廃棄物処理
廃棄物処理(はいきふつしより)は、廃棄物の分別、保管、収集、運搬、再生、処分等の一連の処理をいう[1]。なお、英語のwaste managementは「廃棄物処理」あるいは「廃棄物管理」と訳される[2]。
概説
処理の過程
廃棄物処理は廃棄物の分別、保管、収集、運搬、再生、処分等の一連の処理をいう[1]。このうち再生は「廃棄物から原材料等の有用物を得ること、または処理して有用物にすること」と定義される[1]。また、処分には減量・減容化、安定化・無害化等を目的とする中間処分と、埋立処分、海洋投入処分又は再生などによる最終処分がある[1]。
廃棄物処理対策
廃棄物処理対策には、法令による排出量規制や処理コストの負担の義務付けなどの直接規制と、補助金やデポジットリファンドなど何らかのインセンティブを与える経済的手法がある[3]。
日本の廃棄物処理
廃棄物の種類
日本の廃棄物処理法では次のように分類される[4]。
- 一般廃棄物
- 家庭系廃棄物
- 事業系一般廃棄物
- 特別管理一般廃棄物
- 産業廃棄物
- 特別管理産業廃棄物
廃棄物処理に関する法律
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(1970年)
- 浄化槽法(1983年)
- 環境基本法(1993年)
- 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法、1995年)
- 特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法、1995年)
- 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(2000年)
- 食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(2000年)
- ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(2001年)
- 使用済自動車の再資源化等に関する法律(自動車リサイクル法、2002年)
ヨーロッパの廃棄物処理
デンマーク
環境保護法に基づいて策定される廃棄物管理行動計画をもとに実施される[3]。
一般廃棄物は、各地方自治体にの回収と処理の義務があり、市町村は4年ごとに廃棄物処理計画を作成することが義務づけられている[3]。一般廃棄物の回収と処理の経費はすべて処理手数料と環境税により賄われており一般会計から当てられることはない[3]。
スウェーデン
1999年1月に環境政策の総合的な法体系として定められた環境全集をもとに実施される[3]。
一般廃棄物の利用者からの料金によって賄われており税金は一切投入されていない[3]。産業廃棄物は鉱山廃棄物を除いて生産者責任の原則により企業が処理を行っている[3]。
フィンランド
1994年の廃棄物法などに基づいて、1998年8月に国家廃棄物計画と地方廃棄物計画が定められている[3]。廃棄物法により廃棄物処理のための地方税制度が制定され、1996年には廃棄物税が施行された[3]。
オランダ
環境管理法により一般廃棄物の回収責任は各地方自治体が負担する[3]。産業廃棄物は生産者責任の原則により企業が処理を行っている[3]。
環境税や廃棄物税などは総予算に歳入として組み込まれており、廃棄物処理の経費はすべて総予算から拠出される[3]。
脚注
- ^ a b c d “建設工事から生ずる廃棄物の適正処理について(通知)”. 環境省. 2021年2月24日閲覧。
- ^ 公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター. “平成27年度産業廃棄物処理業の海外展開促進策の基礎的検討調査業務~東南アジア7カ国における有害廃棄物処理報告書 ~”. 環境省. 2021年2月24日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l “ミレニアム・プロジェクト「循環型経済社会構築のための大規模な調査研究」事業実施報告書”. 首相官邸. 2021年2月24日閲覧。
- ^ “一般廃棄物と産業廃棄物の分類について”. 南但広域行政事務組合. 2021年2月24日閲覧。