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ストレンジ・デイズ/1999年12月31日

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ストレンジ・デイズ
1999年12月31日
Strange Days
監督 キャスリン・ビグロー
脚本 ジェームズ・キャメロン
ジェイ・コックス
原案 ジェームズ・キャメロン
製作 ジェームズ・キャメロン
スティーヴン=チャールズ・ジャッフェ
製作総指揮 レイ・サンキーニ
ローレンス・カザノフ
音楽 グレーム・レヴェル
撮影 マシュー・F・レオネッティ
編集 ハワード・E・スミス
配給 アメリカ合衆国の旗 20世紀フォックス
日本の旗 日本ヘラルド
公開 アメリカ合衆国の旗 1995年10月6日
日本の旗 1996年1月20日
上映時間 145分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $42,000,000[1]
興行収入 $7,959,291[1]
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ストレンジ・デイズ/1999年12月31日』(原題:Strange Days)は、1995年アメリカ映画

概要

キャメロンの原作小説を元に製作され、1万5千人のエキストラを動員したラストのカウントダウンのモブシーンが圧巻。原案・脚本・製作はジェームズ・キャメロンで監督は公私に渡るパートナーであるキャスリン・ビグロー(既に離婚)が務めている。他の制作陣にもキャメロンが制作した『トゥルーライズ』のスタッフが加わっている。1996年にはコミック小説も発売された。

出演はレイフ・ファインズアンジェラ・バセットジュリエット・ルイストム・サイズモアブリジット・バーコほか。ブリジットは「ダーク・アイランド」の主演がキッカケで本作への出演に抜擢された。ブリジットは前回は恐怖に駆られながら島の男2人に追われるシーンから今度は警官2人に追われるシーンにチャレンジしており、「ダーク・アイランド」で見せた縛って吊るされるシーンは本作ではさらに過激なシーンに挑戦している。

凄惨なブリジット演じるアイリスのレイプシーンやサイバーパンクなどが話題を呼んだが、レイプシーンや時代を先取りし過ぎた内容のため公開当時は評価が低かった。しかし、後のキャメロンの監督作品であり同じく神経接続をテーマにしたサム・ワーシントンを主演とした2009年の映画『アバター』の先駆け的な作品として知られている。同じようなプロットでは後にアイリス役のブリジット主演により殺人シーンを記録したビデオが送られてくるという内容の映画『パラノイア』や同じくブリジット主演による本作のオマージュがある『ロード・オブ・ザ・リベンジ』が製作されている。また、後の1997年のキャメロンとジェイ・コックスの監督と脚本によるレオナルド・ディカプリオケイト・ウィンスレットを主演とした映画『タイタニック』の複雑な男女の三角関係なども本作が元となっている。他にも、本作の縁から映画製作者のアーミアン・バーンスタインが映画監督候補をキャメロンに相談した所キャメロンが監督にピーター・ハイアムズを推薦し1999年大晦日のNY.(撮影はLA)を舞台とし主人公の名前を「ジェリコ」と設定したアーノルド・シュワルツェネッガー主演による『エンド・オブ・デイズ』が製作されている。

2010年の第82回アカデミー賞では本作で監督と製作総指揮だったキャメロンによる『アバター』と本作で主演を務めたレイフも出演したビグローによる『ハート・ロッカー』が争い、ハート・ロッカーが勝利を収めた。 ロサンゼルスを舞台にストーリーが展開し、銃を乱射しながら主人公達を追跡する無表情のロス市警の警官などはターミネーターT-1000をモチーフにしており、同脚本の『ターミネーター2』に近い青を意識した映像美が印象的な作品である。

ストーリー

1999年12月31日ロサンゼルス。元警官のレニー(レイフ・ファインズ)は娼婦のフェイス(ジュリエット・ルイス)と恋仲となったものの懲戒免職になり、フェイスにも去られてしまった男である。現在はスクイッドと呼ばれる他人の五感を体験できるディスクの闇ソフトをフェイスとの想い出を思い出すために自分も使用しながら、売買し生活している。ある日の深夜、フェイスの友人でディスクを提供してくれる娼婦のアイリス(ブリジット・バーコ)が助けを求めてやって来る。何者かに怯えるアイリスはレニーの元に2人の警官が乗ったパトカーが現れた途端に「フェイスもヤバイのよ」と言い残して去ってしまった。その頃、テレビでは人気黒人ラッパーのジェリコ・ワンが射殺されたと繰り返し報じていた。町に不安が高まるそんな中、レニーの元に差出人不明の1枚のディスクが届けられた。そのディスクにはアイリスが何者かに襲撃され、アイリスは風呂上がりだっためシャツとパンティー姿であり、電撃で悶えさせられた挙句に縛って吊るされ、カッターナイフでシャツを切り裂かれて乳房を露わにされ、さらにパンティーを剥ぎ取られた挙句レイプされ殺されていく過程が記録されており、しかもスクイッドを装着して犯行に及んだ犯人は彼女にもスクイッドを接続し、自分で自分を犯している快感を覚えさせられながら殺されるという倒錯的な快感を味わわせながらアイリスを惨殺したのだった。このディスクは殺人場面のディスクである一方でアイリスの体験をレニーに体験させレニーを苦しめる効果もあった。レニーはアイリスと同様に狙われているであろうフェイスを守るべく親友のメイス(アンジェラ・バセット)らと共に真犯人捜しを始め、アイリスがキーとなるディスクを車に放り込んだことを思い出したレニーはメイスと共に駐車場に向かう。そこにロス市警の警官2人が襲撃してきた。カーチェイスの末に逃げ延びたレニーとメイスが手に入れたディスクにはジェリコが警官達に射殺されアイリスがこれを目撃し、警官2人に追われる映像が収められていた。このディスクによりレニーはこの警官達がジェリコ殺しの犯人であることを知る。しかし、アイリス殺害の際に剥ぎ取ったパンティーを持ち帰り、既に絶命したアイリスの両目を開かせるなどの残虐な手口からレニーはアイリス殺しの犯人は別にいると推理する。しかし、次々にレニーの仲間や知り合いが殺されていく。カウントダウンが迫る中、レニー達は真犯人捜しに奔走する羽目になる。

登場人物

レニー・ネロ:レイフ・ファインズ
本作の主人公で元警官。スクイッドの売人だが唯一、猟奇物のディスクである「ブラックジャック」は扱わない。
メイス:アンジェラ・バセット
レニーの友人の運転手兼ボディガード。離婚しており子供が一人いる。レニーからの愛称は「メイシー」。
フェイス・ジャスティン:ジュリエット・ルイス
レニーの元恋人でアイリスの友人の娼婦。歌手を目差しておりそのためにガントに抱かれる。性格は冷めてはいるが、アイリスが殺害された際に悲しがるなど本心が見える。
マックス・ベルティエ:トム・サイズモア
探偵。レニーの友人で元警官。頭に弾丸が残っている。
フィロ・ガント:マイケル・ウィンコット
音楽界の大物。フェイスを愛人にしている。
バートン・ステックラー:ヴィンセント・ドノフリオ
ロス市警の警官。
アイリス:ブリジット・バーコ
娼婦でフェイスの友人。年齢は小説では20代前半で映画では20代後半。ただし、演じたブリジットの外見が若いため見た感じは10代である。娼婦の他に副業としてスクイッドを装着して誰かを監視したり、誰かの代わりに自分が体験しその体験のディスクを売買している。レニーにもディスクを提供していた。他にも事件を目撃した後は自衛として銃を携帯している。ジェリコ射殺の瞬間を目撃し、レニーの元に助けを求めるが警官2人が乗ったパトカーが現れたため慌ててその場から逃げ去る。その後、追跡者を恐れてホテル「サンセット・リージェント」に宿泊していたがそこで何者かの襲撃を受け、スクイッドを装着させられ自分を犯しながら犯される快感を覚えオーガズムに達し思わず「イってしまい」喘ぎ声を上げた後、殺害される。少女のように細身ながら以外に俊足で警官二人に撃たれ続けながらも走って逃げ切っている。映画では地毛は長髪のロングヘアーで普段は装着しているスクイッドを隠すため金髪のカツラを装着している。小説では地毛はプラチナホワイトのショートヘアーである。アイリスが射殺現場を記録したディスクは証拠として提出され、殺害されたがラストでレニーにとんでもない幸運をもたらすこととなる。原作小説では殺害され方が異なり、ホテルの部屋の風呂場で入浴中に襲われ浣腸バイブなどの大人のおもちゃで辱められた後に殺害されている。ブリジットは「ダーク・アイランド 堕ちた楽園」のアンディ役や本作と同じくサイバー・パンクアクションである「レプリケーター」のキャシー役などでの船長とその友人の二人に追われるシーンの演技などを買われてアイリス役に抜擢された。名前の由来は映画『タクシードライバー』でジョディ・フォスターが演じた「娼婦アイリス」からである。作中でアイリスがレニーの車に助けを求めるシーンは、『タクシードライバー』でアイリスが主人公トラヴィスの車に助けを求めるシーンのオマージュである。因みに、後にブリジットが主演した映画『ロード・オブ・ザ・リベンジ』でのブリジットの役名はメイスの愛称と同じ「メイシー」であった。
ジェリコ・ワン:グレン・プラマー
過激な黒人ラップ歌手。取り巻きの男女のリプレーらと共に何者かに射殺される。
パーマン・ストリックランド:ジョセフ・ソマー
警察署長でレニーの元上司。
ドウェイン・エンゲルマン:ウィリアム・フィクトナー
ロス市警の警官。モデルはターミネーターT-1000。
ティック:リチャード・エトソン
レニーの友人でスクイッドの売人。小説ではアイリス殺害のディスクを見て「芸術的」と称す変態。ディスクの解析後に口封じとして何者かに殺害される。原作では「トラン」という男である。

キャスト

役名 俳優 日本語吹替
レニー・ネロ レイフ・ファインズ 安原義人
メイス アンジェラ・バセット 塩田朋子
フェイス・ジャスティン ジュリエット・ルイス 土井美加
マックス・ペルティエ トム・サイズモア 樋浦勉
フィロ・ガント マイケル・ウィンコット 谷口節
バートン・ステックラー ヴィンセント・ドノフリオ
アイリス ブリジット・バーコ 深雪さなえ
ジェリコ・ワン グレン・プラマー 石井康嗣
パーマー・ストリックランド ジョセフ・ソマー
ドウェイン・エンゲルマン ウィリアム・フィクトナー
ティック リチャード・エドソン

スタッフ

備考

  • 本作は、前述の娼婦アイリス(ブリジット・バーコ)の殺害シーンがあまりにも残虐かつ悲惨であるが重要なシーンであるためカットするわけにいかないため、キャメロン、ビグロー作品にしては珍しく地上波放送の際はノーカットでは深夜放送に限られている。日本と違い本国ではR指定作品である。
  • 原作小説にあった下品かつ過激なセリフや不適切な表現などは映画ではソフトなものに変更されている。
  • キャメロンとビグローにとって、本作は『ハートブルー』以来の共同作品となった。
  • ジェリコ・ワン役のグレン・プラマーは本作以前に『スピード』、『ハート・ブルー』で主演を務めたキアヌ・リーブスと共演している。
  • 後のビグローの監督作品である『K-19』で主演の一人を務めたのはスティーヴン・スピルバーグの監督作品『シンドラーのリスト』でレイフと共演したリーアム・ニーソンで、レイフとリーアムは『タイタンの戦い』でも再び共演している。
  • アイリスにパイプ越しに掛けられる手錠などはキャメロンの監督作品である 『タイタニック』のレオナルド・ディカプリオ演じるジャックが船内のパイプに手錠を掛けられるシーン、探偵の「マックス」の名前と『ダークエンジェル』のジェシカ・アルバ演じる主人公の名前「マックス」など後のキャメロン作品に繋がる描写がいくつも散りばめられている。
  • アンジェラ・バセットはライアン・レイノルズ主演の『グリーン・ランタン』に出演しているが、サイズモアもアニメ版『ジャスティス・リーグ』でグリーンランタンの正体であるジョン・スチュワートの友人役で吹き替えとして出演している。
  • ブリジットが吹き替えで出演しているアニメ『ゴジラ ザ・シリーズ』でブリジット演じるモニク・デュプレの敵である白髪の大富豪の名前は「キャメロン」である。毎回モニクに敵わずに敗れるというコミカルなキャラクターであった。

関連項目

  • ダーク・アイランド/堕ちた楽園 - 1993年の映画。アイリス役のブリジット・バーコの主演映画でアイリス殺害の一連のシーンであるアイリスが縛って吊るされるシーンは本作のブリジット演じるアンディが縛って吊るされるシーンと構図が全く同じである。尚、製作陣はビグローが監督、キャメロンが製作総指揮を務めた『ハートブルー』の製作者達である。
  • レプリケーター - 1994年の映画。ブリジット・バーコの出演作。本作と同じく近未来が舞台でデジタルドラックと化している頭部に付けてバーチャル体験を楽しむ装置が登場する。
  • パラノイア - 1997年の映画。ブリジットとラリー・ドレイクの主演作で物語のラストでブリジット演じるジャナ・マーサーの元にジャナの家族を殺害する様子を記録したビデオテープが送られてくるという本作のオマージュがある。
  • ダブル・テイク - 1998年の映画。ブリジットとクレイグ・シェイファーの主演作。監督は本作で撮影を務めたマシュー・F・レオネッティと『コマンドー』で共演したマーク・L・レスター。被害者が射殺され、それを目撃してしまった主人公が犯人に追い詰められていくという内容である。
  • ロード・オブ・ザ・リベンジ - 2001年の映画。ブリジットの主演作でブリジット演じるメイシーが金髪のカツラを被って変装するのは本作の娼婦アイリスが金髪のカツラで変装するオマージュである。
  • ブレードランナー - 小説板に未来都市を現す近未来SFとして名前が登場。なお、本作の主演はビグローの監督作品であるK-19で主演を務めたハリソン・フォードである。
  • メトロポリス - 小説版に本作の未来都市はこの映画の未来都市に似ているという表記がある。
  • タクシードライバー - 本作のブリジット演じる「娼婦のアイリス」と同じ名前のジョディ・フォスターが演じた「娼婦のアイリス」という人物が登場する。
  • エンド・オブ・デイズ - キャメロンと親交が深いアーノルド・シュワルツネッガーの主演映画で舞台はニューヨークであるが、同じく1999年の世紀末を舞台にした映画であり、主人公は元警官で名前は「ジェリコ」である。ラストもカウントダウンのシーンで終わる。

脚注

  1. ^ a b Strange Days (1996)”. Box Office Mojo. 2010年1月2日閲覧。

外部リンク

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