糸原健斗
阪神タイガース #33 | |
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基本情報 | |
国籍 | 日本 |
出身地 | 島根県雲南市 |
生年月日 | 1992年11月11日(32歳) |
身長 体重 |
175 cm 80 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投左打 |
ポジション | 内野手 |
プロ入り | 2016年 ドラフト5位 |
初出場 | 2017年4月1日 |
年俸 | 800万円 (2017年) |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
この表について
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糸原 健斗(いとはら けんと、1992年11月11日 - )は、阪神タイガースに所属する島根県雲南市出身のプロ野球選手(内野手)。右投左打。
経歴
プロ入り前
小学2年時から野球を始める[1]。開星高校への進学後には、1年生からベンチ登録を果たすと、1年秋の中国大会では9打席連続安打を記録した[2]。2年春と3年春夏には、甲子園球場の全国大会に出場[3]。1番打者として出場した3年夏の全国大会1回戦・仙台育英高戦では、1点ビハインドの9回裏2死1・2塁で迎えた打席で左中間に大飛球を放ったものの、左翼手のダイビングキャッチによってサヨナラ勝利を逃した[4]。在学中に対外試合で放った本塁打は通算29本で、1年後輩に白根尚貴がいた。
明治大学への進学後は、1年秋から東京六大学リーグの公式戦に出場。3年春秋に三塁手でベストナインを獲得した[5]。この年の大学日本代表選考合宿にも参加するが、試合中に左足甲に死球を受け離脱し、代表入りはならなかった[6]。3年と4年時には明治神宮野球大会に出場し、いずれも準優勝だった[3]。在学中には、リーグ通算71試合に出場。打率.229、1本塁打、33打点という成績を残した。大学の1年後輩に高山俊・坂本誠志郎がいた[7]。
大学卒業後に入社したJX-ENEOSでは、1年目から公式戦に出場。デビュー戦でサヨナラ打を放つなど[1]通算26試合で打率.330を記録するかたわら、第86回都市対抗野球大会にも出場した。2年目には、チームが同大会の予選で敗退したものの、糸原自身は東芝の補強選手として本大会に出場している[1]。日本選手権は初戦で敗退[3]。
2016年のNPBドラフト会議で、阪神タイガースから5巡目で指名[8]。契約金5,000万円、年俸800万円(金額は推定)という条件で入団した。背番号は33で、前年に大学から直接入団した高山・坂本と再びチームメイトになった[7]。
プロ入り後
2017年は、春季キャンプを一軍で過ごした[9]。キャンプで初めて出場した紅白戦で、左翼フェンス直撃の二塁打を放ったことから、監督の金本知憲に「実戦向きで面白い存在」と評価[10]。この評価を背景に、キャンプ終了後も一軍へ帯同した。3月3日に京セラドーム大阪で催されたワールド・ベースボール・クラシック日本代表との強化試合では、阪神の選手として途中から出場すると、8回裏に迎えた唯一の打席で秋吉亮から適時二塁打を記録[11]。オープン戦で一軍の正二塁手の座を上本博紀と争った[11]末に、この年の新人選手ではただ1人、チームの新人野手では高山俊(2015年)以来[12]の開幕一軍登録を果たした[13]。4月1日には、広島東洋カープとの開幕カード第2戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)で、6回裏に代打で一軍公式戦にデビュー[14]。7回表から遊撃の守備に就いた[14]が、8-8で迎えた延長10回裏に公式戦での初失策(ゴロ処理後の一塁悪送球)を犯したことをきっかけに、チームはサヨナラ負けを喫した。しかし、翌2日の同カードにも途中から二塁手として出場すると、9回表の打席でライアン・ブレイジアから一軍公式戦初安打を記録[15]。5月には、12日の横浜DeNAベイスターズ戦(横浜スタジアム)第1打席から、19日の東京ヤクルトスワローズ戦(神宮球場)第1打席(いずれも「7番・二塁手」でスタメン出場)まで10打席連続出塁(セントラル・リーグ加盟球団の新人選手としての同リーグ公式戦最長記録)を達成した[16]。この記録中から、遊撃手としてスタメンに定着。7月9日の読売ジャイアンツ戦では、5打数4安打3打点を記録したほか、5回裏の第2打席で一軍公式戦初本塁打(山口俊からの2点本塁打)を放った。残りの安打はいずれも二塁打で、同点の9回裏2死1・2塁でスコット・マシソンから放った3本目の二塁打は、一軍公式戦自身初のサヨナラ安打にもなった[17]。「7番・遊撃手」としてスタメンに起用された7月19日の広島東洋カープ戦(いずれも甲子園)では、先制の2点適時打などで自身初の3試合連続複数安打を記録したが、8回表2死1塁の守備でサビエル・バティスタの飛球を背走しながら落球した際に右膝を負傷(記録は適時失策)。自力で起き上がれないまま、担架での退場と途中交代を余儀なくされた[18]。翌20日に病院で診察を受けたところ、右膝内側側副靱帯の損傷が判明した[19]ため、同日付で出場選手登録を抹消された[20]。この故障でレギュラーシーズンの後半戦を棒に振ったが、チームのレギュラーシーズン2位で迎えた横浜DeNAベイスターズとのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(甲子園)では、第1戦(10月14日)の7回裏に代打でポストシーズンの試合に初めて出場(記録は一塁手の失策による出塁)。翌15日の第2戦でも8回裏に代打で起用されると、一軍では7月19日の広島戦以来約3ヶ月振りの安打を、スペンサー・パットンからのポストシーズン初安打で記録した[21]。
選手としての特徴
ドラフト指名時点では、力強いスイングで左投手も苦にせず、スライダーやカーブにも対応できる高い打撃技術を持ち、また脚力もあり、強肩を生かした守備ができ、走攻守のバランスが取れた期待の内野手と評されている[22]。50メートル走は6秒1、遠投は110メートルを記録し[5]、二塁を中心に、三塁や遊撃の守備もこなせるユーティリティープレイヤーでもある[11]。
人物
高校時代には広島市内のトレーニングジム「アスリート」で指導を受けた経験を持つ[5]。
詳細情報
年度別打撃成績
年 度 |
球 団 |
試 合 |
打 席 |
打 数 |
得 点 |
安 打 |
二 塁 打 |
三 塁 打 |
本 塁 打 |
塁 打 |
打 点 |
盗 塁 |
盗 塁 死 |
犠 打 |
犠 飛 |
四 球 |
敬 遠 |
死 球 |
三 振 |
併 殺 打 |
打 率 |
出 塁 率 |
長 打 率 |
O P S |
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2017 | 阪神 | 66 | 193 | 162 | 18 | 42 | 13 | 0 | 1 | 58 | 24 | 1 | 0 | 5 | 0 | 23 | 0 | 3 | 26 | 1 | .259 | .362 | .358 | .720 |
通算:1年 | 66 | 193 | 162 | 18 | 42 | 13 | 0 | 1 | 58 | 24 | 1 | 0 | 5 | 0 | 23 | 0 | 3 | 26 | 1 | .259 | .362 | .358 | .720 |
- 2017年度シーズン終了時
年度別守備成績
年 度 |
球 団 |
二塁 | 三塁 | 遊撃 | |||||||||||||||
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試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 |
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 |
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2017 | 阪神 | 16 | 28 | 24 | 2 | 5 | .963 | 4 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1.000 | 40 | 52 | 94 | 4 | 23 | .973 |
通算 | 16 | 28 | 24 | 2 | 5 | .963 | 4 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1.000 | 40 | 52 | 94 | 4 | 23 | .973 |
- 2017年度シーズン終了時
記録
- 初出場・初打席:2017年4月1日、対広島東洋カープ2回戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)、6回表に岩貞祐太の代打として出場、薮田和樹から死球
- 初安打:2017年4月2日、対広島東洋カープ3回戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)、9回表にライアン・ブレイシアから中前安打
- 初先発出場:2017年4月14日、対広島東洋カープ4回戦(阪神甲子園球場)、8番・遊撃手として先発出場
- 初打点:2017年4月15日、対広島東洋カープ5回戦(阪神甲子園球場)、5回裏に岡田明丈から中前適時二塁打
- 初盗塁:2017年5月23日、対読売ジャイアンツ8回戦(阪神甲子園球場)、9回裏に二盗(投手:アルキメデス・カミネロ、捕手:小林誠司)
- 初本塁打:2017年7月9日、対読売ジャイアンツ13回戦(阪神甲子園球場)、5回裏に山口俊から右越2ラン [23]。
背番号
- 33 (2017年 - )
登場曲
出典
- ^ a b c 阪神ドラフト5位糸原がミスターばりに試合を決める 日刊スポーツ 2016年12月5日閲覧
- ^ 金本監督の“秘蔵っ子”糸原健斗 大学後輩の高山らとプロ競演を熱望 デイリースポーツ 2016年12月5日閲覧
- ^ a b c JX-ENEOS初戦敗退…糸原、好機で凡退/日本選手権 サンケイスポーツ 2016年12月5日閲覧
- ^ 楠淳生・中村健二『野球と実況中継』(2017年、彩流社)第3章「野球の実況とは」p.108に詳述。
- ^ a b c 阪神ドラ5糸原健斗、気持ちは社会人選手権へ デイリースポーツ 2016年12月5日閲覧
- ^ 明大 33年ぶり連覇に王手!糸原 監督絶賛「渋い最高の」V打 スポニチアネックス 2016年12月5日閲覧
- ^ a b 阪神5位糸原、開幕一軍だ!高山、坂本へ先輩の意地 日刊スポーツ 2017年2月20日閲覧
- ^ ドラ5・糸原が仮契約「背中でガッツを見せていきたい」 デイリースポーツ 2016年12月5日閲覧
- ^ 2017年春季一軍キャンプメンバーについて阪神タイガース 2017年2月20日閲覧
- ^ 阪神5位糸原の鮮烈デビューに監督絶賛/新人通信簿 日刊スポーツ 2017年3月19日閲覧
- ^ a b c “阪神糸原が侍ダメ押し打 あるぞ開幕二塁スタメン”. 日刊スポーツ. (2017年3月19日) 2017年3月19日閲覧。
- ^ “阪神ドラフト5位糸原 開幕一軍決定的 新人野手は鳥谷以来13年ぶり”. スポーツニッポン. (2017年3月29日) 2017年4月3日閲覧。
- ^ “阪神 開幕一軍登録メンバー一覧”. 日刊スポーツ. (2017年3月29日) 2017年3月29日閲覧。
- ^ a b “阪神ドラ5糸原が代打でプロ初出場、初打席は死球”. 日刊スポーツ. (2017年4月1日) 2017年4月2日閲覧。
- ^ “阪神ドラ5糸原プロ初安打 狩野の言葉で切り替えた”. 日刊スポーツ. (2017年4月3日) 2017年4月3日閲覧。
- ^ “阪神ドラフト5位糸原セ新人最長記録の10打席連続出塁”. 日刊スポーツ. (2017年5月19日) 2017年6月4日閲覧。
- ^ “阪神ドラフト5位糸原 9回サヨナラ打 プロ1号含む4安打”. スポーツニッポン. (2017年7月9日) 2017年7月9日閲覧。
- ^ “阪神またも負傷者…糸原が右膝付近痛め交代 長期離脱の可能性も”. スポーツニッポン. (2017年7月20日) 2017年7月20日閲覧。
- ^ “阪神・糸原、右膝内側側副靱帯損傷と診断 出場選手登録を抹消”. サンケイスポーツ. (2017年7月20日) 2017年7月20日閲覧。
- ^ “ヤクルト石川、阪神糸原ら抹消”. 日刊スポーツ. (2017年7月20日) 2017年7月20日閲覧。
- ^ “阪神糸原3カ月ぶり安打 右膝靱帯損傷から復活”. 日刊スポーツ. (2017年10月15日) 2017年10月16日閲覧。
- ^ 2016年プロ野球ドラフト スポニチアネックス 2016年12月5日閲覧
- ^ 阪神ドラフト5位糸原プロ1号2ラン「感触は完璧だった」 日刊スポーツ 2017年7月9日閲覧。
- ^ 選手テーマソング 阪神タイガース公式サイト 2017年4月2日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 個人年度別成績 糸原健斗 - NPB.jp 日本野球機構