九州大学と東京工業大学、理化学研究所、スペインのバルセロナ・スーパーコンピューティング・センター、富士通による国際共同研究グループは11月18日、スーパーコンピュータ(スパコン)の国際学会「SC16」において公開された、ビッグデータ処理(大規模グラフ解析)に関するスパコンの国際的な性能ランキング「Graph500」にて、スパコン「京」が2016年6月に続き4期連続で第1位を獲得したと発表した。

Graph500は2010年より始まったスパコンランキングで、グラフの幅優先探索(1秒間にグラフのたどった枝の数、Traversed Edges Per Second:TEPS)という複雑な計算を行う速度で評価され、計算速度のみならずアルゴリズムやプログラムを含めた総合的な能力が必要とされる。

なお、2016年11月版のGraph500における「京」のベンチマークスコアは38.621GTEPSで、前回(2016年6月発表)と変化はない。また、2位は中国「Sunway TaihuLight(神威・太湖之光)」、3位は米ローレンスリバモア国立研究所(LLNL)の「Sequoia」、4位は米アルゴンヌ国立研究所(Argonne National Laboratory)の「Mira」、そして5位は独ユーリッヒ研究所の「JUQUEEN」となっているが、いずれも前回同様の順位とスコアになっている。変化があったのは6位以下で、6位に8192ノード利用の「Mira」が新たにランクインした結果、7位に前回6位だった伊CINECAの「Fermi」が下がり、併せて前回7位だった中国「天河2号」が8位に、9位に4096ノードの「Mira」が新たにランクインした結果、前回8位の仏GENCIの「Turing」が10位にそれぞれ後退している。

2016年11月に公開されたGraph500の上位10システム (出所:Graph500 Webサイト)