ザ・ロックス (ニューサウスウェールズ州)
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ザ・ロックス (The Rocks) はシティ・オブ・シドニーの北西部の港に隣接した地区である。ヴィクトリア時代の古い街並みが残り、観光客向けの商業施設が集まっている。地区の西側にハーバーブリッジ、東側にはサーキュラー・キーが隣接している。
ザ・ロックスの歴史は古く、シドニー流刑地に入植が始まった1788年直後に木造の建物が建ち始めた。当初の住人はイギリスから送られた受刑者、港湾労働者、アボリジニなどで、売春宿や賭博場があり、シドニーのスラムと認識されていた。後に地元で産出する砂岩(サンドストーン)が建築資材として使われるようになり、これが地名の由来となった。
1920年代にはハーバーブリッジ建設のため、多くの建物が解体・撤去された。第二次世界大戦後は街の荒廃が顕著となったため、州政府が再開発計画を策定した。これは老朽化した建物を取り壊し、高層の公共住宅に建て替えるというものだった。しかし、住民の強い反対運動があり、計画は中止となった。
1970年代以降、ザ・ロックスの歴史的街並みが再評価され、多くの建物が文化財として登録された。ザ・ロックスは開発が制限されているため、シドニーCBDから外れている。