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2-クロロエタノール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2-クロロエタノール
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識別情報
CAS登録番号 107-07-3
特性
化学式 C2H5ClO
モル質量 80.52 g/mol
密度 1.197 g/cm³
融点

-67 °C

沸点

128-130 °C

特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

2-クロロエタノール(2-Chloroethanol)はグリセリンと同じくかすかにエーテルに似た甘い臭いを持つ無色液体の化学物質である。2-クロロエタノールは水と均一に混和する。2-CEとも記載される[1]

別名として2-クロロ-1-エタノール、2-モノクロロエタノール、2-ヒドロキシエチルクロリド、β-クロロエタノール、β-ヒドロキシエチルクロリド、クロロエタノール、δ-クロロエタノール、エチルクロロヒドリン、エチレンクロロヒドリン、グリコールクロロヒドリンあるいはグリコールモノクロロヒドリンとも呼ばれる。

2-クロロエタノールはエチレン次亜塩素酸とから製造される[要出典]

2-クロロエタノールはおもに酸化エチレンの製造に利用され、他にも染料医薬品殺菌剤可塑剤の合成原料として利用される。あるいはチオジグリコールの製造にも利用される。酢酸セルロースエチルセルロース、繊維のプリント染料、脱蝋、ロジンの精製、リグニンの抽出、ドライクリーニング等の溶媒としても利用される。

2-クロロエタノールの流通量は少量である。それは容易に製造できるため、購入したり貯蔵するよりは需要に応じて製造される。

毒性

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アメリカ合衆国緊急計画及び地域の知る権利に関する法律(42U.S.C.11002)のセクション302で定義される極めて危険有害な物質の一覧に掲載されている。

2-クロロエタノールは強い毒性を持ち、濃い蒸気を吸引すると死に至ることがある。また、2-クロロエタノールは皮膚より吸収され、中枢神経循環器腎臓あるいは肝臓に障害を引き起こす。2-クロロエタノールは肺や目に対して刺激性が強い。そして、引火や爆発の恐れがある。毒物及び劇物取締法により劇物に指定されている[2]。法律上の名称は「エチレンクロルヒドリン」。

発がん性を示すエチレンオキシド(EO)の中間体等として存在する関係上、アメリカやカナダ、EUなどで規制がある[1]

註・出典

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  1. ^ a b 食品安全情報(化学物質)No. 19/ 2021(2021. 09. 15)別添 サイト:国立医薬品食品衛生研究所
  2. ^ 毒物及び劇物取締法 昭和二十五年十二月二十八日 法律三百三号 第二条 別表第二

外部リンク

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