海上アクセス
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | 非上場 |
本社所在地 |
650-0048 兵庫県神戸市中央区神戸空港10番 |
設立 | 1988年(昭和63年)12月9日 |
業種 | 海運業 |
事業内容 | 海上運送事業等 |
代表者 | 代表取締役社長 松﨑昭 |
資本金 | 35億円(2008年3月31日時点) |
発行済株式総数 | 70,000株(2011年年3月31日時点) |
売上高 | 9億7,756万6,000円(2011年3月期) |
純利益 | 698万2,000円(2011年3月期) |
純資産 | -131億5,277万円(2011年3月期) |
総資産 | 7億829万6,000円(2011年3月期) |
従業員数 | 6人(2007年3月31日時点) |
決算期 | 3月31日 |
主要株主 |
神戸市 19,353株(27.7%) 神戸航空貨物ターミナル(株) 14,235株(20.3%) (株)神戸ニュータウン開発センター 10,319株(14.7%) 神戸航空交通ターミナル(株) 4,400株(6.3%) 徳島高速船(株) 4,400株(6.3%) 日本航空(株) 3,500株(5.0%) 神戸交通振興(株) 2,980株(4.3%) 関西汽船(株) 2,400株(3.4%) (株)三井住友銀行 2,063株(3.0%) 他 5,750株(8.1%) (2011年3月31日時点)(全株主数31社) |
外部リンク | http://www.kobe-access.co.jp/ |
特記事項:海上アクセス(株)会社概要およびEDINETを参照し作成。 |
海上アクセス株式会社(かいじょうアクセス)は、神戸空港と関西国際空港間の高速船(双胴船)神戸-関空ベイ・シャトルの運航を手がける第三セクター方式のフェリー会社である。
概要
1994年より、同年の関西国際空港開港にあわせて神戸-関空間の航路を開設、「神戸マリンルート」(K-JET)という名称で、ジェットフォイルを用いて運航を開始した[1]。しかし、利用低迷に阪神・淡路大震災の影響なども重なり、2002年をもって一旦航路を休止した[2][3]。この8年間あまりで計上した累積赤字(累積損失)は、約152億円にのぼるとされる[1][4]。
その後は、2006年の神戸空港開港にあわせ、休止中の航路を神戸側の発着場を海上アクセスターミナルに変更し、また使用機材をジェットフォイルから高速船に変更したうえで、「神戸-関空ベイ・シャトル」として運航を再開した[1]。現在は「神戸-関空ベイ・シャトル」の運航を主要な事業としながら[5]、海上運送事業に加えて、店舗や事務所等の賃貸事業、各種施設の保守管理事業、駐車場の経営、損害保険代理店業などを営んでいる[6]。
運航再開後の経営状況
2006年の運航再開にあたっては、前航路時代からの累積損失約152億円も引き継いだうえで[1][4]、「毎年黒字を計上し、41年間で累積赤字を解消する」という目標を掲げていた[2][4][7]。しかし初年度から赤字を計上し、当初目標達成が頓挫する誤算に見舞われ[2][4][7]、翌2007年度に市から2億1,900万円の補助金を受けたのを皮切りに[7]、以降2011年度まで補助金の投入を受けることになった[2][4][7]。2011年度までの補助金投入額は、約7億円にのぼるとされる[4][7]。
ただし、利用者数は増加傾向にあり、2009年度、2010年度はいずれも過去最高の利用者数を達成している[2][3][4]。中国や韓国などからの外国人観光客が増加していることに加え[2][3][4][7]、駐車場の無料化やフェリー欠航時の補完サービスなどの利用促進策を実施[2]、利用者増につなげている。補助金による支援に加え、このような利用促進策、経営改善策もあり、2009年度に初の単年度収支黒字化を達成し[3]、2010年度も2年連続となる黒字を達成している[2]。その一方で、主事業であるフェリー運航事業は赤字体質で、他事業の収益、特にポートアイランドで展開する駐車場事業の収入や補助金で穴埋めする状態が続いている[3][7]。海上アクセスでは、フェリー事業の収支を改善するために、新たな経営改善策としてフェリー運賃の2割値上げによる収入増を図っている[2][7]。
その一方で、市は補助金額の圧縮に取り組んでおり、2011年度の補助金額は高速船の減価償却費に相当する約4,600万円まで圧縮を進めている[2][7]。
民事再生による経営再建
上記のような施策の結果、単年度黒字化を達成するなどの経営改善効果は見られているが、前航路時代から引き継いだ約152億円の累積損失に加え、運航再開後の損失もあわせた累積損失は2010年度末の段階で約167億円[4][8]、負債総額も約138億円を残しており[1][9]、このような累積損失・負債が経営の重荷となっているとされる。
神戸市は、海上アクセスも含めた同市みなと総局の5つの外郭団体について、外部委員会を組織して事業再生のあり方を検討していたが、2011年9月2日に中間報告をまとめ、その中で海上アクセスについては、公益性の高さなどから事業存続の意義があり、民事再生手続を活用して再建すべきとの提言が示された[10]。また、同委員会はその後2011年末にまとめた最終報告において、「航路は公益性が高い」「関空への格安航空会社(LCC)就航などで旅客の伸びも期待できる」と評価したうえで、中間報告に続いて事業存続の意義を認め、民事再生法を活用した再建を提案するとともに[1][4]、再建方法として債務の株式化を提言していた[4]。
この提言を受けて、神戸市と海上アクセスでは民事再生法の適用を受けた再建手続に踏み切る方針を固めたとされる[4]。市は、市本体や他の外郭団体による約133億円の貸付金を全額株式に振り替えることで、債務超過を解消し事業を継続させる方針[4]。貸付金を全額株式化した場合の評価額は約2億円になるとみられており、市はこれに伴って生じる約131億円の損失に加え、新たに出資する1億円をあわせた合計約132億円を損失として想定している[4]。これら一連の処理は、2012年度予算案で港湾事業会計に計上される方針であり、市は2012年2月24日より開会する定例市会での審議を経た上で処理を進める方針であるという[4]。
関連項目
脚注
- ^ a b c d e f g 「神戸空港-関空間の高速船運航三セク 民事再生法申請へ」 MSN産経ニュース(産経新聞)、2012年2月14日掲載、2012年2月17日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j 「ベイ・シャトル就航5年 累積赤字解消課題」 神戸新聞、2011年7月13日掲載、2012年2月17日閲覧。
- ^ a b c d e 「神戸‐関空間ベイ・シャトル 初の黒字化」 神戸新聞、2010年2月2日掲載、2012年2月17日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o 「民事再生法申請へ ベイ・シャトル運航の神戸市三セク」 神戸新聞、2012年2月12日掲載、2012年2月17日閲覧。
- ^ ただし、実際の運航業務は加藤汽船に委託している。
- ^ 会社概要 海上アクセス株式会社ホームページより。
- ^ a b c d e f g h i 「市三セク、航路事業だけでは赤字 自立経営波高く」 神戸新聞、2012年2月12日掲載、2012年2月17日閲覧。
- ^ 平成22年度計算書類 {{{1}}} (PDF) 海上アクセス株式会社のホームページより。1ページ目の損益計算書、2ページ目の貸借対照表に当期(2010年度)の未処理損失として166億5,277万円が計上されている。
- ^ 平成22年度計算書類 {{{1}}} (PDF) 海上アクセス株式会社のホームページより。2ページ目の貸借対照表に示されている「負債の部」総額は138億6,106万7,000円となっている。
- ^ 「民事再生手続き検討を外部委が提言 海上アクセス」 神戸新聞、2011年9月3日掲載、2012年2月17日閲覧。