く用事があったので、お祝いを兼ねてお邪魔しました。
ミシュラン掲載店の証が額入りで飾ってあります。
〈うな重〉
うなぎ屋さんが評価をされたといえば
フラッグシップメニューである〈うな重〉ですよね。
地焼きのうなぎの美味しさを
”カリふわ”と表現しますが
うな豊さんの〈うな重〉は
”サクとろ”です。
外はサクッと中は江戸前のうなぎのようにとろけます。
〈きも焼〉
うな豊さんは、肝を別に仕入れることはせず
活鰻を裂いて出た肝だけを使用。
肝吸いにも肝を使うので
〈きも焼〉は、正にレアアイテム。
うな豊さん
ミシュランガイド掲載 おめでとうございます!
今日も美味しかった(^◇^)
ごちそうさまでしたm(__)m
令和改元を記念して
(一社)日本己書道場・本部にて
杉浦総師範の特別幸座が開催されます。
こんなチャンスは滅多にあるものではありません。
すぐさま申し込みをしましたよ。
18時からの幸座なので、その前に早夕飯。
ここは、やはり
『うな豊』さんでしょう!
鰻福感のノボリが出迎えてくれます。
開店20分前の到着にも関わらず
既に1巡目に入れるかどうかの瀬戸際(~_~;)
さすが人気店です
運良くギリギリ1巡目に入店。
お隣の席には、香港からのお客さま
昨日は売り切れ仕舞だったとか
香港の日本紹介サイトで
『うな豊』さんは人気店にランクインしているそうですよ!
国際交流を楽しんでいると
〈紅白重〉が到着
やはりお祝いには〈紅白重〉ですよね(*^^*)
蒲焼も白焼も
食べられて幸せです。
あー 大鰻足(((o(*゜▽゜*)o)))
服部さん
今日もご馳走さまでした
令和も【運気うなぎ昇り】間違いなし!
皆さんは【己書(おのれしょ)】をご存じだろうか。
私もつい最近まで知らなかったのだが、知らずに目にしていたのである。
己書とは
◆己(おのれ)の書
自分だけの書。オンリーワンの書の事です。
◆書道・習字などと全く異なり
書き方・書き順など、条件にとらわれることなく
自分の心のままに描く書の事です。
よって常識を破った「新感覚の書」です。
己書長田道場ブログから引用
http://ameblo.jp/onorenagata/
名古屋市瑞穂区の『炭焼きの店うな豊』さんに飾ってある〔運気うなぎ昇り〕は初めて『うな豊』さんへ伺った時から目にして、素敵だなぁと感じていた。
『うな豊』さんには他にも味のある文字に癒される絵が描かれた額が飾ってある。
2016年11月27日に伺った時にうなぎ七福神が描かれている〔福うなぎ昇り〕の額が新たに飾ってあり、当ブログ「名古屋うな豊 ~しあわせの鰻屋~」の中でご紹介させていただいた。
Facebookにリンクをシェアしたところ、これらの作品を描かれた杉原ヤスシ先生からいいね!をいただき、交流が始まった。そして、杉原先生が己書の師範であることを知り「いつか、うな豊さんでお会いしましょう」とメッセージを交換した。
その話をFBうなぎ愛好会の主宰者であるゆぽんたさんにしたところ、具体的な話になり「第6回うなぎ愛好会の集いin名古屋」の開催に至った訳である。
期日は2017年3月12日・日曜日
何故に日曜日にしたかというと
『うな豊』さんは次の日は定休日なので大将の服部さんをお誘いして二次会を行おうと目論んだからだ。
時間は19時ごろ参加者が『うな豊』さんに集まり、銘々好きな物を頼み、うなぎ談議を楽しもうというゆる~い企画である。
待ちに待った当日、ワクワクし過ぎて18時頃に最寄りの瑞穂運動場西駅から『うな豊』さんへ歩いていると駐車場に所沢ナンバーの車を発見。やはり、埼玉から参加のうなぎ愛好会メンバーだった。今回の参加者は関東から自分を含めて5人、地元・名古屋から4名の参加である。
日曜日の晩ご飯時とあって『うな豊』さんは順番待ちが出来る盛況ぶりだ。
19時近くなり、メンバーが全員集まり店頭で初めてお会いするか方のご挨拶からのうなぎ談議。
程なく、うな豊さんの看板お嬢が店内へ案内してくださる。
席に着き、各々好みの品をお願いして、しばしうなぎ談議に入るかと思いきや己書師範の方がその場でさらさらとご挨拶代わりの書を書いてくださる。その筆さばきの素晴らしさに一同見惚れしまう。
参加者が注文した一番人気はうな豊さん絶品の蒲焼も白焼もいただける〈紅白重〉
9名中7名がお願いした。私もその中のひとり。
地焼きの美味しさを“かりふわ”と表現するが『うな豊』の白焼は歯当たりは“サクッ”と噛めば“ふわ~”とジューシーに旨みが広がる。そのサクッふわの白焼を三河産の白醤油いただくのがうな豊流。
思わず皆さん鰻面の笑みがこぼれる。
〈うな重〉はサクッふわの鰻に名古屋の中では甘さを控えたタレを纏った蒲焼に少量ずつ心を込めて炊いたご飯が口も心も幸せを感じる。
〈うな重〉を半分堪能した後は、別注の〈薬味出汁セット〉をお願いして、薬味だけを乗せて、お出汁をかけてとひつまぶし風に楽しむことも出来る。
白焼だけ存分に堪能したい方が頼んだのは〈白焼重〉
小食の方は〈うな丼〉という1,500円というリーズナブルな価格でチョイスも出来るところが『うな豊』さんの良いところ。
美味しいものを食べているときは、皆さん無口になり、うなぎ談議もしばしお休み。
微笑みだけが行き交っている不思議な光景だ。
途中からお店を仕舞って岐阜・多治見から『うなぎ日本料理優月』店主の三宅輝さんも駆けつけてくださり、さらに賑やかな宴になった。
仕事が一段落した『うな豊』大将の服部公司さんも加わり、記念撮影で大団円。
『うな豊』の大将はじめスタッフの皆さん、参加者の皆さん、楽しいひと時を心から感謝です。
この後の2次会組は、地元の鰻専門店主も加わって未明まで”口を開けはうなぎの話”だったとさ。
参加メンバーの記事第六回うなぎ愛好会の集いin名古屋~炭火焼の店うな豊 (うなぎのぼりブログ)
紅白重~うな豊 (~波乱万丈fumifumiのジムとおいしいものと日常~)
杉原先生に〔福うなぎ昇り〕の額をいただき、部屋に飾らせていただいた。
〔うなぎ七福神〕がうなぎ大好きの鰻行脚を見守ってくれているような気がする。
杉原先生にこの場をお借りして、改めて御礼を申し上げます。
===2016年11月27日===
月曜日の午後から用事があり休みをとった。日曜の午前の仕事が終われば、図らずも丸一日休みになる。
早朝の新幹線に乗れば用事に間に合うので、急遽、名古屋へ行こうと思い立った。
行先は『うな豊』
以前、大将と「大将が休前日の日曜の夜ならゆっくり話が出来ますね。」と話していたからだ。
大将の予定を聞くと大丈夫だというので日曜の午後の新幹線に乗った。
大将とは年齢も近く、価値観も合うので近親感が湧き、一方的に慕っているからだ。
『うな豊』で鰻を食べた後、大将の仕事が終わるまで何処かで暇を潰そうとしたが、大将が夏場と違うので店で待っていても良いというのでお言葉に甘えることにした。
『うな豊』は鰻を裂いたり、焼くところが客席から見える造りになっている。
甘えついでに大将が鰻を裂くところじっくり見せてもらうお願いをした。
鰻の裂き方は関東では背開き、関西(中部以西)では腹開きというのは以前も述べたとおりである。
では、鰻を裂く道具は普通の包丁ではなく、うなぎ裂という専用の包丁を使うのをご存じだろうか。
うなぎ裂は、一本でうなぎの身を開き、骨とヒレを落とすことができるように作られている鰻を裂くことに特化した片刃の和包丁である。
それも地域によって違いがある。
『入谷鬼子母神門前のだや』に飾られているうなぎ裂包丁
うなぎ裂は関東裂と関西裂に大別できる。さらに関西裂を細かく分ければ京都裂、名古屋裂、大阪裂、九州裂に分けられる。
関西と関東でうなぎ裂の形が違うのは、背開きをするか腹開きをするかの違いから来ているという。
関東の背開きでは、すぐに中骨に引っかかってしまう。そのため、より切り込みやすいように三角形の鋭い切っ先がついている。腹から開く関西の裂き方は、腹側に内蔵がある分柔らかく尖った刃先がなくても問題がないということらしい。
大将にうなぎ裂を見せてもらった。
大将と三代目のうなぎ裂。
大将のうなぎ裂は、名古屋裂きの片鱗を留めつつ使い込むことで江戸裂に近い形状になっている。
三代目のうなぎ裂は、柄のついた大阪裂のように見える。
職人さん毎に使いやすいように研いだり、削ったりもするということだった。
やはり、道具へのこだわりは並々ならぬものがあると感じた。
武士の魂が刀だとすれば、うなぎ裂は鰻職人の魂ということだろう。
大将の鰻を裂く姿は見とれてしまう美しさとリズムがある。しかも早い。
注文を受けてから裂くのでお客さんを待たせないためにもスピードも必要なのだろう。
http://unagi-daisuki.com/wp-content/uploads/2016/11/unatoyo01.mp4
今日は時間があるのでアラカルトもお願いする。
まず〈う巻き〉
タレのほかに岩塩、薬味に刻みネギがるのがユニーク。
〈うざく〉
酸いも甘いも知っているとこの味になるのだろう。
〈紅白重〉
これは待ち望んでいたメニュー。
『うな豊』に来たら名古屋の地焼きうな丼も白焼きも食べたい。
しかし、両方一人前ずつは少しきつくなってきた自分のニーズにぴったりで嬉しい。
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蓋を開けるとまず〈白焼〉
二段重の下の段にはハーフの〈うな重〉
まず〈白焼〉から
地焼き鰻の食感をよく“パリふわ”と表現するが、『うな豊』はまずサクッとクリスピーさが楽しめる。
次に鰻の脂がジュワーと来て、身が口の中でフワッととろけるのだ。
この感覚は、蒲焼でも味わえるが白焼では殊更に楽しめる。
皮目の美しさを目に焼き付けたら、まずそのままいただく。
次に岩塩をちょっぴりつけけて鰻の脂の甘さを引き立てて
そして、薬味ともに白醤油のタレで〆る。
残りは一番気に入った食べ方でいただく。
以上が私の『うな豊』〈白焼〉の食べ方である。
『うな豊』へ来たら名古屋風に〈白焼〉も3つの味わい方を楽しむのだ。
〈うな重〉は蒲焼の美味しさを味わったら
ご飯も堪能しよう。
お客さんの入りに合わせてこまめに炊いているご飯のお陰でいつも炊き立てが味わえる。
盛り方も杓文字で切るようによそうことで美味しくなる。
初代の頃から勤めている大将よりベテランの店員さんのご飯のよそい方は神業らしい。
鰻の香りとタレの染みたところにミル挽きの山椒を少々振る。
うなダレご飯も商品になると思わざるを得ない美味しさだ。
炭火で焼かれたプリップリの肝の入った肝吸いを味わったら
余った吸物に薬味とご飯を投入すれば、お茶漬け風にもいただける。
ちなみにこの行為は『うな豊』では推奨しない。
行儀が悪い上に吸物を残さずとも『出汁セット』という商品があるからだ。
くれぐれも良い子は真似しないでほしい。
大鰻足で鰻福になり、大将を待っていると〈肝焼き〉を注文するお客さんがいる。
いつ今しがた頼んだ時は品切れだったはず。
大将に聞くと今は出来るという。これは注文しないといけない。
『うな豊』の〈肝焼き〉は活鰻を裂いて出た分しか用意が出来ない。
〈長焼〉〈白焼〉など肝吸のつかない注文が一定数出た時にだけ、提供できるレアなメニューなのだ。
裂き立ての肝だから味わえるプリプリ感は堪えられない。
『うな豊』のメニューをひと通りいただいて、大鰻足。
壁に掛けてある杉原ヤスシ先生の絵ではないが「福うなぎ昇り」である。
店仕舞いを待って、大将と日付が変わるころまで語り明かした。
何を話したのかは、二人だけの内緒の話。
「口を開けば、うなぎの話」なのは知っている人は知っているけれど…。
後日談『うな豊』へ入ると、皆さん元気に明るく「いらっしゃいませ!」
しかし、大将は早口で何を言っているのか、聞き取れない。
「いらっしゃいませ」と「しあわせ!」は同じ周波数なので素早く「しあわせ!」と言うと「いらっしゃいませ!」に聞こえるという。
だから早口で「しあわせ」と言っているそうだ。
だから『うな豊』は「しあわせの鰻屋」なのである。
ご馳走様!ありがとう!しあわせ!
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2016年3月20日
「炭焼きの店 うな豊 ~名古屋鰻福ツアー Chapter2 ~」
名古屋ガイシホールでのチケットがとれた段階で「3月20日にカミさんを連れて、お邪魔します」と『うな豊』さんの服部公司社長にはお願いしておいた。
当初の予定では、『うな豊』さんの最寄り駅・瑞穂運動場西駅で名古屋市営地下鉄・桜通線で乗り換えなしで名古屋駅に出られるので旅の最後に伺う予定でいた。
ところが親しくさせていただいている「浦和のうなぎ日記」のけいすけさんから連絡が入り、連休は愛知県にキャンプへ行くので20日の昼に名古屋まで足を延ばしてうな豊さんへ行くというではないか?!
お互いの仕事の都合でなかなか会うことが出来ないので、急遽、予定を変更して昼にうな豊さんへ行くことにした。
けいすけさんが仕事で愛知県へ出張の帰りに東名高速・浜名湖S.A.で買ったうなぎ弁当ではじめての地焼きうなぎが蒸しの入った関東風のうなぎとはとは違った美味しさを発見したというので
「また、愛知県へ行ったら名古屋のうなぎはまた美味しさが違うよ。特にうな豊さんは他の店よりタレがキリッとしているから関東の人間でも違和感なく食べられるよ。」
と言ったのを覚えていてくれたのだ。
そう、自分が感じるうな豊さんのうなぎの良さは、関東では馴染みの深い小さめのうなぎを使用していて、地焼きの技でパリフワに仕上げて、キリリしたタレをまとってる点だ。それにご飯が美味い。
しかも大将の服部社長は、気さくで元気で「運気うなぎ昇り請負人」なのだ!そして、建物はレトロで渋い!4代目の若にお嬢さんほかスタッフのアットホームな雰囲気もいい。あげればキリがない(笑)
自分たちが地下鉄を乗り継いでうな豊さんへ着いた時には、けいすけさんたちはすでに入店していたが、食べ終わって出てきたときに少しお話が出来て嬉しかった。
自分たちが着いた時には店頭の待合椅子に座れない人が行列を作っていた。
芸能人やスポーツ選手も贔屓にしている人気店なのだ。
うなぎ好きは待つのは苦にならない人が多いが、うな豊さんの換気扇から出てくる良い匂いには待っている間にノックアウトされる人が出るかもしれない(笑)
この良い匂いが記事に載せられたらと思うほどだ。
順番が来て、入店!
服部社長やうな豊さんの皆さんにご挨拶をして、席に着く。
他では食べられない唯一無二の「白焼き重」「特上丼」と「お出汁と薬味セット」をお願いした。
「肝焼き」は売り切れだったのが残念(T_T)
「白焼き重」は薬味セットと白醤油のタレがついてくる。
うなぎと海苔の相性を確かめるべく、はじめはそのままいただく。地焼きのジューシーな白焼きと海苔はあう!
岩塩をお願いして、少しふって食べるとまた一味違う美味しさ。
最後は薬味をのせて白醤油のタレで
白焼き重の3つの美味しさを発見してしまった(´▽`)
どれも どえりゃ~ うみゃ~ ♪
「特上丼」に「お出汁と薬味セット」
うなぎ様に後光がさしているような美しさだと感じません?
パリフワのうなぎ様にキキリとしたタレがあう~(#^^#) デラウマ!
半分はそのまま美味しくいただき、残した半分には薬味をのせて
お出汁をかけるシーンは、明るいピアノ曲にのせて
通常のひつまぶしのように刻んだうなぎよりも大きくカットしたうな様の出汁茶漬けの方が自分は好きかもしれないことに気付いた。
丼に少し余らせておいたタレご飯。
うな豊さんは、少量ずつ炊いて、炊き立てのご飯を出すこだわりも魅力のひとつ。
テーブルの上のミルに入った山椒。挽き立てをご飯の上にハラリとかける。
予想通りデラウマ!
うな豊さんのデラウマうなぎの新たな食べ方をたくさん発見して嬉しいな(*^▽^*)
カミさんもジューシーなのにしつこくないうな豊さんのうなぎに大鰻足!
もっとガッツリ食べたくなるって(笑)
次回は1.5尾つけの「うな豊丼」かな?
美味しいうなぎ、元気な大将、フレンドリーなスタッフに感謝です!
ご馳走様でしたm(__)m
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2015年11月25日
「炭焼きの店 うな豊 ~名古屋弾丸うなぎツアー その2~」
2015年は、これまで2度、名古屋へ行っている。
1度目は、成人の日の3連休の日曜日。この日は、夕方から栄のライブハウスで行われる音楽ライブが目的だった。
昼は名古屋の鰻を食べようと軽い気持ちが間違いだった。
以前から「うなぎ大好き」でリンクを貼らせてもらっている『うな豊』さんも食べログ・名古屋うなぎランキング1位の『うな富士』さんも長蛇の列。とても開演時間に間に合いそうになかったので断念(>_<)
7月は、海の日連休あとの火曜日に。
『うな富士』さんは第3火曜日で休み。『うな豊』さんは、前日祝日営業の振り替えで休み。
2度目の名古屋行きから少して『うな豊』の服部公司社長とFacebook、Twitter、LINEとメジャーなSNSでご縁が出来た。
何度も何度もやり取りをしていると、どえりゃあ鰻愛のある方というのがひしひしと伝わってくる。
服部社長は、以前にご紹介したうなぎ屋さんのSNSネットワーク「鰻福会」の会長でもいらっしゃるのだ。
来年3月に名古屋へ行く用事があるので、その時には絶対に行こうと決めていたが、2月に埼玉県で鰻福会が予定されており、『うな豊』さんに鰻を食べる前にお会いしてしまうかもしれない。今年中に会いたいという衝動に駆られた。いつ行く?今でしょ!とばかりに日曜日、午前中に仕事が終って、新幹線にワクワクしながら乗り込んだ。
名古屋市内までの切符を無駄にしないために鶴舞駅までJRで行き『うな富士』さんで鰻福感を得た後に地下鉄を乗り継いで「瑞穂運動場西駅」に降りた。すっかり暗くなっていたが、1月に来ているので迷うことはない。
玄関の扉を開き、店内へ入って左を向くとネット上で拝見する見覚えのある方と目が合ってしまう。お見合いの席に着く前に顔を合わせてしまったようにどちらからともなくはにかみながらニヤリ。
ご挨拶をして、厨房前のテーブル席に腰をおろす。
『うな豊』で絶対に食べたかった「白焼き重」と「上うな丼」をお願いする。
服部社長、いや大将と呼ばせてもらう。大将は、氷で〆てある鰻を裂き、鉄串に串にさすと炭火の上に乗せる。
鮮やかな焼き姿に思わず席を立ち、見入ってしまう。
撮影の許可をいただた職人技!
真っ赤な炭火の上で焼いたかと思うと火から遠ざかったところで団扇を仰ぐ。素人にはうかがい知れない技のオンパレードに見とれてしまう。
大将は学生時代にドラムを叩いていたそうなので、そのリズム感が伝統の技に活かされているのかと思ったりもする。
まず、「白焼き重」が到着。
恒例の蓋を開けるシーンも#うなパカ動画で
「白焼き重」は白醤油にねぎと山葵を溶いて、白焼き重にかけて食べる。
そのシーンも動画で
「白焼き重」は、うなぎ好きのみならず、同業のうなぎ屋さんも絶賛する逸品である。
関東でも白焼き丼などを出す店はあるが、たいがいは濃口醤油に山葵か、白焼き丼専用のタレをぬって焼いているところがほとんどだと思う。
白醤油に薬味を溶いて、かけて食べるのは初めてだ。でらうまいっ!
大将のお母様の実家もうなぎ屋さんでやはり白醤油をかけて提供していたそうだ。
やはり、鰻料理は地域独特の食文化を持っているのだ。
そして「上うな丼」
美しいビジュアル!
名古屋の他店と比較すると若干色が薄く見えるのは甘さを抑えたタレのためかもしれない。
関東の鰻で育った自分には、江戸前風のキリリとしたタレで地焼き鰻を食べたら美味いだろうな!と妄想していた。
『うな豊』の蒲焼は、妄想が具現化したある意味憧れの蒲焼だった♡
短時間で3杯目は流石にきつく、最後のご飯は少し冷めてしまった。
しかし、冷めてもご飯が美味いのである。
大将にいうと「いっぺんにたくさん炊かない」という。鰻も焼き立てが美味いようにご飯も炊き立てが美味いという拘りなのだろう。
後で聞くとこの日は大将の長男である3代目の若が焼きの担当に日だったそうだ。
しかし、若が大将に焼くように頼んでくれたそうだ。有難いことである。
多くのうなぎ屋さんは後継者問題に頭を悩ませていると聞くが、こちらは若がしっかり引き継ぎつつある。
若の焼き姿も拝見したが、なかなか堂に入っている。
うな豊の味の基準点がしっかりしているので、若が焼いてもブレが少ないのだろう。
多くのうなぎ屋さんを食べ歩て感じるのは、味の基準点がしっかりしているのが名店の代名詞でもあるからだ。
大将が手が空いた時にたくさん話をさせていただき、2ショットも撮っていただいた。
2人で鰻面の笑みだ~(笑)
大将は運気うなぎ昇り請負人を名乗っている。
店の至る所に運気上昇グッズがある。
欄間には運気うなぎ昇りの額が飾ってある。
床の間には招き猫ちゃんもいる。
大将に若、看板娘のお嬢さんに気が利き、気さくなスタッフたちに囲まれて、気取らずにでら美味の料理をいただけば、すこぶる鰻福感を得られるのは確実だ!
帰りにはうな豊オリジナルの缶バッチとうな豊ネーム入りの作務衣をいただいた。
「うな豊ファミリー」に入れてもらたのかな?
鰻は焼けないので、運気うなぎ昇り請負人だけでも継承出来たらいいな。
うなぎ屋さんに「うなぎ大好き」が来ると運気が上がるって言われるように、たくさんうなぎ屋さんへ行かなければ(爆)
鰻福! 鰻足! 円鰻! 鰻開!