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バイデン米大統領は23日、人手不足の連邦裁判所に判事66人を増員する法案に拒否権を行使した。法案が実現すれば、1990年以来の連邦判事の大幅増員になるはずだった。
トランプ次期米大統領の就任を2025年1月に控える中、足元で相次いで開かれた主要中央銀行の金融政策判断などへの影響が鮮明になっている。米連邦準備理事会(FRB)が来年の利下げ想定回数を減らしたほか、他の主要中銀も金利見通しに関して慎重な姿勢を示した。
米連邦準備理事会(FRB)が21日公表した7月30─31日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、当局者の「大多数」が、経済指標がほぼ予想通りとなれば、次回9月の会合で「金融政策を緩和することが適切となる公算が大きい」という見解を示していたことが分かった。
7月の米雇用統計が示した労働市場の急減速が世界同時株安を引き起こし、米連邦準備理事会(FRB)が次回9月の通常会合を待たずに利下げを行う可能性についても観測が強まった。
7月の米雇用統計は予想外の弱さで金融市場の動揺を誘い、9月に想定される米連邦準備理事会(FRB)の利下げ幅の全面的な見直しにつながった。
米連邦準備理事会(FRB)のクーグラー理事は18日、インフレ低下の兆しが出ているとの認識を示し、インフレ率は現時点でなお高すぎるものの、経済情勢が「正しい方向」に進み続ける限り、年内の利下げ開始が適切になると述べた。
米供給管理協会(ISM)が5日に発表した5月の非製造業総合指数は53.8と4月の49.4から上昇し、拡大・縮小を示す50を上回った。ロイターがまとめた市場予想中央値の50.8も上回り、昨年8月以来の高水準となった。
企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が5日発表した5月の全米雇用報告によると、民間部門雇用者数は15万2000人増加した。予想の17万5000人を下回り、伸びは今年1月以来の低水準になったほか、過去1年間の平均である19万4000人も大幅に下回った。
月次の景況感調査であるミシガン大消費者信頼感指数を支持政党別に算出すると、11月の米大統領選の勝敗を左右しかねない無党派層の数値が悪化しており、共和党員の厳しい見方に近づいている。有権者は経済を最大の課題に挙げているため、民主党候補のバイデン氏は逆風が強まっている形だ。
全米独立企業連盟(NFIB)が4日に発表した3月の調査によると、米中小企業の採用計画が、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で経済がリセッション(景気後退)に陥った2020年5月以来の弱さとなった。
米連邦準備理事会(FRB)は1日、議会に半期ごとに提出する報告書で、金融の安定性に「顕著な」脆弱性があるとしながらも、昨年春に銀行が直面していたストレスは後退したとの認識を示した。
米労働省は23日、米国の就業者に占める労働組合加入者の比率が過去最低の10.0%だったと発表した。昨年はラストベルト(さびた工業地帯)やハリウッドなど各地で労組によるストライキが相次ぎ、コーヒーチェーン大手スターバックスなどで労組結成の動きが進んだにもかかわらず、労組加入率は過去最低だった2022年の10.1%からさらに低下した。
2024年を目前に控え、欧米の投資家、エコノミスト、ビジネスリーダー、そして消費者は共通の期待を抱いている。それは利下げの開始だ。
米ミシガン大学が10日発表した11月の消費者信頼感指数(速報値)は60.4と、前月の63.8(確報値)から低下し、5月以来の低水準となった。低下は4カ月連続。市場予想中央値の63.7も下回った。
米抵当銀行協会(MBA)が18日発表した13日までの週の住宅ローン申請指数は166.9と前週比6.9%下がり、1995年5月以来28年5カ月ぶりの低水準になった。
全米自動車労組(UAW)による初の一斉ストは、長引けば米経済の足かせとなり、雇用が3年ぶりに減少に転じる恐れがある。損失は1日当たり5億ドル超になるとの試算もある。