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暴力街 (1963年の映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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暴力街
監督 小林恒夫
脚本 直居欽哉
横山保朗
出演者 高倉健
三田佳子
千葉真一
江原真二郎
本間千代子
音楽 木下忠司
撮影 西川庄衛
製作会社 東映東京撮影所
配給 東映
公開 日本の旗 1963年3月9日
上映時間 92分
製作国 日本の旗 日本
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暴力街』(ぼうりょくがい)は、1963年3月9日に公開された日本の映画高倉健主演・小林恒夫監督。東映東京撮影所制作・東映配給。モノクロ[1]東映任侠路線の先駆と評価される一作[2][3][4][5]

あらすじ

縄張り争いと興行権をめぐるヤクザ同士の争いで、出所した主人公・小木曽俊介(高倉健)が留守を預かっていた弟分・影山浩(江原真二郎)の死に単身殴り込みをかける[2][5]

スタッフ

出演者

製作

企画

企画は当時の東映東京撮影所所長・岡田茂[2]。『暴力街』というタイトルの映画は、本作と同じ小林恒夫監督で1955年に製作されており[6][7]リメイクと見られ、岡田が「ギャング路線」量産時に名作を復活させたもの[2]東映任侠路線の端緒を開いた映画といえば『人生劇場 飛車角』がよく知られるが[2][3][8]、本作は日本のギャング=現代暴力団ものと着流し任侠ものの端境期に生まれた映画といえる[2]。本作の公開は『人生劇場 飛車角』の一週間前である[2][4]。また高倉健の飛躍の切っ掛けとなった作品は『人生劇場 飛車角』の宮川役が知られるが、本作を飛躍の切っ掛けと評価する向きもある[2]

キャスティング

本作を紹介した『月刊平凡』1963年4月号には「ギャングもので大当たりを取った東映では、こんどはヤクザものに力を入れることになり、大映"悪名コンビ"の勝新太郎田宮二郎さんの向こうをはって、高倉健江原真二郎さんで"侠客コンビ"を作ってただいま売り出し中。『でいえば日本犬、負けるケンカと分かっていても、やればならぬという悲壮な味を持ったヤクザを演りたい』と高倉健さんが言えば、江原真二郎さんも負けじと『健さんが忘れられていく古いヤクザなら、ぼくは新しい現代ヤクザを演る。ドライ・ヤクザかな? 拳銃ドスに持ちかえた新コンビの活躍が楽しみです」と書かれている[9]。『月刊平凡』の記事執筆は、1963年の2月か3月と見られることから、岡田茂は『人生劇場 飛車角』がヒットするしないに関わらず、任侠路線を敷く構想を持っていたと見られる。

興行

1963年1月にあった東映1963年3月~4月の番組編成発表では、本作のタイトルは『現代の顔役・暴力街』というタイトルで[10]、公開は1963年4月の第一週に『武士道残酷物語』との併映と発表されていた[10]

作品の評価

二階堂卓也は「多彩なキャラクターを配しながら、結局は主人公を殴り込みに行かせるしかない作劇法は後の任侠映画に確かに通じる」等と評価している[2]

同時上映

傷だらけの不敵者

脚注

注釈

  1. ^ 1974年に公開された『暴力街』にも出演。

出典

  1. ^ 暴力街”. 日本映画製作者連盟. 2020年10月30日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i 裏返史 2020, pp. 255-256、270.
  3. ^ a b 東映ポスター集製作委員会「東映任侠路線興亡史」『ポスターでつづる東映映画史』青心社、1980年、188頁。 
  4. ^ a b OIZUMI 東映現代劇の潮流|作品解説2/ラピュタ阿佐ケ谷
  5. ^ a b 滅びの美学 任侠映画の世界 - シネマヴェーラ渋谷
  6. ^ 監督全集 1988, pp. 159–160.
  7. ^ 深作欣二「東映現代劇12年を舞台裏からみれば 昭28~40年-1953~1964-」『映画芸術』1965年8月号 No215、映画芸術社、61-62頁。 
  8. ^ 歴史|東映株式会社〔任侠・実録〕(Internet Archive)、草柳大蔵「やくざ映画と映画やくざ やくざ映画批判」『キネマ旬報』1966年1月上旬号、キネマ旬報社、73頁。 “岡田茂氏を追悼、『人生劇場』上映 27日、銀座で /東京都”. 朝日新聞都・2地方 (朝日新聞社): p. 26. (2011年8月18日) 
  9. ^ 「噂のデパート GOSSIP DEPT. 拳銃からドスへ 高倉健さん 江原真二郎さん」『月刊平凡』1963年4月号、平凡出版、229頁。 
  10. ^ a b “東映三・四月番組編成四月に『武士道残酷物語』対談”. 週刊映画プレス (全国映画館新聞社): p. 6. (1963年1月19日) 

参考文献

  • 『日本映画・テレビ監督全集』キネマ旬報社、1988年。 
  • 二階堂卓也『日本映画裏返史』彩流社、2020年。ISBN 978-4-7791-26567 

関連項目

外部リンク