行

漢字

行

部首: 行行 + 0 画
総画: 6画6
異体字 : 𧗟, 𬠿（同字）
筆順 :

字源

象形。十字路を象ったもの^{[字源 1]}。「みち」「ゆく」を意味する漢語｛行 /*gaang/｝を表す字。仮借して「やる」「おこなう」を意味する漢語｛行 /*graang/｝にも用いる。

甲骨文字	金文	金文	金文	簡帛文字	簡牘文字	小篆	流伝の古文字

殷	西周	春秋時代	戦国時代			《説文》（漢）	《六書通》（明）

↑ 羅振玉『殷墟書契考釈』永慕園、1914年、20頁。
裘錫圭『文字学概要』商務印書館、1988年、117頁。
張世超、孫凌安、金国泰、馬如森『金文形義通解』中文出版社、1996年、420-425頁。
季旭昇撰『説文新証』芸文印書館、2014年、138頁。
林志強等評注『《文源》評注』中国社会科学出版社、2017年、190頁。

意義

（ギョウ・コウ・アン）いく。ゆく。移動する。
- 行路、走行、徐行、旅行
（ギョウ・コウ・アン）移動可能な。臨時の。
（ギョウ・コウ）おこなう。やる。
- 行動、言行、実行、遂行
（ゴウ・コウ）問屋。組合。ギルド。

意義

シナ・チベット祖語 *r-kang （ゆく）より。
- チベット語 རྐང་པ （あし）と同根。^{[語源 1]}

↑ 龔煌城「The System of Finals in Proto-Sino-Tibetan」『漢蔵語研究論文集』北京大学出版社、2002年、109頁。

日本語

発音

音読み
- 呉音 : ギョウ（ギヤウ）、ゴウ(表外)
  行者、行列
- 漢音 : コウ（カウ）
  行進、行使、銀行
- 宋音 : アン
- 唐音 : アン、ヒン(表外)
  行灯、行火、行脚
訓読み
- 常用漢字表内 : い-く、ゆ-く、おこな-う
- 常用漢字表外 : や-る、おこな-い、くだり
- 常用漢字表外（古訓）: てだて

名詞

フリー百科事典ウィキペディアに「行 (仏教)」の記事があります。

（ギョウ）文書等において、縦方向または横方向に連続した文字の並び。
（ギョウ）（数学）行列および行列式における横方向への並び。対義語列。
（ギョウ）（仏教）修行。
（ギョウ）（仏教）心の働きが一定の方向に作用していくこと。意志作用。五蘊（ごうん）のひとつ。
（コウ）ある場所へ行くこと。
- （例）「行をともにする」。

接頭辞

（歴史、一般には「ギョウ」、時折「コウ」）位階と官職とを併記するとき、官職に冠して、位階が高く、官職の低いことを表わす。
- 正五位行美濃守
  - 「美濃守」に相当する位階は従五位、この場合、「正五位」を拝しているため、「美濃守」の前に「行」を付す。

対義語

守

接尾辞

（ギョウ、くだり）文書が紙幅の制限により折り返される時の並びの数。
- さうさう一度などは獄屋へ衣食を送る件（くだり）を書いたので、やはり五六行削られた事がありました。（芥川龍之介『戯作三昧』）
- 三行半
- 此の間私（わし）が……あの…お前笑っちゃア困るが、少しばかり私が斯う五行（いつくだり）ほどの手紙を、……認（したゝ）めて、そっとお前の袂（たもと）へ入れて置いたのを披（ひら）いて読んでくれたかね（三遊亭圓朝鈴木行三校訂・編纂『菊模様皿山奇談』）
（コウ）銀行の数に用いられる数詞。
- 平成元年、都市銀行は13行あった。

造語成分

（コウ）銀行に関する語を構成。
- 行員、行内、当行、御行
- 先程の二十円札はたしかに当行から岩形さんの代理のお方にお渡ししたものです。（夢野久作『暗黒公使』）

熟語

行脚（あんぎゃ）
行灯（あんどん）
行事（ぎょうじ）
行者（ぎょうじゃ）
行書（ぎょうしょ）
行商（ぎょうしょう）
行政（ぎょうせい）
行頭（ぎょうとう）
行末（ぎょうまつ）
行列（ぎょうれつ）
銀行（ぎんこう）
行使（こうし）
行進（こうしん）
行程（こうてい）
行動（こうどう）
行李（こうり）
修行（しゅぎょう）
心相応行法（しんそうおうぎょうほう）
心不相応行法（しんふそうおうぎょうほう）
同行（どうこう）
夜行（やこう）
行方（ゆくえ）

中国語

行 *

ローマ字表記
- 普通話
  - ピンイン: xíng (xing2), háng (hang2), héng (heng2)
  - ウェード式: hsing²
- 広東語
  - イェール式: haang4, hang4 hang6 hong4
- 閩南語
  - POJ: hâng, hêng, kiâⁿ, chōa
- 客家語
  - 白話字: hàng, hòng
- 呉語
  - ピンイン: ghan1, ghaon1, yin1
- チワン語
  - ラテン文字: hangz (hang31)
- 中古音: hæng, hang, hængH
- 上古音: *Cə.ɡˁra, *ɡˁaŋ {*[ɡ]ˁaŋ}, *ɡˁraŋ-s {*[ɡ]ˁraŋ-s}

名詞

（háng）並び。類義語:列
（háng）業種。
（háng）商店。商社。cf.公司
- 洋行（外資の商社）、銀行（日本起源の語）

量詞

（háng　列状のものを数える）～行。

形容詞

（xíng）よろしい。十分な。
- 行了
（呉語 ghan1）流行している

動詞

（広東語 haang4、閩南語 kiâⁿ、客家語 hàng）歩（ある）く、進（すす）む
（呉語 ghan1）堪（こら）える

人名

Xíng

中国人の姓のひとつ。

熟語

朝鮮語

行 *

ハングル: 행
音訓読み: 다닐 행
- 文化観光部2000年式: haeng
- マッキューン＝ライシャワー式: haeng
- イェール式: hyang

名詞

行 (翻字が不足しています)

行（ぎょう）。並（なら）び。
（仏教）行。修行。
（哲学）実践。

冠形詞

行 (翻字が不足しています)

朝鮮時代、官階の高い者が低い官職に就いた際、官職の前に付けた語。

接尾辞

～行（ゆ）き。

熟語

소행성 (sohaengseong) <小行星>
왜행성 (waehaengseong) <矮行星>
행성 (haengseong) <行星>

ベトナム語

行 *

ローマ字表記
- Quốc ngữ: hàng, hạnh, hành, ngành, hãng, hăng, tùng

名詞

hàng

商品。
行（ぎょう）。並（なら）び。

hãng

商社。

熟語

hành khách [行客]
hành lý [行李]

コード等

Unicode
- 16進: 884C 行
- 10進: 34892 行
JIS X 0208(-1978,1983,1990)
- JIS
  - 16進：3954
- Shift JIS
  - 16進：8D73
- 区点：25区52点
四角号碼 : 2122₁
倉頡入力法 : 竹人一一弓 (HOMMN)

点字

漢点字 :
六点漢字 :

[1] 羅振玉『殷墟書契考釈』永慕園、1914年、20頁。
裘錫圭『文字学概要』商務印書館、1988年、117頁。
張世超、孫凌安、金国泰、馬如森『金文形義通解』中文出版社、1996年、420-425頁。
季旭昇撰『説文新証』芸文印書館、2014年、138頁。
林志強等評注『《文源》評注』中国社会科学出版社、2017年、190頁。

[2] 龔煌城「The System of Finals in Proto-Sino-Tibetan」『漢蔵語研究論文集』北京大学出版社、2002年、109頁。

[字源 1]

[語源 1]

		見母	溪母	匣母	影母	曉母
一等	平声唐韻			筕桁行胻
	上声蕩韻
	去声宕韻			行		-
	入声鐸韻
		見母	溪母	匣母	影母	曉母
二等	平声庚韻			行衡䯒胻洐筕珩桁蘅	-
	上声梗韻		-	荇	-	-
	去声映韻		-	行絎胻
	入声陌韻
		見母	溪母	群母	影母	曉母
三等A	平声陽韻
	上声養韻		-
	去声漾韻
	入声藥韻
		見母	溪母	群母	影母	曉母
三等B	平声庚韻					-
	上声梗韻		-	-		-
	去声映韻					-
	入声陌韻				-

行

目次

漢字

字源

関連字

意義

意義

日本語

発音

名詞

接頭辞

対義語

接尾辞

造語成分

熟語

中国語

名詞

量詞

形容詞

動詞

人名

熟語

朝鮮語

名詞

冠形詞

接尾辞

熟語

ベトナム語

名詞

熟語

コード等

点字

案内メニュー

行

漢字

字源

関連字

意義

意義

日本語

発音

名詞

接頭辞

対義語

接尾辞

造語成分

熟語

中国語

名詞

量詞

形容詞

動詞

人名

熟語

朝鮮語

名詞

冠形詞

接尾辞

熟語

ベトナム語

名詞

熟語

コード等

点字

案内メニュー

検索