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ジョン・ピール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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ジョン・ピール

John Peel
生誕 John Robert Parker Ravenscroft[1]
(1939-08-30) 1939年8月30日
イングランドの旗 イングランド ヘスウォール英語版
死没 (2004-10-25) 2004年10月25日(65歳没)
ペルーの旗 ペルー クスコ
職業 ラジオ・パーソナリティーDJ
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ジョン・ピール(John Peel、本名:John Robert Parker Ravenscroft『ジョン・ロバート・パーカー・レイヴンズクロフト』、1939年8月30日 - 2004年10月25日)は、イングランドラジオ・パーソナリティーDJである。1967年からBBCのラジオ1において『ピール・セッションズ』という番組を持ち、世界中の最先端の音楽をかけたことで知られている[2]。『100名の最も偉大な英国人』において、第43位に選出された[3]

経歴

1939年8月30日、リヴァプール近郊のチェシャー州(現在はマージーサイド州)ヘスウォールに生まれる[4]。1957年から1959年までのあいだ、イギリス陸軍の砲兵隊にてB-2のレーダー操作員を務めた[4]。その後、ロッチデールの工場に勤務した[4]

1960年にアメリカ合衆国へ渡り、テキサス州ダラスのラジオ局、WRRに勤務した[4]。1963年、『リヴァプール・エコー』紙の記者としてケネディ大統領暗殺事件を取材した[4]

1967年、イングランドに戻る[2]海賊放送局のラジオ・ロンドンにて、深夜番組『The Perfumed Garden』を担当し、聴取者にアメリカのキャプテン・ビーフハート・アンド・ヒズ・マジック・バンドザ・マザーズ・オブ・インヴェンションを紹介した[4][5]。この頃から、ジョン・ピールを名乗り始めた[4]。同年、BBCに新設されたポップ・ミュージックの放送局BBC Radio 1と契約して『Top Gear』を担当した[4]。『Peel Sessions』では、スタジオにミュージシャンを招いて演奏させた[2]。ほとんどの聴取者が知らないアーティストやバンドが頻繁に招かれたが、彼等の多くはレコード会社と契約する前だった[2]。数千ものミュージシャンが録音と放送の機会を無料で与えられ[4]XTCのように出演をきっかけにレコード会社に才能を認められて契約を勝ち取る者も輩出された[6]

同時に新人の音源の発売・流通にも乗り出し、1969年から1972年まではレコード・レーベル「ダンデライオン」を主宰した[7]

1998年からは、BBCのラジオ4の番組『Home Truths』も担当した[2]。同年、大英帝国勲章を授与された[2]

2004年10月25日、休暇のために滞在していたペルークスコにて心臓発作により死去[2]。65歳没[2]。ラジオ1では、ピールの死去が伝えられたのち、彼が気に入っていたジ・アンダートーンズの楽曲「ティーンエイジ・キックス」が流された[8]。彼の遺体は、サフォークの聖アンドリュー教会に埋葬された[9]。その墓石には、同楽曲からの1節 ("Teenage dreams so hard to beat") が刻み込まれている[10]

ラジオDJとして

  • 最先端の音楽をかけるという姿勢はその死まで変わることはなく、晩年はダンスミュージック、特にダブステップの人気向上に一役買った[11]
  • 息子のトム・レイヴンズクロフト英語版もラジオDJとなり[12]、2018年現在BBCラジオ6ミュージックに出演している[13]
  • ピーター・バラカンは青年期にピールの番組をロンドンで聴いており、「『誠実さと音楽に対する情熱』が伝わってきた」と振り返っている[14]

脚注

  1. ^ Beaujon, Andrew (2004年11月17日). “The Last DJ: John Peel, 1939-2004”. Spin. 2018年2月2日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h Sisario, Ben (2004年10月26日). “John Peel, BBC Radio Disk Jockey, Dies at 65”. The New York Times. 2018年2月2日閲覧。
  3. ^ McManus, Darragh (2008年10月22日). “Is it time to stop the John Peel hero worship?”. The Guardian. 2018年2月2日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i Cartwright, Garth (2004年10月27日). “John Peel”. The Guardian. 2018年2月2日閲覧。
  5. ^ Barnes, Mike (2011). Captain Beefheart: The Biography. London: Omnibus Press. pp. 23-24. ISBN 978-1-78038-076-6 
  6. ^ アンディ・パートリッジ トッド・バーンハート『XTC コンプリケイテッド・ゲーム』太田晋訳 DU BOOKS 2017年 ISBN 9784866470030 P74
  7. ^ BRITISH CULT LABEL COLLECTION Vol.6 ダンデライオン・レーベル登場!”. 芽瑠璃堂 (2008年4月9日). 2018年2月3日閲覧。
  8. ^ Montgomery, James (2004年10月26日). “John Peel, Legendary DJ And Champion Of Acts From Bowie To Franz Ferdinand, Dies”. MTV. 2018年2月2日閲覧。
  9. ^ Scott, Tim (2017年6月15日). “Talking 'Teenage Kicks' With The Undertones' John O'Neill”. Noisey. 2018年2月2日閲覧。
  10. ^ Caraeff, Ezra Ace (2011年5月26日). “True Confessions”. The Portland Mercury. 2018年2月2日閲覧。
  11. ^ 杉山仁「Dubstepシーンの成り立ち」(『ベース/ビート・ミュージック・ブック』シンコー・ミュージック・エンタテイメント 2012年 ISBN 9784401636709 P15)
  12. ^ Grandon, Marisol (2006年8月17日). “Replace Dad? That would be hateful”. telegraph. 2018年2月3日閲覧。
  13. ^ BBC Radio 6 Music Tom Ravenscroft
  14. ^ パブでバラカン(3)…海賊ラジオがあった”. YOMIURI ONLINE (2015年9月29日). 2018年2月3日閲覧。

関連文献

  • Garner, Ken (2007). The Peel Sessions: A Story of Teenage Dreams and One Man's Love of New Music. BBC Books 
  • Heatley, Michael (2004). John Peel: A Life in Music. Michael O'Mara Books 
  • Peel, John; Ravenscroft, Sheila (2005). Margrave of the Marshes. Bantam Press 
  • Peel, John (2008). The Olivetti Chronicles: Three Decades of Life and Music. Bantam Press 
  • Wall, Mick (2004). John Peel: A Tribute to the Much-Loved DJ and Broadcaster. Orion Books 

外部リンク