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トーマス・トゥヘル

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トーマス・トゥヘル
チェルシーFC監督時代(2021年)
名前
ラテン文字 Thomas Tuchel
基本情報
国籍 ドイツの旗 ドイツ
生年月日 (1973-08-29) 1973年8月29日(51歳)
出身地 西ドイツの旗 西ドイツクルムバッハ
身長 190cm
選手情報
ポジション DF
ユース
1979-1988 ドイツの旗 クルムバッハ
1988-1992 ドイツの旗 アウクスブルク
クラブ1
クラブ 出場 (得点)
1992-1994 ドイツの旗 シュトゥットガルト・キッカーズ 8 (0)
1994-1998 ドイツの旗 SSVウルム 69 (3)
通算 77 (3)
代表歴
ドイツの旗 ドイツ U-18 3 (0)
監督歴
2000-2004 ドイツの旗 シュトゥットガルト ユース
2005-2006 ドイツの旗 シュトゥットガルト U-19 (AC)
2006 ドイツの旗 アウクスブルク U-19
2007-2008 ドイツの旗 アウクスブルク II
2008-2009 ドイツの旗 マインツ U-19
2009-2014 ドイツの旗 マインツ
2015-2017 ドイツの旗 ボルシア・ドルトムント
2018-2020 フランスの旗 パリ・サンジェルマン
2021-2022 イングランドの旗 チェルシー
1. 国内リーグ戦に限る。
■テンプレート■ノート ■解説■サッカー選手pj

トーマス・トゥヘルThomas Tuchel1973年8月29日- )は、西ドイツクルムバッハ出身の元サッカー選手、現サッカー指導者。現役時代のポジションはDF

経歴

現役時代はDF。ユースクラブTSVクルムバッハからキャリアをスタートさせ、1988年から当時4部のFCアウクスブルクへ移籍。その後キャリアを重ねるも2部リーグのシュトゥットガルター・キッカーズが最高で、1998年膝のケガにより24歳にて引退。

引退直後から指導者を志し、バーでアルバイトをしながら大学に通い、指導者の資格を取得。26歳の時にVfBシュトゥットガルトU-15の監督に就任すると育成分野で知られる存在となる。2008年には1.FSVマインツ05U-19をU-19ブンデスリーガで優勝させた事が評価され、ドイツ・ブンデスリーガ2009-10開幕4日前に前監督のヨルン・アンデルセン解雇に伴いトップチームへ引き揚げられ、36歳にして監督に就任した。この背景には当時ドイツサッカー協会のテクニカルディレクターを努めていたマティアス・ザマーが若手監督の養成に力を入れていたことがある。

2009-10シーズンはリーグ9位の成績を残した。2010-2011シーズンではハンブルガーSVに破れるまでリーグタイの7連勝を達成し、シーズン終了後にはクラブ過去最高の5位の結果となった。2013/14シーズンはリーグ7位となり、翌シーズンのUEFAヨーロッパリーグ出場権を獲得した[1]。2014年5月11日、クリスティアン・ハイデルSDより「実質的に辞任」と契約を1年残しての退任を発表した[1]

ボルシア・ドルトムント監督時代(2016年)

ユルゲン・クロップの後任として2015年7月1日より3年契約でボルシア・ドルトムントの監督に就任。

2017年5月30日、契約が解除されたことがクラブから発表された。リーグこそ2位に終わるも、マッツ・フンメルスヘンリク・ムヒタリアンイルカイ・ギュンドアンなど多くの主力選手の移籍により大幅な入れ替えを余儀なくされた他、さらにウスマン・デンベレエムレ・モルラファエル・ゲレイロアレクサンデル・イサクをはじめとした若手を積極的に登用。結果として、勝ち点64ながら、チャンピオンズリーグ出場権の獲得に成功。2016-17シーズンではDFBポカールを優勝し5年ぶりのタイトル獲得を成し遂げたが、以前から噂されていたハンス=ヨアヒム・ヴァツケCEOとの確執が深まる一方となり2018年までの契約を残したまま200万ユーロ以下の違約金を支払う形で契約を解除した。

2018年5月14日、パリ・サンジェルマンFCはトゥヘルと2年契約を締結したことを発表した[2]

2019-20シーズンにはリーグ戦、カップ戦含め国内4冠達成、UEFAチャンピオンズリーグにおいてクラブ史上初の決勝進出に導いている。

2020年12月24日、パリ・サンジェルマンの監督を解任された[3]

PSG解任から約1ヶ月後の2021年1月26日、フランク・ランパードの後任としてチェルシーFCの監督に就任することが発表[4][5]。チームをUEFAチャンピオンズリーグ優勝に導き、6月4日には新たに4年契約を締結した[6]

指導の特徴

工夫が凝らされ、飽きずに常に頭を使い状況判断が必要な練習を実施するのが特徴である。マインツ時代にトゥヘルの指導を受けた岡崎慎司は「毎週違う練習をやっている。同じメニューだったことは一度もない」とその練習メニューの豊富さを語っている[7]。代表的な練習上の工夫は以下のようなものである[7]

  • 黄色と白の二色のボールを用意し色によってタッチのルールを変える[8]
  • ハーフコートの四隅にゴールを設置する[8]
  • 縦長のピッチを用意しバックパスを一回に制限する[8]
  • ほぼ全てのミニゲームにおいて「オフサイド・ルール」を無効にする[9]
  • バナナ型や壷形のエリアでプレイさせる[10]

戦術の特徴

  • 対戦相手ごとに細かく戦術を変える[10]
  • ポゼッションを重視するかと思えばフォアチェックからの高速カウンターを仕掛けるなど多彩なコンビネーションサッカーを見せる[10]
  • 試合中でも時間帯、状況によって布陣を変え、戦い方に変化を付ける[10]
  • マンマーク的プレッシング(相手CBにFWがマンマーク、およびCB/GKからのパスの受け手にも密着する)守備のスタートラインがほぼ相手GKとほぼ等しい位置となる[10]

監督成績

2021年9月20日現在
クラブ 就任 退任 記録
勝率
アウクスブルクII 2007年7月1日 2008年6月30日 34 20 8 6 80 45 +35 058.82
マインツ05 2009年8月3日 2014年5月11日 182 72 46 64 248 288 −40 039.56
ボルシア・ドルトムント 2015年6月29日 2017年5月30日 108 68 23 17 245 113 +132 062.96
パリ・サンジェルマン 2018年5月14日 2020年12月24日 127 95 13 19 337 103 +234 074.80
チェルシー 2021年1月26日 現在 37 25 7 5 50 18 +32 067.57
合計 488 280 97 111 960 567 +393 057.38

タイトル

指導者時代

クラブ

ボルシア・ドルトムント
パリ・サンジェルマン
チェルシーFC

脚注

出典

  1. ^ a b 岡崎所属のマインツ トゥヘル監督が退任 契約1年残し”. スポーツニッポン (2014年5月11日). 2014年5月12日閲覧。
  2. ^ Thomas Tuchel devient le nouvel entraîneur du Paris Saint-Germain”. PSG.fr (2018年5月14日). 2018年5月15日閲覧。
  3. ^ PSGがトゥヘル監督を電撃解任! 昨季CL準優勝も上層部との意見対立が要因か”. サッカーキング (2020年12月29日). 2020年12月29日閲覧。
  4. ^ トーマス・トゥヘルがチェルシー監督に就任”. チェルシーFC (2021年1月27日). 2021年1月27日閲覧。
  5. ^ チェルシー、トゥヘル監督の就任を発表…昨季PSGで国内4冠も12月に解任”. サッカーキング (2021年1月27日). 2021年1月27日閲覧。
  6. ^ トーマス・トゥヘルの契約延長”. チェルシーFC (2021年6月49日). 2021年6月5日閲覧。
  7. ^ a b 知将トゥヘルはマインツの太陽だ。岡崎慎司が感銘を受けた手腕を追う。 NumberWed 2013年9月5日
  8. ^ a b c 欧州サッカー批評近未来のフットボールを解明する双葉社、2010年、26頁より引用
  9. ^ 欧州サッカー批評近未来のフットボールを解明する双葉社、2010年、27頁より引用
  10. ^ a b c d e 欧州サッカー批評近未来のフットボールを解明する双葉社、2010年、28頁より引用

参考文献

欧州サッカー批評『近未来のフットボールを解明する』双葉社〈サッカー批評別冊〉、2010年。ISBN 978-4-575-45132-0 

外部リンク