ゲストハウス
ゲストハウス(guesthouse, guest house)とは、
母屋とは別に準備された客人向けの住宅のことをゲストハウスと呼ぶ。
世界の旅行者の間では、比較的安価な料金で利用出来る、バックパッカーの利用などに主眼を置いた安価な宿泊施設を指して使われることが多い。それらは、ホテルとは違い、部屋によってはトイレ、バスルームがない場合もあり、共用のものを利用する。月単位の料金設定をしているところもあり、そこではアパートのように長期滞在も可能である。
かつて日本においてはシェアハウス、シェアルームのことを、ゲストハウスと称していた業者もいたが2010年代頃には廃れた[注 1]。
また日本において、ひとつの建物を借り切って行う結婚式をゲストハウスウェディング、またはハウスウェディングと呼ぶ場合がある[1]。
母屋と切り離された宿泊施設
[編集]ホストの生活空間(母屋)とは別に用意された建物(部屋の場合はゲストルームと呼ばれる)。トイレ、バスルーム、ベッドルームなど訪問者(ゲスト)のために準備されている。国家が所有し、国賓などを宿泊させる設備は迎賓館と呼ばれる。
簡易宿所型ゲストハウス
[編集]日本の簡易宿所型ゲストハウス
[編集]決まった定義は無いが、旅行者のための安価な宿泊施設をこう呼ぶことが多い。ユースホステルに似た運営形式であり、相部屋が基本となる施設もある。
前田有佳利による『ゲストハウス100』によると、特徴として4つあげており、
- 交流スペースが存在 ※利用が一組限定となる場合を除く
- 一泊素泊まり一人から ※食事や食材込みの場合もあり
- ドミトリー(相部屋)が存在 ※個室のみの場合もあり
- トイレとシャワーなど水回りが共有 ※各個室に付属の場合もあり
2020年の東京オリンピックを見込んだ外国人観光客を見込んでか、2015年ごろから都内を中心にゲストハウスが急増している[2]。日本においては、外国人の利用が多いとされる[3]。
海外の簡易宿所型ゲストハウス
[編集]日本国外のゲストハウスには、部屋同士がベニヤ板で区切られているだけであったり、窓のないこともある。一つの部屋に複数人が泊まれる部屋はドミトリーと呼ばれ、より安価である。
イギリスで「guesthouse」といえば、ベッド・アンド・ブレックファスト(B&B)の大規模なものを指す。
インドネシア(主としてバリ島)では「ロスメン」(Losmen)と呼ばれる。
犯罪事件
[編集]2022年9月20日、岡山県浅口郡里庄町でゲストハウスを経営していた男が準強制性交の疑いで逮捕された[4]。男は女性宿泊客に薬物を飲ませ、抵抗できない状態にしたうえで性的暴行を行っていたとされ、2023年4月時点で計8回逮捕されている[5]。また、宿泊客を盗撮したとみられる写真や動画も押収された。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 一例として2006年に設立された「日本ゲストハウス連盟」は2009年に「日本シェアハウス・ゲストハウス連盟」と改称、2016年に「日本シェアハウス連盟」と改称した。
出典
[編集]- ^ “ハウスウェディング”. ぐるなびWEDDING. ぐるなび. 2018年12月31日閲覧。
- ^ “こんなに進化していた! リーズナブルでお洒落な東京のゲストハウス”. ANA Travel & Life. 全日本空輸 (2016年8月25日). 2019年9月16日閲覧。
- ^ “日本にいながら国際交流!ゲストハウスがおもしろい!”. KotsuKotsu. 日米英語学院 (2017年4月20日). 2019年9月16日閲覧。
- ^ “客に薬物飲ませ乱暴か ゲストハウス経営者を逮捕”. 産経新聞 (2022年9月20日). 2022年9月23日閲覧。
- ^ “宿泊女性に薬盛りわいせつ行為、ゲストハウス経営者8回目逮捕…「名前聞いても思いつかない」”. 読売新聞 (2023年4月4日). 2023年4月4日閲覧。
参考文献
[編集]- 前田有佳利『ゲストハウス100』(ワニブックス、2016年7月27日)ISBN 978-4-8470-9476-7