ハーフ (混血)
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ハーフ(英: half-bloodの略)は、 混血の人[1]。
地域を限定せず世界全体でhalf-bloodというと、一般論としては人種・民族の異なる親から生まれた人を指すために使用される用語である。
「ハーフ」は英語 「ハーフ・ブラッド(en:half-blood)」から借用した上で後半を省略した言葉である。 日本国内で日本人同士がこの言葉を使った場合は、さまざまなニュアンスで使われるが、ひとつは「半分、日本人[2]」あるいは「和人とその他の民族を両親として生まれた人」、あるいは『国籍が日本人でも「日本人」じゃなくて「日本人」というのは和人のみを指す』などと法律に相違した乱暴な考え方をしておいた上で『大和民族以外のルーツをも持つ人間は「半分日本人」に過ぎない』とする呼称である[3][4][5]。
概要
- 言葉の歴史
「ハーフ」という差別用語は、神奈川県横浜市で生まれ育った作家、北林透馬が1930年に発表した小説『街の國際娘』で初めて使用された[6]。
戦後、1960年代からは横浜以外の地域にも広まり始め[7]、当時のザ・ゴールデン・カップスやその後1970年代に活躍した「ゴールデンハーフ」というハーフ女性のアイドルグループの名称から全国的に広まったとされる。
関連用語
- あいのことは、和人と少数民族の両親を持つ子のこと。歴史的には、差別的な感情に関連付けられていたため、現在日本ではほとんど使用されていない。
- 混血児 は、上記と同様、和人以外の親を持つ日本人。これも軽蔑的な用語と見なされている[8]。
- クォーターは、片一方がミックスルーツの親を持つ日本人をいう差別用語。この用語は英語の四半に基づく借用語であり、個人の25%、つまり4分の1が少数民族の祖先であることを指す。
日本語でハーフを指す最も初期の用語の1つはあいのこで、これは2つの人種間の関係から生まれた子供を意味した。ラテンアメリカ、特にブラジルでも ainoco という言葉は使われており、他にもメスティーソ(一般的にはスペインとの混血の広い意味)などが日系人の系譜に用いられる。次第に、日系人だけでなく、アジア系とヨーロッパ系のルーツを持つ人や、アジア系とアフリカ系のルーツを持つ人などにも使われるようになった。
しかし、あいのこという表現は、差別の歴史と関連しており、次第に侮辱的な意味が認められるようになった。特に、日本における「純血」主義と関連しており、「純日本人」(=和人)との分断と取られる場合もある。「ハーフ」という差別用語に含まれている問題性のある考え方への反省に立ち、「ダブル」という語を使うようになった人もいる[9]。
世界におけるhalf-bloodの歴史
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日本国内における歴史
先史時代から中世
もともと、現代の大和民族は先住民族の縄文人と大陸移民の弥生人の「ハーフ」とされている[10][11]。弥生人は、 東アジア(主に中国・朝鮮半島・シベリア等)からの移民の混血(1,000 BCE〜300 CE)であった。和人の縄文人のゲノムは20パーセント未満とされる[12]。
ヤマト王権~倭国~日本が成立する頃になると、熊襲・蝦夷・隼人などの中央に従わない少数民族も、ほとんどが大和民族として同化していった。地理的に外国との交流が多くなく、「渡来人(白村江の戦いで滅んだ百済遺民等)」と呼ばれている移民があった程度で、今日的な意味での国際間混血カップル、「ハーフ」は古代・中世の封建的な日本では極稀であったとされている。 ただし和人と他の東アジアおよび東南アジアの人々の間には、アジアのカップルが混在していた。飛鳥時代や奈良時代には留学生として唐に渡り、現地の人と家庭を築くこともあった。中にはその子弟が日本に渡ることがあった。代表的な例として 秦朝元がいる。彼は弁正と唐人女性との間に生まれたとされる[13]。
鎌倉時代になると、日宋貿易で博多に宋商人と日本人との混血児が誕生した。室町時代には東アジア以外からの混血児も誕生した。代表的な例として楠葉西忍がいる。
戦国時代になるとポルトガルやスペインの商人と日本人との間に子供ができることもあり、例としては母がオランダ人との伝承を持つ、和仁親宗である[14]。つまり、歴史的に見ても、「日本」は「大和民族のみ」といった、いわゆる「単一民族国家」ではない。
近世
江戸時代
近代
太平洋戦争前
1899年には、アイヌ民族の同化政策がとられ、周縁化されていたアイヌ民族の土地、言語、宗教、文化などが日本政府により同化されていった。その結果、アイヌ民族と大和民族の系譜を持つ人たちが多く存在する[15]。
現代の時代
太平洋戦争後の昭和
日本とアジアでは米軍兵士のアメリカ人の父親と現地人の間に生まれた「ハーフ」が増えた。これらの子供たちはアメラジアンと呼ばれた。1952年の推定では、5,000から10,000人の子供が日本人とアメリカ軍人との間に生まれた。また、そういった子供は、非嫡出子である事も多く、親族や地域社会からの排斥などといった強いスティグマが母親や子供に科され、人種差別や戦後の混乱なども相まって、子供が養子に出される事も多かった。フランシスコ会によって運営される横浜の孤児院、聖母愛児園は1946年に開園し、1948年には126人のアメリカ軍人の父を持つ子供を引き受けていた[16][17]。また、大磯町にある孤児院は沢田美喜という日本人女性によって開かれ、700人以上のアメリカ人と日本人の子供たちを世話しており、そのいずれもアメリカ人の父親の訪問も支援も受けていなかった[17]。
平成・令和
平成の少し前である1980年代には外国生活の経験がある日本人女性タレントを「バイリンギャル」と称したブームが起きたが、日本社会が国際社会への窓を閉じていくにつれ、本場の英語を話す外国かぶれのバイリンギャルよりも、完璧な日本語を話せる白人・アジア人ミックスの「ハーフ」美女の方に人気が移っていった[18]。
2013年に日本で生まれた100万人の子供のうち、2.2%が日本人以外の親であった。(日本政府は、人種・民族に関する統計を出さない。)厚生労働省によると、現在日本で生まれた赤ちゃんのうち49人に1人は日本人以外の親の家族に生まれているとしている[19]。欧米人男性と結婚する日本人女性が減少した一方で、アジア系外国人女性と結婚する日本人男性が増加したため、日本人の国際結婚は日本人男性の方が3倍多く、日本人女性の国際結婚率は1%にも満たない。[20]また、東南アジア、特にフィリピン、インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイなどで、日本人の祖先を持つひとが多く存在する。
21世紀においては、「ハーフ」に対するステレオタイプと差別は、彼らのアイデンティティ、行動、外観が和人のと異なることに基づくとされる。日本人と他のアジア諸国の人との間の国際結婚においては、人種差別が大きな影響を及ぶだろう。
2013年4月に公開されたドキュメンタリー映画「Hafu:The Mixed-Race Experience in Japan」は、「ハーフ」と呼ばれている5人の日本人の経験に関するもので、彼らが直面するアイデンティティ、多文化主義、人間関係、苦難、ステレオタイプの問題を扱っている[21][22]。
近年日本人の国際結婚は減少しており[20]、「ハーフ」は今後減少傾向になることが予想される。また日本社会での「ハーフ」は少数である。上記の通り、日本政府は人種や民族に関するデータを集めないため、公式の人口調査データは存在しない[23]。
脚注
- ^ 『精選版 日本国語大辞典』【ハーフ】
- ^ Navidi, Nooshin (22 June 2010). “Hafu draws viewers into world of Japanese identity”. Japan Times. オリジナルの2011年12月1日時点におけるアーカイブ。 2011年4月12日閲覧。
- ^ Krieger, Daniel (29 November 2010). “The whole story on being 'hafu'”. CNN. オリジナルの3 December 2010時点におけるアーカイブ。 2011年4月12日閲覧。
- ^ Yamada, Mio (28 February 2009). “Hafu focuses on whole individual”. Japan Times. オリジナルの2011年12月16日時点におけるアーカイブ。 2011年4月12日閲覧。
- ^ Fujioka, Brett (14 January 2011). “The Other Hafu of Japan”. Rafu Shimpo. オリジナルの2011年1月22日時点におけるアーカイブ。 2011年4月12日閲覧。
- ^ 岡村 2013, p. 36.
- ^ 山崎洋子 (2001年2月10日). “戦後横浜 華やかな闇”. Web版 有隣. 有隣堂. p. 1. 2022年8月3日閲覧。
- ^ Writers. “Hafu's in Japan: Interesting Facts About Japan's Mixed Race Population | YABAI - The Modern, Vibrant Face of Japan”. YABAI. 2019年1月24日閲覧。
- ^ Kosaka (2009年1月27日). “Half, bi or double? One family's trouble”. Japan Times. 2011年11月20日閲覧。
- ^ 関, 裕二 (2015年6月15日). “国際人のための日本古代史(63) DNA研究で「縄文人と弥生人」が分かってきた”. フォーサイト 2021年7月27日閲覧。
- ^ Hideaki Kanzawa-Kiriyama; Kirill Kryukov; Timothy A Jinam; Kazuyoshi Hosomichi; Aiko Saso; Gen Suwa; Shintaroh Ueda; Minoru Yoneda et al. (February 2017). “A partial nuclear genome of the Jomons who lived 3000 years ago in Fukushima, Japan”. Journal of Human Genetics 62 (2): 213–221. doi:10.1038/jhg.2016.110. PMC 5285490. PMID 27581845 .
- ^ Kanzawa-Kiriyama, H.; Kryukov, K.; Jinam, T. A.; Hosomichi, K.; Saso, A.; Suwa, G.; Ueda, S.; Yoneda, M. et al. (2016-06-01). “A partial nuclear genome of the Jomons who lived 3000 years ago in Fukushima, Japan”. Journal of Human Genetics (National Center for Biotechnology Information, U.S. National Library of Medicine) 62 (2): 213–221. doi:10.1038/jhg.2016.110. PMC 5285490. PMID 27581845 .
- ^ 『唐から見た遣唐使―混血児たちの大唐帝国』講談社。
- ^ 『肥後国誌』不明、1772年。
- ^ Fogarty, Philippa (June 6, 2008). “Recognition at last for Japan's Ainu”. BBC News (BBC) June 7, 2008閲覧。
- ^ “児童養護施設 聖母愛児園”. 児童養護施設 聖母愛児園. 2019年1月24日閲覧。
- ^ a b Yoshida, Reiji (2008年9月10日). “Mixed-race babies in lurch” (英語). The Japan Times Online. ISSN 0447-5763 2019年1月24日閲覧。
- ^ 冷泉, 彰彦 (2016年7月25日). “ちょっと待ってほしい、異常な「ハーフ美女人気」”. Lighthouse ロサンゼルス版 (662) 2021年7月27日閲覧。
- ^ “About the film | Hafu”. hafufilm.com. 2016年10月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年9月14日閲覧。
- ^ a b https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/konin16/dl/01.pdf
- ^ “Documentary shows hardships of mixed-race individuals in Japan - AJW by The Asahi Shimbun”. Ajw.asahi.com. 2013年10月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年10月20日閲覧。
- ^ Shoji (2013年10月3日). “Double the trouble, twice the joy for Japan's hafu”. The Japan Times. 2013年10月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年10月20日閲覧。
- ^ “平成20年末現在における外国人登録者統計について(Number of Foreign residents in Japan)”. Moj.go.jp. 2011年11月9日閲覧。
関連項目
外部リンク
- ハーフフィルム
- ハフプロジェクト -アーティストナタリーマヤウィラーと研究者マルシアユミリセによる
- ハルヴィー
- 「「これは私です」:ジェロ、ヤング、才能、多文化」 -(Fellezs 2012)
- Die Kreuzungsstelle-日本人の半分、混血/多民族または多民族の人の声
- 異人種間の美の女王が日本の自己イメージに挑戦、NYT