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還暦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
華甲から転送)

還暦かんれきは、年祝い(算賀、賀の祝い)の一つ[1]。誕生年に60を加えた年つまり数え61歳(≒満60歳)をいう。ただし、地域によっては長寿祝いではなく厄年として厄払い儀礼を行う場合もある[2]華甲かこう[3]本卦還りほんけがえり[4]とも表現する。

概要

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干支十干十二支)が一巡し誕生年の干支に還ることに由来する[3]。赤ちゃんに還るという意味と捉え、を基調とするお祝いを行う風習がある[3]魔除けのため赤色産着が以前は使われていたので日本における還暦祝いでは「出生時に還る」という意味で赤色の衣服(頭巾やちゃんちゃんこなど)を本人に贈る場合がある。

長生きを祝う賀寿について、本来は数え年で祝うものとされたが、還暦以外は満年齢で置き替えて祝うことが多くなったとされる[5]。一方で年齢のお祝いとして、数え年、満年齢のいずれでも差し支えないとするものもある[3]。地域によっても慣習は異なる[3]

因みに数え31歳を半還暦はんかんれき・数え121歳を大還暦だいかんれきと表現する[4]

還暦祝いの行事

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西洋での60年祭

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西洋には、ダイヤモンドを60周年の祝いに贈る風習があり、結婚60周年はダイヤモンド婚式ともいう[4]ヴィクトリア女王の即位60周年は、ダイヤモンド・ジュビリーとして盛大に祝賀された。

脚注

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  1. ^ 香西 美香「厄年習俗の形成」『東アジア文化研究』第2号、165-183頁。 
  2. ^ 尤銘煌、苗択遠「少子高齢・過疎化における通過儀礼の変遷―「日本で最も美しい村」山形県最上郡大蔵村を事例として」『山形大学紀要(人文科学)』第17巻第3号、山形大学、165-183頁。 
  3. ^ a b c d e 長寿を祝う「お祝い」伝統のかたち”. 神社本庁. 2024年7月22日閲覧。
  4. ^ a b c 山内 惟介「6に化体された法文化 : グロスフェルト学説継承の試み」『法学新報』第128巻、法学新報編集委員会、691-777頁。 
  5. ^ 実教出版 商業 704”. 実教出版. 2024年7月22日閲覧。
  6. ^ 佐世保市合同還暦式佐世保北高校同窓会
  7. ^ 壱岐市還暦式第2の成人式が開催壱岐市(2007年10月28日時点のアーカイブ
  8. ^ “千葉・市川で「還暦式」”. 毎日新聞. (2008年10月26日). オリジナルの2008年10月29日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20081029031218/http://mainichi.jp/select/wadai/news/20081027k0000m040029000c.html 2008年10月27日閲覧。 

関連項目

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