地図アプリで最も“危険な”操作は、地図の拡大と縮小だった
高速通信が使えて月額1000円以下、という格安SIMを体験する本企画。第8回はビジネスシーンではもちろん、プライベートでも使う機会が多い地図アプリを取り上げる。一口に地図と言っても、単に地図を見るだけでなく、ナビゲーションを使ったり、地図関連の機能として鉄道の乗換案内を見ることもあるだろう。そこで今回は、Androidスマホにプリインストールされている「マップ(Googleマップ)」とジョルダンの「乗換案内」の主な機能をそれぞれ使って、通信量をチェックしてみた。データ通信量は、いつも通り「U-mobile*d」を差しているXperia Z1の設定画面から「データ使用」を開いて確認する。今回チェックした操作は以下の7つ。それぞれの通信量は以下の通りだ。この中では、目的地の検索を行った1と2で大量のデータ通信が発生した。操作自体は地図の拡大/縮小や、現在地から目的地までの画面をスワイプしたくらいだが、1分程度であっという間に3Mバイトを超えた。航空写真を表示すると、データ通信量はその約4倍にもなり、表示に時間もかかるので、あまりオススメできない。格安SIMでマップを使う場合は、使うたびに通信が発生するので、MapFanなどオフラインでも利用できる地図アプリを使い、Wi-Fi接続時にあらかじめ地図をダウンロードおくとよい。オフライン操作に対応しないアプリでは、Wi-Fi接続時に地図のスクリーンショットを撮り、後で画像を見て確認するのが有効だ。一方、乗換案内アプリは目的地までの駅を検索して、いくつかの候補をチェックし、運行情報を10件ほど読んでも、通信量は少ない。Googleマップのナビ機能で鉄道のルートを検索したところ、データ通信量は2Mバイトを超えた。通信量だけを見ると多いように見えるが、ルートを表示するだけでなく、そのまま現在地を表示しながら鉄道に乗って移動し、ときどきマップを見る、という使い方をしている。約40分間通信をしていたので、長い時間使った割には通信量は少ない印象を受けた。徒歩のルートナビも鉄道のルートナビとほぼ同様で、ナビの案内を受けながら(通信をしながら)30分間歩き続けて、2Mバイト強だった。ルートナビは、日々の移動というよりも休日や出張で使うシーンが多いはずなので、それほど心配しなくてよさそうだ。なお、現在地の共有機能はURLをメールで送るだけなので、通信量はわずかだ。気にしなくてよいだろう。地図機能を使う際に最も注意すべきは、何気なく目的地を探して、画面上を何度も拡大縮小したりする操作だ。スマートフォンは気軽に画面の拡大縮小ができるが、地図の閲覧は多くのデータ通信が発生する。地図をしばらく操作したいときは、Wi-Fiに接続しよう。一方で、このほかの機能はWi-Fi接続でなくとも問題はなさそうだ。外出先での乗換案内は比較的少ない通信量で済み、ナビゲーションもひんぱんに使わなければ、あるいは長時間使い続けるようなことがなければ、さほど通信量を気にすることはないだろう。(誠Biz.IDより)------------------------------ちょっと変わった視点からの検証が面白い。この企画自体は格安SIMを大将としているのでちょっと特殊かも知れない。多くの利用者がパケットフリーであろうことを考えればあまり気にしなくてもいいのだろうが、プランによっては通信容量制限などもあるわけで、知っておいて損はないだろう。レポートでは地図の拡大縮小の通信負荷が大きいこと、航空写真はさらに拍車をかけることが報告されている。理屈からいえば大縮尺で移動を続けるのも同様だろう。こういったデータ通信の負荷は何となく体感的に分かってはいても、定量的に示されるとなるほどな、という気持ちになるから不思議だ。今回はGoogleマップでの検証だが、他の地図サービスとの比較があると面白い。画像とベクトルの違いなども見てみたいが。