虫刺症
表示
ウィキペディアは医学的助言を提供しません。免責事項もお読みください。 |
虫刺症(ちゅうししょう)とは、昆虫類を含む虫に刺された時にできる傷であり、外傷の一つである。日常的には「虫刺され」といわれることが多い。便宜上、刺された場合のみではなく咬まれた場合も下記に記す。
- 大型動物による咬傷(犬やマムシによる咬傷など)は、動物咬傷の項目を参照してください。
一般事項
蚊・ブヨ・ダニ・アブなどに刺されたり、毛虫や毒蛾にかぶれた場合、ステロイド外用剤(軟膏、クリーム)を塗ると効果的である。また冷たいタオルなどで患部を冷やすと、かゆみや痛みが和らぐ。ひどい場合は、ステロイドの内服や注射を行うこともある。
蜂刺傷
- 蜂に刺されて恐いのは、全身にアレルギー反応が起こりアナフィラキシーショックで命に関わる場合である。日本では年間20〜40人程度、多い年では70人以上の死亡者を出している。全身の蕁麻疹、呼吸困難、気分不快、冷や汗、めまいなどの症状が起こった場合は、ショックに準じた治療が必要である。ショック症状は刺傷から数分で始まることもあり、万一、このような状態になった場合、躊躇せず救急車を要請することが望まれる。
- 刺された場所が1〜2日後に腫れたり痛んだりすることがある。普通の皮膚炎に準じた治療、すなわちステロイド系の外用、内服、注射などで対処する。これ自体は命に関わるものではない。
- 対処法についてはこちらの項も参照。
ムカデ咬傷 (Centipede bite)
ムカデ毒も蜂毒(Bee venom、アピトキシン、Apitoxin)と同じようにアレルギー反応を起こすことがあり、対処法も蜂と同じである。就眠中に咬まれることが多く、咬まれた直後に激しい痛みに襲われ、局所が腫れて痛む。ホッチキスの針で穴を空けたような傷が残るのが特徴的。同じくステロイド外用、内服、注射が奏功する。傷部が感染することがあり抗生剤内服も行う。
- ムカデによるかみ傷は、氷で冷やすと痛みが軽減する。[1]
サソリ刺傷
メキシコではサソリ刺傷で年間2000人の死亡者が見られ、イスラエル、インドにおいても、サソリ刺傷による高い死亡率が報告されている。ナトリウムチャネルに作用して、筋肉の痙攣や呼吸困難を引き起こす。治療には、抗サソリ毒血清が有効である。
ダニ刺傷
蚊刺傷
蚊に刺された場合、局所的には軽度の炎症で済むが、日本脳炎に注意が必要である。海外へ渡航の際は、マラリア、ウエストナイル熱、デング熱にも注意が必要となる。